いでたち通信は点字に翻訳し、視覚障害者に配布されています。
 
  
 

 

1.私は大腸がんと肺がんの切除手術を行いました(承前) 川島 清治

 また、大腸CT検査の時、肺にもガンの影があることが分かり、8月21日に再入院し手術を行いました。肺は左が上葉、下葉、右が上葉、中葉、下葉の5葉にわかれているとのこと、担当医から「原発」という言葉が出たときは一瞬、なんだろうと戸惑いましたが、大腸が先か肺が先かの専門用語だとのことでした。肺の手術前、肺炎などの合併症等を防ぐ目的で、口腔をきれいにするため歯科の指導もありました。私の肺右上葉の鎖骨のところにガンができているとのことでした。今では右横腹上部にガン切除の傷痕があります。
肺と胃腸とは別臓器のため、手術前後を除いては普通食でした。手術後は大腸のときと同じように筋肉の衰えを防ぐため、多少の痛みを我慢して身体を動かすこと、歩くことを指示されましたが、手術後2〜3日は大変でした。退院は8月29日でした。退院後肺の機能を損なうことの無いよう特別な器具を購入し、吸ったり吐いたりの練習を行ったり、また胸部を保護するコルセット等も必要でした。入院治療費用は一割負担で1件当り5万5千円くらいでした。病院関係者の皆さんには献身的にお世話になりありがたく感謝しております。
病院で思ったことはこれから増えるであろう、老老介護はどのようにあるべきか、シニアクラブにある友愛活動、各種ボランティア等々考えておりましたが良い具体案は出ませんでした。また自分の体内の見えない臓器の改造など、医学の進歩に驚いておりますと共に、みんなが幸福な人生をおくれるよう「政治と経済」は切り離さず考えたいと思います。
残念ながらこれで私のがん治療は終わりではありませんでした。抗がん剤を使った治療が進められ、1016日に一日入院で皮下埋め込み型リザーバーを右胸上部に挿入いたしました。このリザーバーを使って二週間に一回の割合で抗がん剤(化学治療と名称が変わる)の注入を行います。注入は外科医が行い、48時間後の取り外しは自分で行います。リザーバー挿入の時はCT検査を含め三万五千円くらい、化学治療の時は一万二千円くらいの治療費だったと思います。
 治療中については何の制限もありません。1122日のシニアクラブ秋のふれあい旅行には器具を付けたまま行ってまいりました。11月2日に行われた「栄区民まつり」にはいでたち会員の皆さんの元気な活動を見させていただきありがとうございました。これからもよろしくお願い致します。

 

2.煮豚                            畠山 工

素材分量6人分、 

豚ロースブロック肉600グラム、ねぎ半分、しょうが1片、砂糖70グラム、

サラダ油大さじ1、しょうゆカップ8分目、酒カップ3分の1、

みりんカップ3分の1、

(1)豚肉は、たこ糸で形を整えるように巻く。

(2)しょうがは薄切りにする。

(3)フライパンにサラダ油を熱し、形を整えた豚肉を強火で転がしながら焼き、表面に焼き色をつける。

(4)肉がちょうど入る大きさの鍋に、水3カップと調味料を入れて沸騰させ、ねぎとしょうが、豚肉を加えて煮る。

(5)煮立ってきたら弱めの中火にし、アクをすくい取りながら肉の上下を変え、蓋をして40から50分煮て、そのまま冷ます。

(6)食べやすく切って器に盛りつけ、煮汁をかける。好みで粒マスタードやゆずこしょうを添えてもおいしい。

エネルギー322キロカロリー、 塩分2グラム、

2.

3.「思いつくままの走り書き」第130回 −かわいい子には旅を?−  中村 斉

「16歳で、一人世界一周旅行をした私Aです」 という司法書士さんのコマーシャルメッセージをたびたびラジオで耳にします。旅の中では多くのことを学び、判断力もきっと高めたに違いありません。このコマーシャルメッセージから、若い時代に世界一周一人旅をやり遂げたことを自他共に誇りとしていることが感じられます.
 さて、昔から「かわいい子には旅をさせろ」という諺があるくらいですから、「旅すること」の評価は高いと思われますが、視覚障害者には「旅をさせろ」なのか、「無用」なのか、少し考えていだけると幸いです。実は栄区視障協は11月の定例会として、根府川にある農業体験レストラン「お山の大将」を目的地として体験旅行を実施しました。天候にも恵まれ、白雪の裾をひく富士山を往復路ともに心に描き、楽しみながら、農業体験を積んで無事帰りました。参加者全員が初体験だった「こんにゃくづくり」は、ずっしり重いこんにゃく芋をさわることから始まり、ボウルの中で次第に固まっていく様子を、攪拌する自分の手掌に感じとりました。また、ビニールハウスの中で栽培されているしいたけが原木からにょきにょきのびているのを触らせていただき、びっくりしました。「笠が肉厚で、しっかりとしたしいたけを刈り取ったときには、少し興奮してしまった」という声もありました。旅の計画から帰着解散まで、どの場面をとらえても、価値あるものでした。

勿論、私達は、一人旅は出来ませんので、どなたかの支援をお願いすることになります。一般にはガイドヘルパーさんのご支援をいただくわけですが、派遣していただくには、それ相応の費用が必要です。そこで、公的な費用で、ご支援をいただくわけですが、車中ではガイドヘルパーさんの支援は必要ではあるまいと、バス内のヘルパーさんの費用の支援は打ち切りになります。横浜市では大型観光バスを福祉バスとして借り上げ、「どうぞ旅にお出かけください」といってくださる一方、ソフト面では私たちには厳しいお考えで、いささか矛盾をかんじています。ご理解いただけるまで主張するつもりですが、それはそれとして今回の移動定例会は、視覚障害者にも旅をさせましょうという評価を確認した旅でありました。

 

4.編集後記                            菊地 賢三

 自転車事故が注目されている。省エネで推奨される乗り物であるが、車両であるのに自動車のようには交通ルールが守られにくい面がある。狭い道路を自動車、自転車、歩行者、社会インフラの電柱や環境の植樹帯などが空間を取り合っているが、自転車対策が後回しになっている面もある。事故の8割は対自動車であるが、対歩行者事故も年3千件もある。今年の7月には、11歳の子供の自転車が坂道でスピードが出すぎてお年寄りと衝突し、お年寄りが人事不省となり、子供の親に約1億円の損害賠償義務の判決が出ている。やはり自転車に乗った時でも車両としての交通ルールは守らねばならない。

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