いでたち通信は点字に翻訳し、視覚障害者に配布されています。
 
  
 

  1.いでたちの想い出1-誘導-             馬場 威力

1998年4月に「いでたち」を13人で立ち上げ、その中の有志と女性グループ「ビオラ」の4人とで開催したのが「視覚障碍者の誘導訓練」だった。
 基本的には、「いでたち」のスタートの前から、点字翻訳グループ「野菊」の代表のIさんから視覚障碍者の生活実態をイロハのイから教えていただけた。その一つとして二俣川のライトセンターへ案内していただけたのは非常に幸いだった。
 当時の社協は根岸線のすぐ北側、小菅ヶ谷三丁目にあった消防学校の古い校舎を使っていた。その庭で、日赤のベテラン指導員に徹底的に教えられた。基本的に、誘導は障碍者の人命を預かるので、中途半端の対応はしてはいけない…誘導だけではなく、ボランティアそのものも初めてで、目が覚めるような特訓だった。本郷台駅が近かったこともあって、駅までアイマスクをしての歩行訓練、そして、バスと電車の乗り方まで徹底的な訓練、実習だった。
 後日、磯子区の京浜急行の杉田駅近くにお住いのNさんを横浜駅経由二俣川駅へ、そしてライトセンターの講習会に参加…その往復の誘導を担当した。彼女から教えていただいたのは誘導のコース、特に電車を利用する場合、乗り換えなど駅のコース、ルートもよく調べておくことだった。言われてみれば、その通りだ。
 また、1998年の初冬のころ、栄区のMさんから頼まれ、引き受けたのが、沖縄からお見えのYさん母子の案内だった。それは高尾の日本医科大学病院の眼科へ誘導を、と言うものだった。さて、お引き受けはしたものの、高尾の共立女子大へは何回か行ったことはあったけれど、病院は聞いたこともなかった。で、早速インターネットで調べた…先ず、本郷台駅から磯子駅、そこから始発の横浜線で八王子駅へ、中央線乗り換えで高尾駅へ、バスに乗り換えて目的地へとかなり時間のかかるものだった。早い時間に本郷台駅で落ち合い…目的地までは冷たい雨の中、無事に到着、予定通りに診察時刻に間に合ったものの診察・検査・昼食・診察・検査とかなり時間がかかったが主治医が親切に診察下さったのでYさん母子も安心されたようだった。降りやまない雨の中、本郷台駅でMさんにYさん母子を引き渡したのは真っ暗な寒い夜だった。

 

  2.思いつく間の走り書き -能狂言を観賞しませんか-   中村 斉

 弥生3月吹く風も暖かく、なんとなくうれしい季節だ。地には花が咲き、空は青く雲の変化もおもしろい。子供の頃は文字通り、石蹴り縄跳びかくれ鬼を近所のみんなとたのしんだ。木登りのシーズンも始まり、私の少年期のお花見は桜の木に登ってしたものだ。その頃からなぜか芝居がすきで、学芸会になると進んで演者になった。私の小学校では三月に学芸会をした。講堂にお雛様をかざり、お雛様に芝居や唱歌や舞踊を奉納するというか、見て頂いたり、楽しんで頂くということにしていた。
 別れが楽しいというわけではないが、教師として担任した生徒たちが成長し巣立っていく3月は嬉しい季節とも言える。七十半ばを過ぎてから三月の楽しみが一つふえた。毎年3月半ばに横浜紅葉坂上の横浜能楽堂で開催される「バリアフリー能」の観賞である。定員およそ500名の会場が8分どおり当事者と介護者で埋まる。中には遠く都内や埼玉など県外から参加されるかたもある。何よりも嬉しいのは演目を現代化したりするのではなく古典のままで上演し観賞方法配慮して頂けるのだ。視覚障害者には音声解説が聴覚障害者には手話通訳又は文字解説を見るための眼鏡が提供される。講演1週間程度まえには上演台本(詞章というそうです)が希望すれば送られて来て事前に学習できる。割引された観賞料金の上に、介助者1名は無料で観賞できるという配慮は嬉しい。今年は介助者である妻と二人で五十五回目の結婚記念の月を、狂言「伯母が酒」と能「小鍛冶(こかじ)」の観賞と、帰路立ち寄ったワインショップでの乾杯で祝ったのだった。
 来年の予告もすでに発表されている。平成30年のバリアフリー能は3月21日(祝日)午後2時開演、演目は狂言「紙鳴(かみなり)」(大倉流)と能「鉄輪(かなわ)」(喜多流)チケット前売り開始は平成30年1月20日(土)の午後、広報横浜1月号の行事案内欄に横浜能楽堂の行事として掲載されるはずだ。
 信長も秀吉も楽しんだであろう能狂言をご一緒に観賞に出かけませんか。

 

  3.春キャベツと新玉ねぎのカレー            いでたろう

 材料二人分 鶏ひき肉100グラム、キャベツ100グラム、玉ねぎ半分、トマト1個、カレールー1/4箱、固形コンソメ1/2個、サラダ油少々、水1カップ、ご飯適量、
 1)キャベツは2センチ角、玉ねぎトマトは1センチ角に切る。
 2)鍋に油を熱し、ひき肉、玉ねぎを入れ2分間炒め、水、トマトの半量を加え3分間煮る。  3)弱火にしカレールーを溶かし入れ、残りのトマト、キャベツを入れ5分間煮込む。
 4)器にご飯を盛り、出来たカレーをかける
 ポイント トマトを2回に分けて入れる。酸味が美味しさを上げる。

 

  4.編集後記                      菊地 賢三

 巻頭言の馬場さんは「いでたち」の創設期メンバーです。身体の都合で一時退会されておりましたが、4月から再入会されます。若いメンバー(?)との交流が楽しみだそうです。私たちもがんばらねば、と思います。

 

 

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