いでたち通信は点字に翻訳し、視覚障害者に配布されています。
 
  
 

1.私は旧石器人?                  桑原 倬司

 昨今の生活環境は目まぐるしく進んでいるのに、全く追随できない自分が情けない。情報はしっかり把握しているつもりでも、いざ自分の事として置き換えて対処・実行となると、どうしても旧来の体験から進歩の一歩がなかなか踏み切れない。また積極的に取り込んでも思い通りに事が進んでくれない。安全、穏便でどうしても慎重になって、やっぱり旧来のパターンで進んでしまっている。つまり堅実であっても進歩がないのである。時代はどんどん進み、ちょっと待ってほしくても、置いてきぼりにされて、先に行ってしまう。
 自分が挑戦していなければ、当然であるが周辺からは相手にもされないのである。一歩、いや十歩も遅れて歩んで、他人には迷惑を掛けていないつもりでも、立ち留まって、問題点の見直しを改めてすることも多く、これが迷惑を掛けていることになり、時間差は莫大で戻せない。最初から素直に丁重に指導を仰げば良いのにと反省ばかり・・・。どうしてこんなに時代が進んでしまったのかと悩んでばかり・・・。理解力が最初から乏しいのだから何事も素直に挑戦すれば良いのに躊躇する凡人と自覚はしているがそれにしても、時代も物事も並み以上に一段と超高速で進化している。他方、情報化社会に逆行しているつもりはなく、情報網を一杯に広げて自分に必要なことだけを取り込めば良いと判断し納得しているが、理解しようとしないのが要因であろうか?もっと素直に受け入れる覚悟で邁進する心に入れ替えるのが手っ取り早い策であろうか?
 「QOL(生活の質)」の向上をと福祉関係に取り掛かった当時初めて指導を受けた。障害のある方も健常者も、毎日毎日自分自身で挑戦し、勝ち取ることで自我の進歩、向上が得られるのであろうが、一歩進んでいても三歩も四歩も差が付き置き去りである。先ずは、前進への意識がある内に大きな一歩で進もう!恥を忍んで聞く耳を持ち、自ら殻を破っての挑戦であり、QOLの向上に挑もう。昨年はデジカメ・パソコン・携帯電話と年甲斐もなく三種の神器に、ぞっこん惚れ込んでしまって利便性に負け、その挙句にトラブル続きが解消不能で、更に二進も三進も行かずに振り回され、結果的に高額投資となる。更に身近な家電製品・自家用車・住宅等にも余波が忍び寄る。本当に何と時代遅れになって、旧石器時代に戻ってしまったのだろうか?
 健康について考えると、近年子供たちの「運動不足病」も身近に迫っており、改善策で旧来の鬼ごっこ遊び等も見直されており、金銭で買えない健康法が実は忘れ去られているのである。高齢者にとっても、安易に便利で楽な生活ばかりでは、同様に退化してしまう事を恐れる良い環境ばかりに進化すると、人間は体力低下・筋力も退化・・・で思考力も楽な方法に進みQOLも金銭感覚に振り回され、進化が停滞するから、絶えず不便性を「勘考」する原点が必要。
 更に食生活でも、自然野菜や果実、古代米,・椎の実等を好み食している所為でしょうか?いえいえそれでも日本古来の食生活には貴重な存在価値もあるから、情報過多の時代、必要な養分を取捨選択・吸収しマイペースで日々を楽しもう。そして究極的に、救いを求めている人々がいる限り、手を挙げて積極的に組みし、時代遅れを一緒に楽しみ、手を取って前進しQOLの向上にゆっくり進もうと感じる新年・歳男である。
 旧石器人間でも大いに重宝がられ、利用され得る価値もあろうかと思いつつ・・・。    枯菊や  愚直な踊り  かさこそと  
                         平成丙申歳 元旦 澤邨

 

  2.あさりの白ワイン蒸し                畠山 工

 素材分量2人分、 
 あさり300グラム、あさつき適量、ピュアオリーブオイル大さじ1、白ワイン4分の1カップ、塩少々、こしょう少々
 (1)あさりは塩水に一晩浸して砂だしをして、殻をこすり合わせてよく洗う。
 (2)あさつきは長さ1センチに切る。
 (3)フライパンにオリーブオイルを熱してあさりを入れ、ワインを加えて蓋をし、殻が開くまで蒸し煮にする。
 (4)塩とこしょうで味を調え、火を止める直前にあさつきを加えて火からおろす。
   エネルギー100キロカロリー、 塩分2グラム 

 

  3.思いつく間の走り書き―心技体―           中村 斉

 大相撲の本場所で日本人力士の優勝が途絶えてひさしかった。それが今場所12日目まで大関の琴奨菊が全勝をつづけ、にわかに一般の関心が高まり「勝って欲しい」の声が大きくなった。これまであまり聞こえなかった女性の声援も耳にする。
 この号がお手元に届く時には、結果がでていて、「やっぱりだめだった」ということになっているか、それとも初場所は琴奨菊が、花道に入る直前に、「五郎丸と同じような合掌するポーズのルーティーンをつづけたのが効果的だった」などと、口角泡を飛ばす、にわか評論家が、はいて捨てるほど生まれているか楽しみである。琴関が優勝を果せば万々歳。日本の経済は活況を呈するわけでもないだろうが、日本人の多くは「ヤッター」と祝杯を挙げるか、ご婦人は、ハイタッチして喜びを分かち合うにちがいないだろう。
 この三が日、私は多くの方がされたと同様、朝からおとそをいただき、身体のなかから暖めながら、箱根駅伝を楽しんだ。青春の気をこの一戦に賭けてひた走る選手諸君の表情や力走ぶりを、もらさず視聴者に伝えようと、一年間溜め込んだ資料の映像や音声を電波に満載して、テレビは、サービス過剰気味。その上コマーシャルも錬りに練り上げた力作を次々と投入するので、何がメインか解らなくなり私の目には、カレーライスの上に唐辛子を、大匙で振りかけたようなものと感じたので、テレビには御免蒙って、情報が整理されているNHKラジオをに往路の2区、つまりほぼ最初から乗り換えさせてもらった。放送の中で「心技体の充実が極めて重要」と何度も聞かされた。
 私達の小さな団体でも、「心技体」を充実させて今年の栄視障協は最高だったと言える一年にしたいとおもっている。

 

  4.編集後記                     菊地 賢三

 おだやかな新年でスタートしましたが、1月中旬になって本来の冬になったようです。まだ雪の降ることもあるでしょうから、お出かけには歩きにしても交通機関利用の場合でも気を使いますね。今回で250号を迎えました。平成13年4月が創刊ですから15年になります。読者の皆様、短文で結構ですのでご寄稿、ご感想、ご要望等をお聞かせください。


 
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