いでたち通信は点字に翻訳し、視覚障害者に配布されています。


1. 国際化 菊地賢三
   フランスのパリに住んだことのある友人が、パリ在住中に娘さんの為に柔道着を買ったことがあるという。娘さんの行っているパリの小学校で柔道が体育の必須科目だったそうです。いま日本で小学校の必須科目で柔道を教えているところはあるのでしょうか。今回のロンドンオリンピックで、柔道の金は女子57kg級の松本選手一人というのもある部分うなずけます。一方、欧米発祥の競技のフェンシングやアーチェリーでは日本勢やアジア勢が強かった。卓球もご当地イギリスが発祥地、でもイギリスが卓球でメダルを取ったことはないそうです。スポーツの国際化とは発祥国以外の国が強くならなくてはならないのかもしれない。
 また、柔道をやっていた人から見ると、国際化された柔道は本来の柔道とはだいぶ違うと思うだろう。同じようにフェンシングやアーチェリーは本家の欧米の人からみるとだいぶ違うと思うだろう。しかし、柔道だってそれ以前とはだいぶ違ってきているのではないだろうか。結局国際化するということは、地理的にも時間的にも変化せざるを得ないものと割り切るべきであろうか。
2.  ほうれん草とえのきだけの和え物 畠山工
 素材分量2人分 
ほうれん草100グラム、えのきだけ1パック、すりごま大さじ1、
しょうゆ小さじ2、みりん小さじ1、塩少々、
(1) ほうれん草は熱湯でゆで、水にとり、水気を絞り、3から4センチの長さに切る。
(2) えのきだけは石づきを切り落とし、長さを半分に切り、ほぐす。
(3) えのきだけを塩少々を入れた熱湯でさっとゆでる。
(4) ほうれん草とえのきだけを、調味料を加えて混ぜ合わせる。
(5)器に盛り、すりゴマを散らす。
 エネルギー45キロカロリー、 塩分1グラム 
3. 一句拝見(いでたち7月いろは句会より) 
もぎたての茄子の紺や籠満ちて      じゅんのすけ
白い蝶また白い蝶山肌に          まさひろ
アニメ祭り子らと一緒に踊りけり       きよし
今日簾八本かけし我が家かな       よしお
宮前と言う駅で下り風涼し          たけこ
4   「思いつくままの走り書き」(114)僕はやっぱりラジオがいいな 中村 斉 
   この夏あの巨人軍の永久名誉監督長嶋さん流にいえば、「わがニッポンは、国を挙げてロンドンからの電波に一喜一憂して、真夜中でも「ニッポンチャチャチャ」しましたね」。もちろんオリンピックの放送のことです。あの期間中は、昼といわず夜といわず、「それ、なでしこだッ」「こんどは内村の個人総合だ」「男子メドレリレーの決勝だ」「女子のレスリングの決勝戦だ」と眠気をどこかに忘れたように熱中して、老若男女を問わず誰もがスポーツナショナリストになったようでした。あなたは?と問われるお恥ずかしいのですが妻が、隣でテレビを見ながら「グゴール」などと叫んでいようとわたしは何秒か先に伝わってくるラジオの電波をイヤホーンで聞きながら預言者よろしく一歩先の実況放送をして、妻のテレビ観戦の臨場感を楽しむ邪魔をしていたのでした。懸命に戦っていた選手のみなさんに寝そべりながらの応援をお詫びしなければなりません。選手のみなさんゴメンナサイ。
 記憶の糸をたぐれば私のオリンピック報道の原点は、あの「前畑ガンバレ」のベルリンオリンピック。おん歳5歳でしたので、ノイズ+フエーディングのはげしい電波の中から眠気と戦いながら聴き取った「勝った勝った 前畑勝った」が蘇ってきます。思えばあの日からぼくはラジオ小僧になったのかもしれません。でもその後すばらしく編集された「民族の祭典「美の祭典」の二本の記録映画の印象も脳裏にやきついています。映像も素晴しいのですが、今年のオリンピック中継を私は終始ラジオ中心で楽しみました。もちろんテレビの映像を解読できる視力をもう持っていないので、ラジオを選択せざるを得ないのですが、私が積極的にラジオを選択したのは、リアルタイムの放送として、ラジオの方が、情報が精選されているしそれで充分であると同時に記憶に残りやすく思えたからです。ただ、女子柔道の金メダリスト松本さんの闘志に溢れた評情だけは、話題になるたびに、画面を見たかったなと、いまでも思います。
 
5. 編集後記 井上 進
 毎年8月も末となると、朝夕の空の色や雲のたたずまい、そして風のそよぎなどで秋を感じるのですが、今年はその気配がありません。切れ目のない暑さが続き、もう、うんざりです。しかしもうしばらくでしょう。
話は変わりますが、小中学校でのいじめの問題が大きく報じられています。こんな意見が目につきました。「学校は社会の縮図で、思春期の子どもに競争をあおって狭い教室に閉じ込めておけば、いじめはどこでも普通に起きる。競争だけでなく、お互いの価値観を認め合うような社会に変えていかないと、根本的な解決にはつながらない。親や教育関係者は、常にそのことを前提に対応してほしい」と。
 お互いの価値観を認め合うことは、すべての基本に通ずることで全く同感ですが、社会のあり方を変えるのは容易なことではありません。今急がれるのは、では具体的に何をするかです。論議を深めて欲しいと思いました。
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