１．いでたちの想い出（３）―いでたち通信―　　　　　　　　馬場　威力

いでたちが１９９８年にスタートしたものの、視覚障碍者担当を目指していた私にしてみると、まだまだ暗中模索中の２０００年の暮れ頃、社協の若い担当者から「栄区以外の１７区では稼働中の6点点字用のプリンターが届いたので使ってくれ」との連絡。早速、宗像さんが総括を、桐生さんがパソコンを、港南区の辻野さんが点字転換ソフトを、井上さんが６点点字を、馬場が日本語を担当して活用法を考え始めた。
　点字用のプリンター、と言っても具体的に何に使ったらよいのか皆目見当がつかなかったので、先輩の港南区、中区、金沢区、港北区の社協へ行き、その使用状況を調べてみた。パソコンは、使用目的とは関係なく使われてはいたが、６点点字用プリンターとなると、具体的に６点点字を使って文章作成には程遠いのが分った。５人で考えた結論は、身近な情報を、回覧板の点字化でということになり、初代の編集長の馬場を中心に原稿作りに取り掛かった。週ごとの発行では原稿が間に合わないことから月に２回の発行を、ということでスタートした。
　四苦八苦の末２００１年４月２４日に第1号を発行し、１０人足らずの読者にお届けはしてみたものの、機械翻訳された６点点字は読み易い、理解されやすいものになっていたのだろうか、と非常に不安だった。それで、読者の中でも、点字指導者の資格を持っていた、ともに全盲の神奈川区のKさん、南区のIさんのお宅を訪ね、お二人のご意見をお聞きしたところ、理解できないわけではないけれど、誤解されそうな文章だ！との結論だった。辻野さんが東奔西走し、6点点字転換ソフトの最新版を入手。とに角、何とか続けられる見通しとなりホッとしたものだった。途中から、今は亡き畠山さんが自作のレシピを延々と続けられたのは特筆すべきことだろう。自炊中だった畠山さんは、その几帳面さもあって、毎日の料理方法を、こと細かにレシピにまとめて下さった。
　なお、非常に大きな問題は、中途失明者は増える一方、が６点点字を使用できる人は減る一方と言う現実問題にいかに対応するのか。今後に残された大きな問題である。

　　２．思いつくままの走り書き　－感動－　　　　　　　　　　　中村　斉

　５月の下旬は記録的な暑さの日がつづいたが、雨が降らないという一点では盲目・車椅子生活者の私にはありがたかった。５月下旬の我が家の外出予定を書き込んだカレンダーはほぼ鉛筆のメモ書きで真っ黒だ。その予定のほとんど参加したのだから妻に感謝しっぱなし。ただ一つの共通の喜びは「今年も二人揃ってコーラスの発表の舞台に立つ事が出来た」ことだった。　昨年の発表を終えて「来年も一緒にステージにあがろう」と誓い合ったのだが夫婦それぞれにおもわぬトラブルもあったりして先生や仲間にも励まされてみなさんの脚を引っ張らない程度には歌えるようにはなった。
　本番直前の壁は公会堂のステージへのスロープを登ること、軽量級の妻には真に困難と判断し男性の団員にお願いして、ステージに上がることができた。ほっとする間もなくピアノの前奏がはじまる。♪ナンバーワンにならなくてもいいもともと特別なオンリーワン♪　どうやら送れずにうたにはいれた・曲の終半、♪そうだ僕等は世界で一ツだけの花・・・ララララとスキャットに入ろうとしたとき思わぬ事が僕の身体に起きたのだ大粒の涙と言うか、いやスポイトいっぱい程度の水が目から溢れて頬をつたう。心のうちは冷静で、あと２曲歌うんだぜ・・・と狼狽はせず兼ねて用意のハンカチを取り出して頬をぬぐった。たぶん涙をふく所作ではなかったと思う。後の二曲は狸になりきってリズムに乗ることとハーモニーに気を配って歌い上げ拍手と笑いをたくさんいただくことができた。
　音楽はいい。特にコーラスはいい。まさにワンホーオール、オールホーワンの世界だ。来年もぜひこの舞台で妻と揃って歌おうと、軽くビールで乾杯した次第。栄男声合唱団の定期演奏会でいただいた感動とはくらべるべきものではありませんが。小さな感動物語であります。

　３．台湾麺線　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　いでたろー

そうめんで作る台湾の軽い家庭料理です。屋台でもあります。

　材料　一人分　そうめん100グラム、えのきだけ50グラム、むき海老３０グラム、つゆの素大匙１、顆粒鶏がらスープ小さじ半分、オイスターソース小さじ半分、鰹節1パック、ごま油小さじ半分、水溶き片栗粉少々
　１．海老は洗って水気を切り、えのきはたて半分に切り、鰹節はパックのまま粉々にする。
　２．そうめんは二つに折って茹で、あげておく。
　３．鍋に水400ｃｃに、つゆの素、鶏がら、オイスターソース、えのき、そうめんをいれ、中火でそうめんをほぐしながら煮る。
　４．ふつふつしてきたら鰹節、海老を入れ、味見をする。
　５．水溶き片栗粉を入れ、ごま油を回しかける。
　ポイント　残ったそうめんでも良いし、ぱくちーなど入れても良い。自分の味を作る。

　　４．編集後記　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　菊地賢三

　ＮＨＫのＥテレ日曜日午後7時からの、バリバラをご存知ですか。平成24年の4月から始まった番組で、バリアフリー・バラエティー・ショーの略のことで、多様性のある社会を目指した番組だそうです。第一回放送のテーマは恋愛で、タイトルは「障害者ってモテる？モテない？」でした。今年の5月28日の放送は、発達障害のある中高生の友達関係や恋愛などのトークショーでした。以上番組宣伝でした。