いでたち通信は点字に翻訳し、視覚障害者に配布されています。
 
  
 

1.バスハイク                         丸山 弘人

 

 6月3日横浜市栄区視覚障害者福祉協会は、会員12人賛助会員と同行者12人、南区からの参加者2人を含めて総勢26人で、午前8時40分に栄区社会福祉協議会前を出発し、緑区の県立四季の森公園と鶴見区のキリンビール横浜工場へ行ってきました。当日は生憎の雨でしたが、皆さんそれなりに楽しい一日を過ごし、午後5時30分に本郷台駅前に無事帰ってきました。
県立四季の森公園では、矢口園長さんが出迎えてくださり、公園の概要を説明してくれました。公園は東京ドーム6.4個分の広さがあり、丘陵に囲まれた谷戸と、湧水を利用した谷戸田と、森からなる里山で構成されており、市街地にありながら、ハナショウブ・やまゆり・カタクリなどの花や、ゲンジボタルなどの生き物、里山の風景を楽しむことができるところです。雨の中の緑が素晴らしく感じられ、雨にぬれるハナショウブが見事でした。園長さんが用意してくれた会議室で、昼食を食べてから生麦へと向かいました。
  キリンビール横浜工場では、一番搾りの麦汁と二番搾りの麦汁の飲み比べや、麦芽の試食、ホップの香りを体験しました。一番搾りの麦汁の方がより甘くておいしかったし、麦芽は噛みしめると香ばしい麦のうまみが感じられたし、苦みや香りや泡に大変重要なホップの香りは、干し草のような爽やかな香りがしたと皆さん口々に言っていました。最後にお楽しみの試飲会ですが、その前にビールをおいしく飲む三度注ぎテクニックの説明がありました。一度目は頭の上の高さから注いで、テーブルのコップを泡でいっぱいにし、泡とビールが5対5になるまでじっと待ちます。二度目は普通の高さから泡とビールが6対4になるまで注ぎます。最後の三度目はゆっくりと泡がコップの一番上に来るまで注ぎます。さあ楽しく三杯まで飲みましょう。

 

2.えびとチンゲン菜と豆腐の炒め煮                 畠山 工

 

素材分量2人分、 

剥きえび50グラム、木綿豆腐150グラム、チンゲン菜2株、酒大さじ1、しょうゆ大さじ2、みりん大さじ2、ごま油大さじ1

(1)豆腐は軽く水きりし、手で4から6つに割る。

(2)チンゲン菜は根元を切落とし、1センチの長さにざく切りにする。

(3)フライパンにごま油を熱し、豆腐を炒め焼きにする。

(4)豆腐に火が通ったら、チンゲン菜と調味料を加えて蓋をする。

(5)チンゲン菜がしんなりしたらえびを加えて味がなじむまで煮る。

エネルギー188キロカロリー、 塩分2.5グラム 

 

3.思いつくままの走り書き―社会参加ということ―          中村 斉 

 

私達栄区視覚障害者福祉協会会則の、目標を示す章の一つに「視覚障害者の社会参加」を揚げている。様々な集会に出席してみなさんの意見を拝聴したり、買い物に出かけたりすることも社会参加の方法だし、一定の職業について社会の歯車のひとつになって働くことも立派な社会参加のひとつである。
 年齢からいってもう私は就労することはむづかしいが、地域の食事会、懇談会には視覚障害という障害の特性から受動的にならざる場合もあるが、積極的に参加してきた。その結果、街に出かけた折に声を掛けてくださる方がめっきりふえた。栄区に妻と転居して15年余り、「漸く横浜人になりましたね」と確認しあったりする。積極的に参加し、また意見を述べたり、薀蓄を傾けたりして発言もしている。
 知り合いが多いことは楽しいと単純に思っている。団体の活動目標のひとつとしての「社会進出」とは職業を得たり、地域の中で際立った活動をすることをさすのだろうが、前段階としてその存在を認めていただくことも必要だろう。楽譜も読めず指揮者の指揮棒さえ見えないわたしだが、練習中に呼吸を合わせ、タイミングをはずさぬ訓練を重ねてコーラスの一員として認められるよう努力はしているつもりだ。障害者として会社を離れる以前の専門性を生かしてM氏がふれあい運動会の会計を務められたのは、すばらしいことだ。もう一度今年の地区センターまつりのコーラスにもどっていただけるだろうか。
  コーラスの最終曲は混声三部合唱「カリンカ」であったが、終曲部分で次第にテンポが速まり、パートがひびきあい感興も高まり歌い上げたとき予想もしなかったことが私の中で起きた。やりとげた達成感のためか涙がこみ上げてきたのだ。わたしは目を瞑りしばらく目頭を抑えていた。・・・ちなみに、発表会の目標は笑顔がいっぱいの楽しいひとときをとの趣旨であったのですが、夕食は妻とワイングラスをあわせたのは必然だった。

 

4.栄区に期待すること                       井上 進

 

神奈川区に転居して二年になります。明治維新時、開国の舞台となった神奈川宿だけに、アメリカ領事館として利用された本覚寺など史跡の多くある地域です。休日にはそれらを訪ねて歩く数多くの人を見かけます。現在では首都圏に近いこともあって、若いサラリーマンの住むマンションだらけの街になりました。住んでみてもっとも気になるのは、近隣の人間関係の希薄なことです。関心のある福祉施設やボランティアの状況はいまだつかめていない私です。
  外に出てわかるのは以前に住んでいた栄区は住みやすいところだったと思えることです。近隣の人間関係が濃厚で、文化・福祉・医療環境が整っていて、頼りになるボランティアの数も多いのです。近隣の人間関係が濃厚なことは、心豊かな生活に、そして素早い災害時の助け合いにつながります。福祉施設やボランティアの数の多さとその対応の手厚さが、高齢者などの弱者にとってどれだけ心強いことか。これからもこれらのますますの拡充をはかっていただき、横浜市のモデル地区となってくれることをねがっています。

(編集部注:井上 進さんは元編集長です)


 
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