いでたち通信は点字に翻訳し、視覚障害者に配布されています。
 
  
 

     
 

  1.読書会 意見を述べ合える幸せ           井上 道代

 私は、中高年の知恵と体験交流誌「さすが&されど」Ⅱという隔月刊誌の読書会に所属しております。読書会は本郷台、戸塚、鎌倉の三会場で実施しており、現在私は本郷台に所属しています。読書会は、先ず、全員による3分間スピ-チとそれぞれの話に対する意見交換から始まります。
 この前の例会は10人出席で、銃問題、神戸製鋼のデ-タ改ざん問題、貝殻の形、官製の消費監査の迷走、ほか様々な話題が出ました。その中から「さすが誌」に掲載されるものを1つ選ぶのですが、その回の会では深海底の力に耐えている貝殻の形を自動車の形に使ったらどうかという提案を選びました。
 もうひとつ、「1冊の本ト-キング」、というのがあります。提案は輪番制です。その会では、M氏による「2050年の技術―英、エコノミスト誌は予測する」でした。自動運転のタクシ-の登場で、都市車両数は90%減少する、自動車事故や死者数は激減する、21世紀中に宇宙旅行産業が当たり前のサ-ビスになる、などが内容でした。この「1冊の本ト-キング」の内容も「さすが誌」に掲載されますので、他の会場の内容がわかります。
 3分スピ-チは、全員に発表の機会があるので、生活の中で積極的に話題を見つけ、少し踏み込んで考えてみることになります。また、当日、発表者の話を聞くことで、知識が増え、考えが深まります。「1冊の本トーキング」は、提案者の資料を基に話を聞くことや、参加者の話し合いにより、理解が深まります。またこういう場でお互いに意見を述べ合える幸せを感じています。

 2.豆乳鍋                        いでたろう

 材料二人分
 白菜6枚、水菜3株、豚ロース150グラム、絹ごし豆腐半丁、白だし30グラム、豆乳120グラム、水500グラム、うどん1玉、バター大さじ2、牛乳大さじ2、チーズ100グラム、コショウ少々、卵1
(1) 白菜は茎と葉を分けてざく切り、水菜は半分に切り、豚ロースは大きめに切る。
(2) 白だし、豆乳、水を鍋に入れ、沸騰したら白菜の茎を入れ10分ほど煮る。
(3) 豆腐を手でつぶしながら入れ、豚ロース、白菜の葉、水菜を加え火が通ったら出来上がり。
(4)食べ残った汁を使い、締めを作る。うどん玉、バター、牛乳、チーズを入れ、ひと煮たちし、溶き玉子を廻し入れコショウを振る。
 ポイント 野菜はニラ、もやし、キャベツ、小松菜、にんじんなど何でもOK。締めが大切。

 3.思いつくままの走り書き-テレビを聴く         中村 斉

 最近テレビを楽しむことがますます減った。楽しむという動詞がふさわしいかどうかはわからないが、テレビの正面にすわって観ていても番組の内容が良く聞き取れない。
 ニュースなら中心になるアナウンサーが原稿を読むのでよくわかるし、事件現場の映像や騒音が聞こえても、その騒音とアナウンサーの声とのバランスを調整して電波にのせてくれるので、非常に明瞭に聴くことができる。相撲の中継の場合はその攻防を画面で見てとるのだが、僕ら視覚障害者はアナウンサーの絶叫の中からどちらの力士が勝ったかを聴き取ればOK。あの騒音を聞いて観客の興奮ぶりを楽しみながら、勝負の激しさを想像してまた楽しむ。
 ところが最近のクイズと称するバラエティーでは出演者が「アホ」かと思われる解答も含めて、てんでに発言するので解答者の声すら聞き取れないことが多い。最近はドラマでも群衆場面はべつとして、数人の人物のセリフの中からストーリーに関わるセリフを聞き分けるのが難しくなった。これは自分の聴覚の衰えのせいではなく、演出と出演者のセリフのバランスによるものと思う。またドラマの中で方言が使われているのも聴きとりにくい要素の一つになるかも知れないが、これには慣れるよう忍耐と学習努力が必要だろう。事実、方言を使うことによってその人物をリアルに描けるのだから。
 日常生活のなかでもその場面で大切だと思われる発言を、みんなで聴く習慣を身につけたいものだと思う。烏合の衆的な番組づくりはやめてもらいたいとおもうが、みなさんは如何だろうか。

 4.編集後記                      菊地 賢三

 久しぶりに雪が積もった。静かな朝だ。雪が降ると犬や猫、鳥などの動物の動きも少なくなり、人間の活動も少し遠慮気味になっているようだ。そのほかにも雪の結晶構造が6角形だったり、8角形だったり、またふわっと積もったりで、その表面の複雑さにより音のエネルギーがどんどん奥に入り、吸収されることによる効果もあるらしい。耳を澄ましゆっくり朝寝しようか。

 

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