いでたち通信は点字に翻訳し、視覚障害者に配布されています。
 
  
    

1.中途視覚障害者                        丸山 弘人

全国の視覚障害者数は、日本眼科医会の統計では164万人といわれていますが、その内中途視覚障害者が、6割強を占めているそうです。栄区の視覚障害者数は約200人ですから、中途視覚障害者は約120人強という数字になります。中途視覚障害の原因とされるのは、事故と病気です。病気には、緑内障、糖尿病網膜症、網膜色素変性症と近年割合が増えている加齢黄斑変性があります。
 今まで見えていた視力を、徐々にあるいは一瞬にして失ってしまった時の喪失感は、いかばかりのものなのか、当事者でなければ分かりませんが、一人では外に出て行くこともできなくなり、目を通して得ていた情報が全く手に入らなくなってしまった状況になった時に、ついさっきまでの晴眼者の生活に戻れないという絶望感から、家に閉じこもりきりの生活に陥ってしまうことは、十分に考えられます。そこで、横浜市栄区視覚障害者福祉協会は、「目が見えにくくなった方、見えなくなってしまった方」に、「一歩踏み出してみませんか きっと、世界が変わります 是非、ご一読ください」と呼びかけるリーフレットを作成しました。今このリーフレットを1,000枚印刷し、栄区役所本館2階高齢障害支援課の窓口、栄区社会福祉協議会の受付、栄区の民生委員の方々やケアプラザの窓口と栄共済病院に置かせていただいています。
 このリーフレットを、一人でも多くの中途視覚障害者のみなさんに読んでいただき、ガイドヘルパー、ガイドボランティアを利用して、積極的に外に出るようにしていただきたいと思います。外に出て、いろいろな人や物に出会って、情報交換をしたり、利用したりしながら、少しずつでも晴眼者の生活を取り戻すように、仲間と一緒に前に進み出しましょう。

 
 2.ブロッコリーとカリフラワーとしめじの炒め物             畠山 工

素材分量2人分、
ブロッコリー60グラム、カリフラワー120グラム、パプリカ6分の1、しめじ60グラム、ねぎ4分の1、オイスターソース大さじ1、サラダ油大さじ半分、鶏ガラスープ適量、

 (1)ブロッコリーとカリフラワーは小房に分ける。
 (2)パプリカは半分の長さにして細切りにする。
 (3)しめじは根元を切り落とし、小房に分ける。
 (4)ねぎは斜め薄切りにする。
 (5)フライパンにサラダ油を入れ、中火でブロッコリー、カリフラワー、パプリカ、しめじを軽く炒め併せる。
 (6)大さじ一杯半の水とガラスープをまわし入れ、汁気がなくなったら、ねぎを加えてひと混ぜし、火を止める。
  エネルギー61キロカロリー、 塩分1.5グラム、 

 

3.「思いつくままの走り書き」 第138回―防災も気から―      中村 斉

 栄区視障協9月10月11月の定例会のテーマは「防災」。あまり好きな言葉ではないが、視覚障害者は「災害弱者」の最たるものだ。東海大地震が近いうちに発生する。大正の大地震の震源は相模湾沖だ。東日本大地震の体験談や障害者の支援に当たられた方のお話を聞くと、まさに絶望的な状況という。次から次へと恐ろしい情報が襲って来る。かなり鈍な私でも「どがんかせんとならん」と思う。
 私達栄区視覚障害者福祉協会ではかなり以前から防災に強い関心を持ち、横浜栄防災ボランティアネットワークに団体会員として加盟。運営委員会などで、聞き得た情報を会員に伝えたり、講師を招いて、家具転倒防止をすることが、自分の身を守るために、如何に大切かを説いていただいたりした。様々な事情もあり家具転倒防止の工事が進んだとは言えないが、防災意識や公助のみに期待せず、自分で自分を守る自助意識の滲透はかなり進んだものと思う。
 妻の叔母は92歳。毎週2回デイサービスに行くようになった。先日デイサービスで避難訓練があり、他のみなさんはかわいいリックサックを背負っていたので、次に来る時には、買ってきてくれないかと電話がかかった。家の中を探して、わりに可愛いものを届けたが「おばちゃん、まだまだ長生きしようね」の問いに「そうさね・・・」と言って笑ってみせたという。叔母は以前から、枕元にヘルメットを用意して寝るのが習慣。もっとも、祖母はヘルメットのほかに木刀も365日毎晩用意した人。ことわざ風に一言「病は気から  防災も気から」でえーす。

  4.編集後記                             菊地 賢三

 11月1日は日本点字制定記念日です。明治23年この日に、当時の東京盲唖学校の教員であった石川倉次(いしかわ くらじ)の点字が、学校の点字選定会で決定されたとのことです。平成13年の厚生労働省の身体障害児・者実態調査によると、視覚障害者の数が305800人、点字識字率が約11%とのことです。近年パソコンや専用機器による音声読み上げなど支援機器の普及が進んでいますが、まだまだ多くの方が点字を必要としています。点字の話ではないですが、先日いでたちの月例会の場で視障協の三嶋会長のお話をお聞きしました。生活の苦労話ではなく様々な工夫のお話をお聞きし大変勉強になりました。


 
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