いでたち通信は点字に翻訳し、視覚障害者に配布されています。
 
  
   
   

    1.千鳥ヶ淵                      飯島 みや子

 皇居の北の丸公園の西に接するお濠に沿って、緑道には桜が植えてあり、昭和44年に解放されて桜の名所である。この辺り千鳥ヶ淵といって、千鳥が羽根を広げたように似ているので名付けられた。堀に映える桜は枝を長く延ばし素晴らしい景色で圧倒される。この城濠は昔、徳川より伊達政宗が担当されて桝形にし、浅野長方が築いた。堀の水面に映える松は八代将軍吉宗が植えさせた。又、この千鳥ヶ淵には国立無名戦士の墓がある。昭和34年の建設で、第二次世界大戦で戦死された遺骨、中国や南方の戦場から集められた33万3000柱が納められている。戦場でどんなにか苦しい戦いで散ったことか。くるしい、惜しい、悲しかったことか。平和な時代となり、昨年私は元気なうちに線香を手向けたく出掛け、お参りした。唯々涙してお参りをした。素晴らしい一日、満開の桜を心行くまで眺め見物し幸いを感じた。

 

   2.シーチキンと白菜のあんかけご飯           いでたろう

 

 しょうが、にんにくが効いて身体が温まります。

二人分材料 シーチキン1缶、白菜300グラム、ショーガ1片、にんにく半片、塩小さじ1/2、片栗粉大匙1、卵1個、ご飯2膳分
 1)白菜は芯の部分を繊維に沿って4センチくらいの長さの棒状に切り、葉はざく切りにする。
 2)フライパンにシーチキンの油、しょうが、にんにくのみじん切り、白菜の芯を入れて炒め、白菜が透明になったら葉を加えてさらにすこし炒める。
 3)水200CC,塩、しょうゆ、シーチキンを加え、沸騰したら、大匙2の水で溶いた片栗粉をまわしいれる。
 4)とろみがついたら溶きほぐした卵を入れ、回しながら火を通す。
 5)器にご飯を盛り、4)をかける。

ポイント白菜の芯と葉を分けて炒める。卵は片栗粉のとろみがついてから入れる。

 

  3.思いつくままの走り書き-栄区の福祉シンポジュームで三嶋氏講演-

                               中村 斉

 2月19日は、春一番が吹き、春のきざしはあったが、なお寒さを強く感じる日だった。  栄区内の福祉施設等に勤務する方の有志が結成した「栄区の精神福祉を考える会」が呼び掛け、区役所・社会福祉協議会等が後援するシンポジューム「みんなちがってつながる輪」が栄区民文化センターリリスホールで行われた。この日、栄区視覚障害者福祉協会会長三嶋伸昭氏が登壇し「引きこもりから障害者差別解消法へ」の演題で、およそ40分の講演をされた。
 講演の前段で、三嶋氏は、大学を卒業し、社会人となり家庭を持ち普通の暮らしをしていた或る日突然降りかかった視覚の異変に、一瞬と譬えてもいいほど急速に視力を失ったこと。その障害があまりにも大きく、自分だけではなく家族の生活も考え、絶望の中に頭を抱えるばかりだったということ。障害を受容できず、自分が再起するために何をどうするべきかを考える事すらできなかったことや迫ってくる貧困に一本の歯ブラシを購入することすら恐ろしかったことなど当時の状況を率直に述べた。そのような苦境から抜け出すキッカケとなったのが、一本の白杖だったそうだ。もともと釣りを趣味としていた彼は、白杖をさしだされたとき、一瞬釣竿を持った時のように、ホッと緊張が融けたという。白杖の意味は以前から承知はしていたので、家の中を探索しやがて自由に移動できるようになったこと、さらに物に触れることによってそれが何かの判断も付くようになっていった。また、白杖を持って外出できるようになった段階で、歩行訓練をかさね、はじめて訪れる場所へも白杖一本で行けるまでになった。自信が沸いたと再起への過程をのべ聴覚・触覚・味覚・嗅覚を総動員して視覚の役割をしてもらったこと等を語った。
 ここで視覚障害者の日常生活にふれ、上述のように、自分が持っている感覚を使いまたユニバーサルデザインを手がかりとしたり、コンピューターのソフトやいわゆる便利グッヅなどを活用して暮らしていることなどを説明された。とはいえ、見えないことの不自由さはすべてが解消したのではない。その障害を合理的配慮によって解消しようというのが先に施行された「障害者差別解消法」の要であることを説いた。一方障害者も提供された合理的配慮を素直に受けて心の通い合う人間関係を構築するよう心掛けようともよびかけた。
 講演を結ぶに当たり、再起への協力をしてくれた家族や周囲の人々、さらに経済的に社会生活がつづけられるよう配慮し、提案してくれた会社への深い感謝を述べたうえに多くの参加者の前でお話しする機会を与えてくれた自分の障害そのものへの感謝を述べた。
 私はびっくりするほどの短期間でこのような精神的境地までに自分を高めた三嶋氏の強い意志と努力、そして生活哲学を高く評価し今後も栄区視障協の会長として活躍されることを心から願った。帰路本郷台駅では、マイクを通して「障害者への暖かい心使いと声賭けをおねがいします」とよびかけていた。道は遠いかも知れないが互いに思いやりのある社会が訪れると信じようとおもった。

 

  4.編集後記                      菊地 賢三

 日々の寒暖の差の大きい季節ですが、体調はいかがですか。暖かい春に向けて梅は満開。4月初旬には賑やかな千鳥ヶ淵もよいですし、区内にはアースプラザ横、本郷ふじやま公園、いたち川、いのやま東公園、自然観察の森、金井公園など名所も多いです。

 

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