いでたち通信は点字に翻訳し、視覚障害者に配布されています。
 
  
 

 

1.赤い羽根共同募金                   丸山 弘人

 

 赤い羽根共同募金は、終戦直後の昭和22年に社会福祉分野の復興を支援するために、市民が主体となってスタートした運動である。
 その目的は社会福祉法の第112条に「この法律において共同募金とは、都道府県の区域を単位として、毎年1回厚生労働大臣の定める期間内に限ってあまねく行う寄附金の募集であって、その区域内における地域福祉の推進を図るため、その寄附金をその区域内において社会福祉事業、更生保護事業その他の社会福祉を目的とする事業を経営する者(国及び地方公共団体を除く)に配分することを目的とするものをいう。」と謳っている。
 そしてその性格は第116条に「共同募金は、寄附者の自発的な協力を基礎とするものでなければならない。」、その配分は第117条に「共同募金は、社会福祉を目的とする事業を経営する者以外の者に配分してはならない。2、共同募金会は、寄附金の配分を行うに当たっては、配分委員会の承認を得なければならない。3、共同募金会は、第112条に規定する期間が満了した日の属する会計年度の末日までに、その寄附金を配分しなければならない。4、国及び地方公共団体は、寄附金の配分について干渉してはならない。」と述べている。
 栄区視覚障害者福祉協会は、今年も103日に会員のHさん、Oさん、Kさん、Nさんの4人と、賛助会員のIさん、Mさんの2人が、大船駅笠間口で街頭募金活動に参加し、電車やバスに乗り降りする人々に、自発的な協力を呼び掛けた。小さなお子さん連れのお母さんや老夫婦のご協力が多く見受けられた。こうして集められた寄附金が、神奈川県共同募金会栄区支会を窓口にして、回りまわって さかえふれあい助成金の一部となって、栄区視覚障害者福祉協会へ戻ってくることになる。

 

2.じゃこと小松菜の簡単煮         畠山 工 (御遺稿)

 

素材分量2人分、 

ちりめんじゃこ大さじ3、小松菜半束、だし汁カップ1杯、酒大さじ1杯半、しょうゆ小さじ1

(1)小松菜は長さ4センチに切る。

(2)鍋に、ちりめんじゃことだし汁と調味料を入れて煮立てる。

(3)小松菜を加えてさっと煮る。

エネルギー39キロカロリー、 塩分1.0グラム 

 

3.思いつくままの走り書き−運動会点描−         中村 斉 

 

10月15日(土)は 8月以来二ヶ月振りの晴天の土曜日だった。しかも、とびっきりのピーカンだ。栄区制30周年記念「ふれあい運動会」。わが視障協からは杉山・西池・大野・中村・三嶋の五名が参加。中学生ボランティアさんの援助を受けて、例年通りのマイペース参加で一日、ほど良い疲れを感じる程度に楽しんだ。
 さて私はスプーンレースとパン食い競走に出場させてもらった。部活動では剣道部で活躍しているO君に車椅子を押してもらっての出場だからラクチンだった。スプーンレースは立派なスプーン、しかも椀の部分が深いので、ボールが飛び出さぬようバランス良く持つのは比較的楽だったが、一応気を使ってペンホールダー式で杓子を把持した。食事のとき味噌汁やビールをこぼさぬよう注意を受けることがあるが、手首の柔軟な動きやバランスの取り方もそれとなく訓練出来たかなと思う。あっという間のレースだが、それなりに緊張感も味わえた。
 パン食い競走は人気のある競技らしく多くの人が参加したようだ。ふれあい運動会に参加するたびにパン食いに出場してきたが、何せ重さも感じないほどのパンだし、ビニール袋に入っていて衛生的ではあるのだが、上下の歯でがっちり噛まなければスルリとぬける。失敗を重ねていたら神の手か、第3の手がしっかりとパンを顔の辺りに固定してくれたので、無事袋を噛むことが出来た。もちろん、私の手ではない。審判員が手を添えてくれたのか、それとも、待ちかねた、O君の援助の手だったのかも知れない。もし、そうだったとしても。純粋な彼を責めないでいただきたい。だって、やむにやまれぬというのは福祉の心の基本の基本だとおもうからです。
 御蔭さまで、その翌日の朝食は件のアンパン+味噌汁+サラダでおいしくすませた。視覚障害者に配慮していただきたいと思ったことがある。それは手話コーラスとCome on Yokohama.の振りのこと。私達は「真似してください」と促されても、それが出来ないのだ。私達が手話コーラスを楽しむとしたら、自分から手話を送ること。私個人の経験としてもデイケアでは手話コーラスを私なりに楽しむ。一つの手話が、皆さんと揃ったとコメントされたら本当にうれしい。振りに感情がこもっていると聴けば、鼻が少し高くなるという気分だろう。どなたか視覚障害者に1時間だけ手話コーラスやダンスの指導をしてくださる奇特な方はいないだろうか。と私は思った。

 

 4.編集後記                       菊地 賢三

 

 秋真っ盛りの時期ですが、最近の春、秋は昔に比べて短く、不安定に感じる。余り晴れないし、寒さ暑さが日替わりだし、なんか直ぐ冬、夏になるような気がする。何かデータや根拠があるのかな。単に暑さ寒さに耐性が無くなったのか、とりあえず体調管理に気をつけましょう。
 今月号の編集を終了したのち、畠山工さんのご訃報がありました。10月29日でした。ご冥福をお祈りいたします。今号と次号の原稿を御遺稿として掲載いたします。

 



 
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