いでたち通信は点字に翻訳し、視覚障害者に配布されています。
 
  
 

1.やり過ぎは禁物                                         林 芳治

 人は誰しも高齢になっても元気で自立した生活ができることを望んでおり,そのために体力の維持・増進に努力している人が多いと思います。一般的に加齢とともに体は固くなり弱っていくことは避けられません。注意しなければならないことは,その努力がやり過ぎになっていたのでは,体を壊すことになるということです。
 私は10年ほど前から腰痛と膝痛を患い,整形外科医の厄介になってきました。歩くことが最善の策だと考えていて,1日1時間は歩くようにし,ウォーキングや山登りにも出かけていました。また体操クラブに参加して筋トレ・ストレッチを行うなど,体力の維持・増進になると思い励んできました。最近,以前より痛みが増してきた氣がするもので,違う医者の診断を受けました。その結果,腰椎と膝関節の軟骨の摩耗がひどく,無理の利かない体になっていました。今やっていることはやり過ぎで,即中止して対策をしなければやがて歩けなくなると診断されました。少しでも早く何か打つ手がなかったものかと悔やまれてなりません。
 医者から読売新聞のコピーをもらいました。それには将来介護の手を借りなくてすむようにと,近くの神社の階段の上り下りを,あまり熱心にやり過ぎたために膝を痛め,歩けなくなった人の記事が載っていましたが,このような人が多くいるとの話でした。コピーに中高年の健康作りに大切なのは,「生活体力」をつけることだと某大学の名誉教授の談話が記載されていました。「生活体力」とは,年を重ねても自立した生活機能を維持出来る体力のことです。日頃から生活に密着した運動で鍛え,続ける習慣をつけることが大事としています。最近は自治体の運動教室などでこの言葉が用いられるようになっているそうです。
 現在私の治療は,腰にコルセット,膝にサポーター,足には足底の角度を変える足底板などの装具をつける。運動は腰と膝廻りの筋肉を重点に,医者の推薦する筋トレ・ストレッチを行う。そして歩行は1回に20分〜30分 以内,1週間に2〜3回まで,しかも極力平坦な道を歩くなどの制限付きです。行動が制限されるようになりましたが,治療を続けていくなかで「生活体力」の維持・増進をしていき,元気で自立した生活を送りたいと願っています。

 

2.豚ばら肉のねぎ塩炒め風                       畠山 工

 素材分量2人分、

 豚バラ薄切り肉200グラム、長ねぎ2分の1、サラダ油大さじ2分の1、ほんだし小さじ1
 (1)豚肉は5センチ幅に切る。

 (2)ねぎは1センチ幅の斜め切りにする。
 (3)ポリ袋に、豚肉とほんだし小さじ半分を入れて揉みこむ。
 (4)さらにねぎと残りのほんだしを加え、よく揉みこんで1時間ほど漬け込む
 (5)フライパンにサラダ油を熱し、袋の中身を移し入れ、肉をほぐすように炒める。
エネルギー425キロカロリー、 塩分0.7グラム 

 

3.「思いつくままの走り書き」−甲子園の熱闘をラジオでききながら−

                                  中村 斉

 あの非情で異常な猛暑の日々を如何お過ごしになりましたか。節エネルギーが身について、映画館や図書館あるいはデパートで涼をおとりになりましたか。今年は一度も計画停電なんて言葉は聞きませんでしたね。
 私はといえば、20年近く働かせたエアコンに最後のご奉公をしてもらい、例年の通り、甲子園の熱闘を聴かせてもらいました。「若いって事はすごいな」、などと考えたり感心したりしながら。時には野球とは大分遠いところに存在すると思われる「防衛」、「平和」に思いを馳せたりもしました。そんな怠惰な暮らしの中で考えたことを視覚障害者の視点で書いてみることにします。
 野球放送もテレビよりラジオの方が良く解るし、深みを感得できる。もちろんアナウンサーの力量や解説者のコメントの内容にもよるがラジオからは人間らしさが伝わる。アナウンサーの言葉はテレビカメラのレンズの解像力に勝るとおもう。NHKが製作する高校野球のテレビとラジオ番組を比べてみた。例えば、バントしたボールが、三塁側のファウルラインに沿って転々とする場面。それを見つめる選手、審判、観衆の胸のドキドキを、映像は伝えてくれるだろうか。わたしはラジオに軍配をあげたい。テレビ受像機の画面が何処にあるかも判断できないわたしのアンフェアな軍配の上げ方ではありますが。では挟殺プレーではどうだろうこれも正確に選手の動きを伝えてもらえるのはラジオだと私は思う。ただしスローモーションでリプレーした場合はカメラの勝ちかな。

 
  4.編集後記                           菊地 賢三

 中国の小咄。子供が病気になった、父親が医者に電話した「先生、先生が見えるまでに何をしておいたらよいでしょうか」「そうですね。お金を用意しておいてください」。海外の旅行先で病気になり医療機関に行くと、現金か個人の医療保険証を見せないと十分な医療が受けられないことが多い。旅行客に限らず、医療も金額次第のようである。わが国の国民皆保険制度はよく発達しているが、前号での山口さんの指摘のように福祉関係の制度は発達途上のようで制度の詳細や現場目線でみると幾つか未整備の点も多いようですね。


 
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