いでたち通信は点字に翻訳し、視覚障害者に配布されています。


1. 日本は滅びない  井上 進
 閉塞感のただよう作今ですが、日本にはまだまだ優れたものが数多くあります。紙面の関係で一つだけ挙げると日本は依然として高い工業技術を持っています。今では富裕層が多くなった中国人は、日本のものを買うのは安いからではなく、質がいいからだといいます。自動車はもちろん工作機械、精密機械、電子材料に鉄鋼材料そして医療器具、環境材料など日本には他の追従を許さない圧倒的な技術があるそうです。またそれを支える中小企業の力も素晴らしいのです。3月11日の東日本大震災での原発事故は日本の評価を下げましたが、大震災で家族や家を失った人々の整然とした行動が日本人の評価を上げたことも記憶に新しいことです。経済的には苦しい日本ですが、日本人の持っている勤勉さ、誠実さと創意工夫の心を失わない限り、日本は決して滅びない、そう感じています。

2. あさりの白ワイン蒸し 畠山工
素材分量2人分、
あさり300グラム、あさつき適量、ピュアオリーブオイル大さじ1、
白ワイン4分の1カップ、塩少々、こしょう少々 
(1)あさりは塩水に浸けて砂出しをして、殻をこすり合わせてよく洗う。
(2)あさつきは長さ1センチに切る。
(3)フライパンにオリーブオイルを熱し、あさりとワインを入れ、蓋をして蒸し煮にする。
(4)殻が開いたら、塩とこしょうで味をととのえる。
(5)器に盛り、あさつきを散らす。
エネルギー100キロカロリー、 塩分2グラム 

3. 一句拝見(いでたち1月いろは句会より)  
羽子板の飾りし居間に子らの声      まさひろ
霧の朝身を寄せあって小鳥二羽      じゅんのすけ
大破魔矢納めて妻と猪口交す       おさむ
寒雀隣の屋根にお向えに         きよし
なお寒し窓に粉雪見かけたり       よしお
寒菊の紅とは寂しい日溜りに       たけこ

4. 思いつくままの走り書き −福祉教育・再び−
中村 斉
 1月14日(土)慶応義塾大学日吉キャンパス中野康之教授研究室を会場に、ビューネットカナガワ主宰による福祉教育に関するフォーラムが開催され、当事者の効果的な参加の方法をサブタイトルとしていたので、私達のかかわり方が妥当かを確認するために参加した。
 型どおりの開会の行事の後小学校中学校各1校の実施例の発表があった。両校とも当事者が講師として1名ずつが参加していた。児童生徒への講話の内容は「視覚障害者の日常生活・困難点」「視覚障害を補うための便利グッズの紹介」「こんな時にこんな方法で手助けを」等が主なテーマであった。私達の話題もほぼ同様だが、栄区の場合、ここ2年間講師は複数体制が特徴。児童の「どんな風に見えているのですか」の問に「まっくら」「灰色のカーテンの中にいるみたい」「なんだかまぶしくて・・・」と多様な解答があり、個人差があることを伝えられるのは利点かと思う。更に当事者によるピアノ演奏の鑑賞と伴奏による歌唱も特徴。ピアノ演奏鑑賞のために時間をさくことについては、コーディネーターを交えた学校との事前の打ち合わせで提案し、賛同を得て実施した曲目はベートウベンのピアノソナタ月光の曲より抜粋」とした。栄区視障協に音大出身のピアノの演奏者が居るということと、彼女が他のコンサートで演奏した時の聴衆の醸し出した緊張感と彼女の集中力に連帯する聴衆の張り詰めた雰囲気を私は記憶していたから自信をもって推薦した次第である。
 児童が書いた感想文に演奏が素晴しかったと賛辞のほかにとても努力して練習しているのがわかった。私ももっと練習します」決意も書いていたのは印象的だった。なお歌唱曲はクリスマスシーズンとあって、「赤鼻のトナカイ」で盛り上げた。Jan.28記す

5. 編集後記 井上 進
 今年やっておきたいことの一つに「自分のルーツを調べる」があります。父が亡くなったとき取り寄せた戸籍謄本で、父から数えて4代上までは分かっています。農家の3男だった父が「お寺に行くと過去帳があるよ」と言っていたことを思い出したからです。父の実家の墓地には天保時代のお墓があります。当時の年号は天保、弘化、嘉永、安政、文久、元治、慶応、明治と数は多いのですが、天保元年から明治まで38年と短いのです。どこまでたどれるか、春になったらまず埼玉にある菩提寺を尋ねようと思っています。

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