いでたち通信は点字に翻訳し、視覚障害者に配布されています。


1. 小さい物の大きさ 菊地 賢三
 ミクロンという単位があります。千分の1ミリのことです。今話題のセシウムは更に小さく千分の1ミクロン程度です。もしセシウムを仁丹の粒の大きさとすると、ウイルスはソフトボールの大きさ、細菌は1ミクロンだから運動会の大玉程度になります。スギ花粉は10階建てのビルの大きさになるのでしょう。スギ花粉も細菌もウイルスも放射能を持つセシウムも嫌なものですが、目に見えないほど小さいというのは更に怖い気がします。小さいものほど他のものにくっつき易い性質があるので、セシウムも単体ではなく、粉塵等にくっついています。土にはくっつき易く表面数センチより下にはしみ込まないと言われています。
 この怖さを自分の身体への悪影響がどれだけという評価をする場合に、スギ花粉や細菌、ウイルスへの評価と同じように、各人が考えなければならない。私自身は短期間に4シーベルト、つまり4百万マイクロシーベルト、を浴びると致死率50%というデータから類推して、100日間浴び続けるとして1時間当り1500マイクロシーベルト、これの百分の1の1時間当たり15マイクロシーベルトを危険基準にしている。
2. 鶏肉の中華風蒸し 畠山工
 素材分量2人分、
鶏もも肉1枚、ねぎ2分の1本、しょうが1片、砂糖小さじ2分の1、 
紹興酒大さじ1、しょうゆ大さじ1、塩少々、青ねぎ1本、
(1)鶏肉は筋を切り、フォークで数カ所に穴をあけて味のしみこみをよくする。
(2)鶏肉に砂糖、塩を全体にすりこみ、耐熱皿にのせる。
(3)ねぎは粗みじん切りにし、しょうがはみじん切りにして、鶏肉の上に載せる。
(4)さらに上にしょうゆと紹興酒をまわしかけてラップをかけ、電子レンジで6から8分加熱する。
(5)鶏肉の粗熱をとり、食べやすい大きさに切って盛りつける。
(6)小口切りにした青ねぎを散らし、蒸し汁をかける。
エネルギー225キロカロリー、 塩分2グラム 

3. 一句拝見(いでたち8月いろは句会より)  
秋めくと旅のプランを思い立ち     まさひろ
一休み打水をして句作せむ       じゅんのすけ
足音に一寸途切れて蝉しぐれ      おさむ
故郷の香り懐かし竹団扇        よしお
月明かり空地に咲きし月見草      きよし
なんとなく秋の気配の風なりし     たけこ
4. 「思いつくままの走り書き」(103)
                                       とつきとうか
中村 斉
 横浜のママ・パパが赤ちゃんに贈った詩やメッセージ集「とつきとうか」が冊子となって発行されていて、受胎から出産・育児・と子育ての様々な場面でママ・パパが感じた事を詩やメッセージで表現していて、出産や育児に関する不安を和らげる先輩ママ・パパの言葉として評価も高いという。また、親子・家族の絆を強めるのにも役立つだろうと、小中学校では読み聞かせ作品として採り上げられたり、道徳の授業の教材にもなっていると新聞で紹介されていた。私もぜひこの本を読んでみたかった。新聞によると、各区の健康センターで母子手帳を発行する際に配布されているとあったので、老齢の私には入手困難と思いつつも、中央図書館の障害者担当に連絡してみた。私はその時、いささか礼を失したかもしれないと反省しているのだがとにかく、「とつきとうか」は良い本だから、やがてママ・パパになる視覚障害者にも読む機会をあたえてください。と、一方的に力説したように記憶している。それから2ヶ月ほどして届いた録音図書の中に「とつきとうか」を発見して。あの力説が功を奏した。お手柄じゃと一人で思い込んでしまった。感動のあまり涙をこぼしたり、思わず大声で笑い出すほどの素晴しい作品群だが、著作権の関係でここに作品を掲載できないのが残念。落ち着いて奥付を見ると録音完成22年10月と記してあった。録音図書を作成するときに良く目を配り図書を選定している事に改めて感謝したい。
 さて、この本は三歳児から高齢者まで広い範囲の人に読んでいただきたい本だと思う。孫の誕生日に読むのも嬉しいプレゼントになるし、じじばばにとっても、子育て時代を思い出しながら、秋の夜長を語り合うのも若返りの効果が期待できる。久し振りに復活したハイボールでも飲みながらも良いし、渋茶をすすりながらというスタイルも捨て難い。8月19日新涼の宵に記す
 (参考) 中央図書館障害者専用電話045−250−1619

5. 編集後記 井上 進
 原発は考えれば考えるほど恐ろしい。原発を廃炉にしたとしてもたいへんです。原発一基当たり解体にかかる期間は30年、総費用は885億円、作業員数は延べ56万人といわれ、事故を起こした福島原発の場合その解体方法さえわかっていません。しかも原発は解体してそれで全てが終わるわけでなく、残った膨大な量の核のゴミは人に触れないように、隔離し続けなくてはならないのです。その期間は10万年とも100万年ともいわれています。日本政府は300から1000メートルの地下に埋めることを考えていますが、大地震があれば地上に露出することだって起こりうるのです。人間は恐ろしいものを作ってしまいましたね。
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