いでたち通信は点字に翻訳し、視覚障害者に配布されています。
 
  
 

     


1.
知られていない弱視者の生活環境           道明 むつみ

  私たち弱視者は晴眼者と全盲者との中間の立場で、見え方が上だけとか下だけとか、また真ん中だけが見えるなど症状は様々ですが、視野が限定されそのため周りが見えにくい人が多いのです。でも少しは見えるため白杖を持っていても、使わずに歩いていて、なんだあの人は見えるのかと思われることも多いのです。
 弱視者の最大の難関は至る所にある階段です。特に下る時、踏み面に滑り止めがなく、また明るい色ではっきり区別できるように端部が塗られていない場合などは、丘陵にあるお花畑を上から見ているようにつながって見えるのです。段差が分りにくく一苦労です。煉瓦の階段や絵模様が付いているような階段は特に苦手です。階段は、私たち弱視者に限らず、歩行に問題を抱える高齢者の方々も苦労されているのではないでしょうか。
 明るい場所から暗い場所に入る時も、目が慣れるまでに2~3分もかかるのでしばらく動くことが出来ません。そのため最近では、入る前に暗さを確かめてから入るようにしています。視野も狭いために、歩道に立っている電柱、交通標識などの各種のポールなども注意が必要です。勿論、暗い時や危ない時は白杖に頼ります。
 このように弱視者には、不自由な所がたくさんありますが、私たちの現状を理解していただければ幸いです。

 

   2.思いつくままの走り書き―音声ガイドで見るダンスワークショップ参加レポート―                         中村 斉

  「音声で観るダンシング インプログレス開催のお知らせ」が、神奈川芸術劇場から浜視協のメイリングリストを通じて伝えられた。好奇心旺盛の私のことだから早速申し込み、妻の介助を得て参加した。私のダンスの鑑賞は、学生時代にクラシックバレーも現代舞踊も何度か経験していたので、ルンルン気分で劇場へ向かったが、眉間に縦じわを寄せて帰宅した。縦じわを寄せた理由は「落胆」ではなく「困難な道」を感じたからだ。もう一つ列島を吹き荒れた18号台風の接近の報も手伝ってはいたが。
 プログラムは「音声の援助で身体表現である舞踊を視覚障害者にも鑑賞可能に」というコンセプトで企画されたもので、所謂音声ガイドの役割について深く掘り下げ、三種類のガイドを準備するなど意欲的な実験で、そのプログラムがこの劇場で進められていることがうれしかった。成功することを多くの視覚障害者と共に期待したい。
 さて「困難」は100%視覚に訴える舞踊と、視覚情報のほとんど無いまたは獲得困難な私達とのギャップをどう埋めるか、すりあわせるかが最大のものだ。また鑑賞者が舞踊について一定のイメージを持っているか、あるいは舞踊を鑑賞する意欲を持っているか、またはどう持たせるかも考えなくてはならないだろう。今回演じていただいたのは、「コンテンポラリー」といわれる、人の心理の内面から発する身体の表現だから、かなり難解な要素を持ったものであった。一つの大胆な提案を許していただけるならば、提示された舞踊作品を、如何に説明しようかというのではなく、「視障者にとって舞踊とは何か」「身体表現とは」あるいは「視障者が感じ取れるパフォーマーとの距離」などといった基本的な要素から「第三の舞踊」創造を模索する方向から迫ることも一つの方法かなと今は考えている。

 

  3.シポラタ風カレースパゲティ             いでたろう

  材料二人分 スパゲティ200グラム、ウインナーソーセージ50グラム。玉ねぎ半個、カレー粉大さじ1、塩、油
 1.スパゲティを茹でながら、フライパンに油をしき、切った玉ねぎを炒める。
 2.ソーセージを適当に切って加え、炒める。
 3.茹でたスパゲティを加え、炒める。
 4.カレー粉をまぶし塩を振り、味を馴染ませ出来上がり。
 ポイント 日本ではソーセージが入ればシポラタ風といえる。カレー粉は少な目がよい。

 

  4.編集後記                      菊地 賢三

  8月号の編集後記で、7月19日に梅雨明けしたとみられると発表があったと書き、9月号でこの夏の気象予報は難しい、と書きました。9月1日気象庁発表では、梅雨明けは7月6日頃でしたとありました。予報のみならず起こったことの判断も難しいようです。ちなみに梅雨明けしたと見られると判断するのは、「①雨が2日以上続いたあと、②梅雨前線が北上して、前日と本日が晴れで、③さらに週間天気予報で5日以上が晴れ又は曇り」だそうです。担当の方の苦労が偲ばれます。台風18号予報もご苦労様でした。


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