いでたち通信は点字に翻訳し、視覚障害者に配布されています。
 
  
    1.庭木チームの歩み                       千葉 宰

 男性ボランティアいでたちの初代代表宗像さんから、「千葉さん大変な仕事だけど庭の草取りと剪定の方を手伝ってもらえないか」と言われました。私は当時、定年になったら庭園管理の仕事をやろうと資格を取得していましたので一緒にやりましょうと引き受けました。
活動始めた当初は1回500円でした。当時のいでたちには運営資金がありませんでしたので500円の内、会へ200円納め手取り300円でした。生活保護を受けるお宅は無償で活動してきました。庭木の剪定、草取りの依頼も多くなって来ましたが協力される方は同じ人が多かったです。
  ボランティア活動で持ち出しは長続きしなくなる、交通費ぐらいは依頼主より出してもらおうと、1時間500円にしました。その頃よりボランティア団体に補助金が出るようになりました。運営委員会に提案し、草刈機、チェンソ、バリカン等電動工具を購入しました。草刈機、バリカン等導入により作業効率も良くなりました。窓拭きが早く終わり草取りを手伝ってくれたK氏が、こんなに暑くて大変な仕事なのでもう少し多くもらったらと言うアドバイスで、栄区のパート賃金に近い700円にし、お客様には使用工具の磨耗代とお話して、時間700円でお願いしました。07年ご依頼主の皆様に私たちも歳を重ね腰を曲げての仕事が大変になりましたとお話をして、時間750円が現行の活動費です。
 私は以前登山をしていました。三千メートルの山頂から眺めるご来光は登った人だけ見ることが出来る感動です。無償の時もありました。300円の時もありました。暑い時、寒い時大変なお仕事ですが終わって雑草の取り除かれた庭、風通しの良くなった庭木を見て、ご依頼主と共に喜べる仕事、それが「いでたち」の庭木のお手入れだと思います。


  2.豚肉と冬瓜の炒め煮                      畠山 工

素材分量2人分、 
豚ロース薄切り肉120グラム、冬瓜400グラム、しょうが半片、にんにく半片、ごま油大さじ1杯半、酒大さじ1、しょうゆ小さじ2、塩少々、こしょう少々、鶏ガラスープの元適量、片栗粉大さじ1、
 1)冬瓜は皮を剥いて種とわたを取り除き、厚さ7ミリに切る。
 (2)しょうがは薄切りにし、にんにくはみじん切りにする。
 (3)豚肉は長さ3センチに切り、塩とこしょうで下味をつける。
 (4)鍋にごま油を温め、しょうがとにんにくを炒め、香りが出てきたら、豚肉と冬瓜を加えて炒め合わせる。
 (5)カップ1杯の水と鶏ガラスープの元を加え、煮立ったらアクを取って酒としょうゆを入れる。
 (6)弱火で煮て冬瓜が柔らかくなったら塩で味を調え、片栗粉を大さじ2杯の水で溶いてとろみをつける。
エネルギー281キロカロリー、 塩分2グラム、

  3.思いつくままの走り書き−古典にふれてしゃきっとしよう−    中村 斉 

 連日30を越す日がつづいて、なかなか意欲が沸いてこない。来る日もくる日も、熱中症にかからないようにと妻が用意してくれた、きんきんに冷やした麦湯を飲んではごろごろしていた。耳だけは働かせてNHK古典講座「源氏物語」を一応聞き終えた。だが、何かを感じ採ったかと問われたら、「恥ずかしながら、恥ずかしながら・・・」なんともお恥ずかしい次第である しかし源氏物語のような古典に接すると、簡単には理解するのはむずかしいが、鏡アナウンサーの朗読は心地よくひびくし現代文の小説を読むのとは異なって、日本人らしい感覚を感じ取ることができる。一古典の作品にも機会あるごとにふれて日本の古典の真髄を感覚的にでも良いから味わいたいと、改めて思った。
 思えば平家物語を現代に伝える作業の一部を、琵琶法師として、私達視覚障害者の大先輩が担ったということは紛れも無い事実なのだ。現代の視覚障害者にその役割を果たせるか、また時代がそのような動きをすることを歓迎してくれるかどうかは甚だ疑問だが、少なくとも日本人的な教養を身に着ける事はまちがいではないだろう。明治大学教授斉藤隆氏の著書「声に出して読みたい日本語」を参考にして諳んじるのも悪くは無いことだ。ちょっとだけでも古典の世界に触れると自分がその世界に踏み込んだと特別な気分にもなる。そうは簡単にはいかないが、直感的に感じるものは貴重なものだと思う日本人が、日本の古典に触れて感じるものは的外れであるはずがないと思うのは強引過ぎる論だろうか。ただし、一つの作品を隅から隅まで理解しようとするのはその作品に描かれた時代の時代感覚、有職故実や源氏物語絵巻なども参照、能狂言の所作を参考にして想像の翼を大きく拡げて往時の生活についても知らなければならないだろう。先年未来塾で平家物語を受講したときも、沢山の補助資料をいただいた。武具や馬具について、弓矢について、甲冑についてなどなどである。私達は自力でこれらの資料を読みこなすことはむづかしいのだが、周囲の人の支援をいただいて、チャレンジすることをお勧めします。先年未来塾で「平家物語一の谷の合戦から屋島の合戦まで」の講座を受講したときにも多くの補助資料を配布していただいた。自力でそれらの資料を生かすのはむずかしいのだが、講義に耳を傾け周囲の方の支援もいただくと、古典という難解な城の一角に取り付くことができます。周囲の方とのコミニケーションもとれるというものです。だまされたと思って一度古典の世界にふれてみることをおすすめします。高校生時代の「古文」の教科書はもう処分されたでしょうか。

  4.編集後記                           菊地 賢三

 その昔テレビの気象予報の番組でアナウンサーが「台風は北海道方面に去りました」と言ってしまい、北海道の方から大いに抗議を受けたと言う話を、私は他の方への配慮不足という点で肝に銘じていました。ところで私は以前から近所の丘の上で家庭菜園をやっており、近くの畑の専業農家の方に教えて頂いたり雑談をさせて頂いております。その方は昨年、台風で南風が強く吹き海水による塩害が発生し大分ご苦労されたようでした。先日の台風の翌朝その方とお会いし「今年は塩害がなく良かったですね」と言うと、「九州や中国地方東北の方は大変な被害でしたでしょうね」と言われました。私は肝に銘じていないことが分かり、恥ずかしくなりました。


 
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