いでたち通信は点字に翻訳し、視覚障害者に配布されています。

   
  1.かわたれ時                          菊地 賢三  

 たそがれ時というのは、日没後で人の見わけの付きにくい時間帯を言い、誰ぞ彼はと言うのが語源だそうだ。これには対になる言葉があって、かわたれ時と言うそうで、明け方のまだ薄暗い時間帯を言い、彼は誰ぞと言うのが語源だそうだ。
 私の年齢もそろそろ人生のたそがれ時に近くになり、目も見えにくくなり耳も聞こえにくくなってきた。テレビを見ていても新しい歌や若い俳優の名前がなかなか覚えられないなど、馬齢を重ねてきたという思いがある。一方、世の中には自分の思うとおりにならないことが多いと分かっており、今まではそれなりに我慢をしてきたものもあるが、「さあこの年この立場なら、もうそろそろ怖いもの無し。自分の経験から世の中の常識の相場もわかっていて、大体自分のほうが正しい。言いたいことも存分に言おうか。」と思うことが多くなってきた。と同時に、待てよ、これは昔からあるたそがれ時の「過剰なる正義感」。他人の迷惑かもしれない。ここ一番さらにそれを抑えねばなるまい、とも思い自戒している。
 
NHKBSで放送していた穂高岳山荘の支配人であった宮田八郎さん。穂高の様々な写真も素晴らしいのですが、特に印象に残ったのは赤、黄、緑の三色の穂高の紅葉のあとの、葉をすっかり落とした木々の写真です。日差しが弱くなると得られるエネルギーより葉を維持するエネルギーのほうが大きくなる。そこで葉を落とし、枝にエネルギーを貯め冬に備え、落した葉が翌年の成長の糧になるのだ、ととらえているそうです。
 出来れば自分も眼が見えにくい時、それがたそがれ時でなく、かわたれ時の様にこれから次の明るい世界になるのだと思っていきたいと思います。

 

2.ゴマみそもやし鍋                       いでたろう

 料四人分 もやし3袋、豚バラ肉200g、炒り金ごま60g、仙台みそ大匙4、白みそ大匙2、豆板醤小さじ1、酢大匙半分、だし汁5カップ、おろしにんにく2片分、一味唐辛子少々
 1.     もやしはひげ根を取り水気をきる。豚肉は5㎝程度に切る。
 2.     ごまをフライパンにかけ香りが立つまで炒め、すり鉢でする。
 3.     みそ、豆板醤、酢の順に加えながらすり混ぜ、最後にだし汁を加える。
 4.     鍋に3.とにんにくを入れ火にかけ、煮立ったら豚肉を入れあくを取り、もやしを加えて出来上がり。

ポイント もやしのひげ根を取ることと炒りゴマを再度温める。



 3.「思いつくままの走り書き -バスハイクは羽田エアポートへ-」  中村 斉

 栄区視覚障害者福祉協会令和元年のバスハイクは10月16日に「羽田空港を楽しもうをタイトルに実施した。
 本郷台駅前を発着点とし5時間半のおしゃれな旅だった。私はデイケアの送迎バスを待つ間に、庭先で一杯のモーニングコーヒーを楽しむ事が多い。夏の陽射しの収まった頃庭でお茶をするのも楽しみにしている。そんな機会に耳を澄ますと航空機の爆音が、ほぼ途切れもなく聞こえることに気付く。戦時中にはプロペラ機だったが、せわしなく飛び交い、B29の爆音に耳をそばだてたものだ。戦後の一時は爆音の波長に窓ガラスが同調して激しく振動して不快感や恐怖感を味わった時期もあった。最近は飛行するのが高くなったせいか、エンジンの機能があがったせいか、あまり不快感はなくなったような気がする。
 空港ビルを見学する前に、城南島臨海こうえんで、離陸した機がエンジンのパワーをアップして上昇していく力強さを見た。ここは休日には、マニアの集中するポイントと聞く。機影は見えないけれど老骨にもワクワクさせるものがあった。女性の方はどうだったのだろうか。まだ確かめてはいないのだが、あのジェット音に、パリへまたはマンハッタンへの旅のロマンを感じていただけただろうか。離陸を見学する空港ビルのデッキで皆さんが楽しんでおられる様子を同行の者に聞かせてもらった。昼食もそれぞれに楽しまれたようなので、会長と私の男子2名が一発で合意した此の計画がまずまず合格点をいただけたものと自己評価した。

 

4.編集後記                           田中 隆好

 今年の干支は「亥年(いどし)」、来年は「子年(ねどし)」です。
 A1)十二支の漢字は中国で使用されている漢字であり、中国の漢字をそのまま使用している。A2)本来十二支は年月・時刻・方位に当てる記号だが、記号を覚えやすくするために動物を当てはめたと言われている。亥は中国では豚であり、他の国の十二支も一部が違う動物です。A3)十二支の順番は、中国道教の最高神である玉皇大帝が動物達に会議を招集し、十二ある年の名前は会議に到着した順にその動物の名前を付けると言った。動物達は玉皇大帝のいる宮殿に向かったが道中には大きな川があり、その川を越えないとたどり着けない。鼠は泳ぐことが出来ないので道案内をすると言って牛の背中に乗せてもらい川を渡り、対岸に着くと牛から降りて一目散に宮殿に向かい1番になった。牛がその後に続いて2番。3番は虎です。4番の兎はぴょんぴょん跳ねながら川の小石伝いに渡っていたが途中立往生し丸太に飛び移り流されたが、5番目に来た龍に助けられて無事到着した。6番は蛇、7番は馬、8番は羊、9番は猿、10番は鳥、11番は水遊びして遅れた犬、12番は途中でお腹がすいて食事をして遅れた豚でした。尚、十二支の候補に猫もいたが鼠から嘘の集合日を教えられて十二支に入れず、今も恨みに思って鼠を追いかけ回している。と中国に言い伝えがある。(https://kyosei-tairyu.jp/eto/「干支がわかる」から抜粋)


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