いでたち通信は点字に翻訳し、視覚障害者に配布されています。
     
  1.私は大腸がんと肺がんの切除手術を行いました         川島 清治

人生には上り坂、下り坂、マサカの三つの坂があるとは聞いておりましたが、マサカ自分の体内にガンが発生しているとは思いませんでした。このガンという細胞は痛くもかゆくもなく、体内で静かに大きくなるものなのですね。
 思えば、ちょっと前から200mくらいの坂を上るとき息切れがあったり、90分くらい同じ姿勢で立っていたとき、フラつきがあったようでした。しかしこれは加齢から来ているくらいに思っていました。タバコは前から吸わないし、かかりつけの医院で年2回ほど胸部レントゲンやエコー検査、心電図等は行っておりました。しかし胃腸の検査は行っておりませんでした。ここに盲点があったように思っております。

 今年の5月ごろ医院の先生にフラツキがあることを告げると貧血ではないかとのことで、造血剤の投与をうけると共に、便の検査をしました。便が黒く、出血していることがわかりました。血液は腸内で出血すると食べかすと化学反応を起こし、排便の時黒くなることは知っておりました。これで腸内にガンができていることを自分で判断しました。
 先生の紹介で、専門医の内視鏡検査を行うことにしました。検査前日は夕食を摂らず、当日は午前9時頃から下剤入りの水、2リッターを15分おきに飲んで腸内をきれいにしますが、これを自宅でできたことは良かったと思いました。自分の腸内を内視鏡で見ることも出来ました。医師のお話では左にポリープ3箇所、右にデキモノがあり、即、栄共済病院外科に行くように紹介されました。
 手術予定日打ち合わせを行いましたが、6月6日の栄シニアクラブ連合会の春のふれあい旅行日と重なりそうだったため、手術は6月14日におこなうことに致しました。私はシニアクラブでは、旅行担当を行っていることもあり、旅行には参加することにしました。東北にある天童、中尊寺、東日本震災地の気仙沼、一本松や陸に上がった船を見ることが出来ました。6月10日入院、採血、肺活量、尿、レントゲン検査等手術前の準備を行いながら手術日を待ちました。手術は午後1時過ぎから全身麻酔で行い、三途の川を渡らずに5時過ぎに終わりましたが、大腸にある盲腸のところから30cmくらい切除し、腸と腸を繋ぐことでした。小腸と大腸の位置替えがあり、落ち着くまでが大変苦痛でした。食事は2日目くらいから氷二片から始まり徐々に病院食になりました。投薬はありませんでした。退院は6月27日でした。  (つづく)

2.


  
 2.きのこの塩だれ炒め                       畠山 工

素材分量2人分、  

エリンギ1パック、しめじ1パック、しいたけ4枚、青ネギ1本、ベーコン2枚、サラダ油大さじ1、ゴマ油大さじ半分、塩小さじ半分、黒こしょう適量、粉末鶏がらスープの素小さじ1、レモン汁小さじ1、

(1)エリンギは長さを半分にし、縦4等分に切り、しめじは小房に分け、しいたけは半分に切る。

(2)青ネギは小口切りにする。ベーコンは1センチの幅に切る。

(3)サラダ油以外の調味料を混ぜ合わせ、塩だれを作っておく。

(4)フライパンにサラダ油を熱し、ベーコン、きのこ類の順に炒める。

(5)きのこがしんなりとしてきたら、塩だれを加えてさっと炒め合わせる。

(6)器に盛りつけ、お好みで青ねぎをちらす。

エネルギー170キロカロリー、 塩分2グラム 


 3.「思いつくままの走り書き」129回−セイフコミュニティ考−   中村 斉

清少納言の枕草子の「かわいいものは」の項に次のような部分がある。「はいはいをしている赤ちゃんが、畳の上の小さなごみを見つけて、するすると近寄り器用に指ではさんで持ち上げにっこり微笑む様は本当にかわいらしい。(大意)」発達心理学では視力が向上し安定するのはだいぶ後のことと講じていると記憶しているが特別な赤ちゃんの能力ではなく、ふつうに見られることである。私が授かった二人の子達も畳の上の綿ほこりや薬の錠剤を発見するのは得意であったし子育て中のおとなは例外なく膝を乗り出してこの話題の輪に加わる。大人が失ってしまった能力を赤ちゃんが思い出させてくれるものだ。
さて、「いでたち通信10月号」の巻頭の記事で、丸山弘人氏が、WHO(世界保健機関協働センター)によりセイフ コミュニティの認定を受けた栄区の「安全な、子供達の笑顔に満ち溢れた、栄区づくり」の推進方法に大きな疑問を投げかけている。丸山氏の指摘しているのは、障碍者・障碍児の安全を守ることが、検討のテーマにも組織からもはずされていることだ。だとするならば、その真意を明らかにしていただかなければならない。障碍者は自分の障碍を補うために総ての神経を動員するので、時には、健常といわれる方の気付かない発見をするかも知れません。提案も出来るかも知れません。
ごく小さな事ですが、最近気付いた「危険・不快」な事を一つだけ記させていただく。高名な演奏家を迎え、ステージへのスロープを備え、高齢者や障碍者に配慮した料金設定をしている、区民のオアシスのリリスホールですが、ホールへのエントランスの近くにコードが必要になったためか、 コードを保護するパイプが備えられた。また階下の廊下にも何本か備えられた。健常の方には何の痛痒も感じないだろうが、高齢者・視覚障碍者は蹴躓くかもしれない。車椅子は前輪の径が小さいのでかなりのショックとなる。危険では無いかも知れないが不快なことは確実だ。演奏家の中には高齢の方も居るし、障碍者もいる。数本のパイプのために、すばらしいホールの評価を悪くしないよう祈るばかりである。


 4.編集後記                           菊地 賢三

鶴丸礼子さんとおっしゃる、大分市在住の服飾デザイナーがいる。氏は障碍者の服を1000着以上作ってきたという。脳出血で半身不随になった92歳の作務衣のような寝間着を作ったのを最初に、左半身マヒの59歳の女性の着脱しやすいドレス、骨形成不全症で左右の足の長さが違う60歳代の女性の生れて初めてのズボンなど。生まれつき寝たきりの女性の成人式の衣装を、お母様の着物をリメイクした前あきのドレスを作り、着ていただいた瞬間のお子さんの顔つきが明るく変わったそうだ。  

 
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