いでたち通信は点字に翻訳し、視覚障害者に配布されています。


1. 音声入力  菊地 賢三
 モバイルパソコンの具合が悪くなったので買い換えようと思ったが、いろいろ悩み、少しは時代に迎合しようと、今流行りのタブレットを買った。スイッチを入れると様々な画像が出てきて、そのつるした表面を指で触り操作するものである。
 検索画面では、普通のキーボード入力や手書き入力、音声入力が選択可能となっているのだが、この音声入力の進歩が著しいと感じた。試みに、早口言葉の新春シャンソン新人賞と唱えてみると、新春は新進という新しく進むという新進歌手から類推される用語となっていたりするが、相当長い言葉でも、いくつかの変換された文字案が示され、選択することによりほぼ完璧に思っている文字に変換することができる。
 以前に比べ話し言葉の文字化が、相当に素早く、間違いが少なくなってきていると思った。これにより外国語との正確な同時通訳もより容易であろうし、更に文字を音声にする技術も進んでおり、変換された文字案を読むことも相当進んでいるので、この音声入力により視覚障害の方でも簡単に文字を書けるようになると感じた。

2. きのこと野菜の酢の物  畠山工
 素材分量4人分、
えのきだけ小袋1パック、生しいたけ4枚、きくらげ6枚、大根4センチ、
にんじん3分の1本、さやえんどう8枚、しょうゆ大さじ1、みりん大さじ3、
酒大さじ2、酢大さじ2、ごま油小さじ1、塩適量、白ごま適量、
(1)えのきだけは根本を切り落とし、半分に切ってほぐす。
(2)しいたけは軸を切り落とし、せん切りにする。きくらげはもどして固いところを取り、細切りにする。
(3)さやえんどうはさっと塩ゆでにし、せん切りにする。
(4)大根とにんじんはせん切りにし、軽く塩もみし、洗って水気をしぼる。
(5)耐熱容器に、きのこを入れて酒、しょうゆ、みりん大さじ1をまぶし、電子レンジで加熱する。しんなりしたら自然に冷ましておく。
(6)加熱したきのこを汁ごとボウルに入れ、野菜と残りの調味料で合える。
(7)器に盛り、白ごまを散らす。
 エネルギー117キロカロリー、 塩分1グラム 

3. 一句拝見(いでたち1月いろは句会より)  
新年会互いに健康祝しけり         まさひろ
春浅く椿の香りほのとあり          じゅんのすけ
拍子木を子供もたたいて火の用心    おさむ
買ってきて中身楽しみ福袋         きよし
初日の出雲の合間に拝しけり       よしお
俳人の庭らし山茶花散るままに      たけこ

4. 「思いつくままの走り書き」109 −夏炉冬扇− 
中村 斉
 「夏炉冬扇」(かろとうせん)とは役に立たない物の例えで四字熟語の代表格の一つである。辞書の例文を引用させていただくと「我が風雅は 夏炉冬扇の如し 芭蕉のように用いられる」と広辞苑にあった。
 芭蕉が、夏炉冬扇と自評する俳句は、時空を越え21世紀の世では、世界最短の詩として、各国で高く評価されるばかりか、老化に抗する(アンチ・エージング)の道具として脳トレに活用されている。私も気まぐれに、五・七・五と指を折りつつ作句する者のひとりである。

 栄未来塾で「平家物語」「徒然草」を講じておられる中野義人先生に、先日「越後の寒風曝し塩ひき鮭」をお裾分けしていただいた。さっそく熱燗片手にご馳走になった。中野先生が良寛の青春の懊悩を描かれた小説「良寛」を執筆された際の取材旅行でお知り合いになられた方からの到来物だそうで、かみしめるほどに奥深い味わいであった。そこで、感謝の電話に添えて一句をお贈りした。「かみしめて越後の冬の鮭の滋味」 これに思いがけなく先生からご返礼の下句をいただき連歌一首が生まれた。
 「かみしめて越後の冬の鮭の滋味 思ひは雪の五合庵へと」21世紀の栄区に、風雅を味わう事が出来たのは心への滋養であった。
 *本欄108号−福祉教育−再び−の文中の慶応義塾大学なかのやすし先生のお名前の漢字表記を中野泰志とお詫びして訂正させていただきます

5. 編集後記 井上 進
 3月を迎え暖かい日もあるもののまだ、早春。ひびきのいい言葉で心が華やぎます。この時期になると「早春譜」を口ずさみたくなります。「春は名のみの風の寒さや 谷のうぐいす歌は思えど 時にはあらずと声も立てず……」うぐいすは鳴きたいが我慢していると。確かにまだ風は冷たいのですが、日差しは十分に明るく、もう冬のそれではありません。梅、もくれん、こぶしと続く花の季節はもうすぐです。この冬はことのほか寒かっただけに、春のくるのが待ち遠しい。もうすぐ高校選抜野球が始まってそれが終わるころ、桜が咲いて春らんまんとなるでしょう。ぜひ外へ出て花の香りを満喫しましょう。

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