いでたち通信は点字に翻訳し、視覚障害者に配布されています。


1. 1パーセント  菊地 賢三
 東日本大震災。今でも報道に接するとき、息をのみ、そして涙を禁じえない。
技術の仕事をしているから、既往最大津波高さとか200年確率水位とか、という言葉は良く理解できる。と同時に人間も自然の構成員にすぎないのだから、人間が自然に対抗したり、まして超えることなどは到底出来ないとも思っている。
 死者、行方不明者の方3万人近く、ピーク時の避難者40万人という数字にも息をのむ。生活に支障の大きい被災者は100万人以上いるだろう。しかし日本人は1億人を超えている。9千9百万人の力を合わせれば絶対に救えるという信念も私は持っている。大きな自然界の中にあっても、人間が人間にしてやれることに制約は無い。

2. 牛肉とたけのこの炒め物 畠山 工
 素材分量2人分、
牛肉150グラム、たけのこ(水煮)70グラム、ねぎ2分の1本、キャベツの葉1枚
オイスターソース 大さじ1、サラダ油大さじ1杯半、しょうゆ 大さじ1、
酒大さじ3、片栗粉小さじ半分、砂糖大さじ半分、
(1)牛肉は一口大に切り、酒大さじ1としょうゆ大さじ半分、片栗粉をもみこんでおく。
(2)残りの調味料を混ぜ合わせておく。
(3)たけのこは3センチの長さの薄切り、ねぎは2センチ長さに切る。キャベツは固い芯を除いて一口大のざく切りにする。
(4)フライパンにサラダ油大さじ1を熱し、下味をつけた牛肉を炒め、火が通ったら取り出す。
(5)同じフライパンに残りのサラダ油を足し、たけのことキャベツ、ねぎを炒める。
(6)牛肉を戻し入れ、混ぜ合わせた調味料を回し入れて炒め合わせる。
エネルギー222キロカロリー、 塩分1.6グラム 

3. 思いつくままの走り書き99 −これまた難問― 中村 斉
 東日本大震災の規模はあまりにも巨大だ。発災後およそ50日経た時点でも正確な被害の状況がつかめないばかりか、ご遺体捜索の結果1日で200体を越える方を発見したという。様々な情報はあるものの私達の関心が強い、避難所生活を強いられている視覚障害者の情報や本人の訴えはあまり聞かなかったが、お一人だけの眞に率直な訴えをラジオを通して耳にすることができた。「避難所では、手洗いに行くのが全く不便なので、飲物はやめている。どうしても行きたくなった時のことだ、自分が座っている場所を知る手段として、ラジオをつけておいたら消されてしまい自力で戻れなかった」「視覚障害の特性をもっと知って欲しい」
 この訴えに読者はどんな意見を持たれるだろうか。これも仲間で話し合う価値のある話題と思う。
 「視覚障害者の社会参加」を進めることを私達の会の目標の一つに掲げてあるのだが・・・。私達が社会参加しようとするときには前提として「自分は視覚に障害があることを明らかにしなければなるまい。」
 私の場合、様々な方に出会い「お目がご不自由とは見えませんね」と声をいただく。半分は慰めのお言葉と解していたのだが、身近の者にも「視覚障害者と解っていただくのは難しいですよ。」と告げられた。電車の振動が烈しい時に手すりを探そうとして何方かの身体に触れてしまったりすることもあるので、何とか信号を発しないといけないと考え、チエを絞ってみた。車椅子移動の私には、白杖は実用的ではない。夏に向けUVカットのサングラスを入手したいと探していたところ、偶然金1000円でわずかながらお釣りのいただけるサングラスを発見・購入し、早速着用したところ、タクシードライバーさんが、そのスジの人かと気遣い、バックミラーで私の様子をチラチラと覗っていたという。私の顔が元々そのスジ向きなのかも知れないとも思ったり、嘆いたり、食卓の話題にだけはなったものである。しばらくはサングラスの着用をつづけ、その効果を確認することにしてみよう。    April 29 記

. 編集後記   井上 進
 人類史上最悪の「チェルノブイリ」と同列の国際評価「レベル7」となり、しかも発災以来2カ月たった今も予断を許さない状況の続いている福島第一原発事故。先日「半径20キロ圏内には今後20年人が住めないだろう」と菅首相が言ったとか言わないとか問題視されましたが、そういうことも起こりうるかも知れませんね。あの「チェルノブイリ」では25年たった今も、半径30キロ以内の居住が禁止されたままになっているのですから。見通しもつかない現在、圏内に居住されていた方々の苦渋を思い、心が痛みます。


 いでたちトップページへ  目次ページへ