いでたち通信は点字に翻訳し、視覚障害者に配布されています。
 
  
 

1.視覚障害者を支援する新技術開発状況について       林 真

 

笠間町に井内俊明さんという方がおられます。井内さんは長年、外資系商社に勤めておられた方で現在81歳になられますが、定年退職後、視覚障害者の支援作業をボランティアで行っておられます。国内には視覚障害者のための易しく楽しい娯楽グッズがこれまで少ないことから、自分でパズルゲームを開発され、日本全国の盲学校や盲老人ホームはおろか、アメリカ・イギリス・オーストラリアなどの盲学校に自作のパズルを無償提供されています。いでたちではそのパズル作りを支援しています。その井内さんから今回、視覚障害者の歩行支援のためのいろいろな技術の開発状況を教えていただきましたので紹介します。
 歩行を支援する技術としては1、超音波を使う方法、2、赤外線レーザーを使う方法、3、スマートホンを使う方法、4、ピンを使う方法などがあります。
 超音波を使う方法はコウモリが暗い空間を自由に飛んでいるのは彼らが超音波を発し障害物からの反射波を感知して飛んでいるという原理を応用した方法です。白杖の上部に小さな装置を固定しそこから超音波を発信し、障害物からの反射を検知して障害物までの距離、大きさ、固さなどを振動数やその強度などで知らせてくれるというものです。インドで開発・販売されていますが、日本でもエーピーアイ株式会社から同じようなスマート電子白杖が販売されています。また、日本でK−Sonarとして販売されている装置は振動をイヤホンで聞けるようになっていて、障害物の硬度で振動数が変化しますので壁と人とを区別できます。超音波を利用したものでは靴や腕時計に装置を組み込んだものが世界で開発中です。インドの製品は日本では7万円ほどで販売されていますし、スマート白杖は3〜5万円で販売されています。
 赤外線レーザーを使う方法はイギリスで開発中で、赤外線レーザーを発信・受信する装置を頭部に着け、障害物の図形情報をイヤホンで受けるものです。
 スマートホンを使う方法はグーグル地図情報を持ち、無線装置が内蔵されたスマートホンと靴の下敷きに受信回路と振動板が内蔵された下敷きの組み合わせで、Smartshoeと言われています。スマートホンで検知・処理された情報が無線で靴の下敷きに送信され、下敷きの震動で障害物を知らせてくれるものでインドでテスト中です。
 ピンを使う方法は携帯電話程度の大きさで数センチメートル角の面積の所に無数の細いピンが立っていて、装置の先端のレンズから入る映像をピンの高さで表し、ピン面を指でなぞって障害物を認識する方法です。
 このように世界各国で視覚障害者歩行支援グッズが研究・開発・販売されていますのでこれらの情報を的確につかんでチャレンジすることも大切なことではないでしょうか。

 

  2.豚肉のキムチ鍋風                  畠山 工

 

素材分量4人分、 

豚ばら肉薄切り200グラム、白菜キムチ200グラム、もめん豆腐1丁、にら1束、酒大さじ1、鶏がらスープカップ4杯、しょうゆ大さじ1、みそ30グラム、

(1)豚肉は一口大に切る。

(2)白菜キムチは軽く汁を絞り、一口大に切る。

(3)もめん豆腐は水切りをして12等分に切り、にらは3センチの長さに切る。

(4)耐熱容器に全ての材料を入れて、蓋をしてレンジで約15分加熱する。

 

3.思いつくままの走り書き―都都逸で初わらい―     中村 斉

 

皆様 明けましておめでとうございます。日本の身体障害者にとって、平成二十八年は、大いに意義ある年になるでしょう。4月に施行される障害者差別解消法が少なくとも私達の暮らしに幸せを齎してくれることと期待しています。
 先ずは「笑う門には福来る」のことわざに従って、笑い初めして福をよびよせましょう。「人生に役立つ」というキャッチコピーにつられて柳家紫文さん著の「どどいつ読本」を購入した。漢字では都都逸と表記するが、都都逸とはどんなものか古典的な例をあげてみよう
  立てば芍薬座れば牡丹 歩く姿は百合の花
  どどいつはヤボでもやりくりや上手 けさも七つ屋でほめられた
 さらに私の父から教わったのは
  可愛そうだよズボンのオナラ右と左になきわかれ
なんていうのもある七七七五の定型詩なのだが、昔は柳家三亀松さんという芸人さんがいて大層人気が高くラジオに登場すると耳を澄ませて聴き、何かのときのかくし芸用にメモしたり記憶しようとしたものだ。七七七五の定型詩は三味線に載るばかりではなく、歌謡曲にも在ってたとえば、♪昔恋しい銀座の柳あだな年増を誰か知ろう・・・と洒落たメロディーにも載るのにはおどろかされる。ただし三味線に載せて歌うにはかなり月謝を払わなくてはならないし、残念ながら都都逸を吟じるためのカラオケにもであったことはない。都都逸読本にはまだまだ多くの都都逸が掲載されているが、ここではこの程度のご紹介にとどめて1月の賀詞交歓会で笑っていただくことにします。

 

4.井上さんの想い出                  馬場 威力

 

井上進さんとは男性のボランティア「いでたち」を、今は亡き宗像さんなどと立ち上げて以来のお付き合いで、そのお蔭で、忘れられない想い出をたくさん作れた。
 その中でも大きなものは二つ、それらは未経験のものだけにまさに手探り、四苦八苦の毎日の中で生まれたものだ。
 その1 横浜市の場合、なぜかは分からずじまいだったけれど、18区全部にカナ点字プリンターが設置された。それを知った時、どのように活用出来るのかを、その道の経験者と相談した…墨字から、いかにカナ点字に翻訳できるのかを港南区の辻野さんに、そのソフトを探してもらい、そのパソコン操作を桐生さん、カナ点字のチェックを井上さん、そして墨字をいかにカナ点字に翻訳できるのか、日本文法とカナ文法との差を馬場が担当し、何れも難しいものだったけれど、悪戦苦闘の末、月2回の発行にこぎつけた。当時、神奈川新聞でも特集されたものだった。初代編集長を馬場が務めた。
 その2 小学校の子どもさんに視覚障碍者の実態を学んでもらおうと考え…最初に、特別の理由はなかったけれど、桜井小学校を訪れ、先生全員に集まっていただき説明会を開催した…その時の担当の先生のご理解と熱意で全員に対する説明会と、4年生を対象にした勉強会を開催できた。それからずいぶんと、あちこちの数校の小学校を回ったけれど、相棒の井上さんと実情紹介の全盲のMさんとを忘れることは出来ない。

井上さん、有難うございました。ゆっくりお休みください。

 

 (前編集長の井上 進さまは、平成27年11月30日ご逝去されました)


 
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