いでたち通信は点字に翻訳し、視覚障害者に配布されています。


1.

感謝の言葉 

  宮城 康美
 3月11日午後2時46分頃、岩手、宮城、福島沖でM9.0の大地震があり関東地域一帯にも多大な影響を及ぼしました。わが家もすぐに停電と断水になりましたが、夜の9時前にやっと復旧しました。ガスは、プロパンだったせいか止まる事はなかったので助かりました。
 栄区付近はおそらく震度5強だと思うのですが、それもかなり長くゆれていたような気がします。その時私は、ちょうど家にいましたが、このゆれはいったいどうなるんだろうと不安に思いながらもよかったと感じる事もいくつかありました。そのひとつは、もう一年半ほど前になりますが、いでたちの方に家具の転倒防止作業をしていただいた事でした。もちろん家の中でも安全だと思われる場所に座っていましたが、どの家具も固定してあったのですぐには倒れてこないという安心感があり、その時つくづくこの作業をしてくださったいでたちの方に深く感謝いたしました。
 それでこの感謝の気持ちをぜひお伝えしたくメールいたしました。ほんとうにどうもありがとうございました。

2. 豚の角煮 畠山 工
 素材分量4人分、
豚バラ肉ブロック800グラム、ほうれん草1束、しょうが1片、ほんだし小さじ2、
砂糖60グラム、しょうゆ大さじ5、酒大さじ5、塩小さじ半分、練り辛子少々、
(1)しょうがは薄切りにする。
(2)ほうれん草はサッとゆで、4センチ長さに切る。
(3)豚肉をかたまりのままたっぷりの湯で、2時間ほど弱火でやわらかくなるまでゆでる。火を止めてそのまま冷やす。
(4)冷めたら幅4センチ長さ5センチくらいの大きさに切る。
(5)鍋にカップ4杯の水、調味料と豚肉、しょうがの薄切りを入れ、味がしみるまで弱火で約1時間煮込む。
(6)器に煮込んだ豚肉、ゆでたほうれん草を盛り、煮込んだ汁の残りを上からかける。練りがらしを添える。
 エネルギー890キロカロリー、 塩分4.6グラム 

3. 一句拝見(いでたち いろは句会より)  
実万両二つ残して去りし鳥       まさひろ
水仙の香りを存分に鎌倉に       じゅんのすけ
柚子の実に冬日のきざしありにけり  こうじ
城が崎しぶきかかりて花菜畑      おさむ
朝比奈の一雨ほしき芽木の山      たけこ

4. 「思いつくままの走り書き」(98)−難しい問いかけ−  中村 斉
 東日本大震災の罹災者への心遣いか3月11日を境に、にぎやかなCMやCFがラジオやテレビから消えてもっぱらAC(公共広告機構)が作成した作品がその穴埋めをしている。国民の意識を高めるような内容でなかなか説得力もあるようだ。内容も決してわるいものではない。なるほどな、こういう啓蒙的なCFも有意義だと誰も思ったことだろうし納得もできるとおもう。ところが、あまりに何回も繰り返されると、作品の意図とは異なった影響もでるものだ。横浜市視覚障害者福祉協会が管理するメーリングリストに視覚障害者であるAさんの投稿があった。「私は電車に乗って通勤しているのだが、あのCFの影響下通勤途上や帰宅の途上何人もの人に、手をお貸ししましょうか と声をかけられる。一日に5名は下らないほどだ。はじめのうちは心から感謝していたが、あまりにサポートを申し出てくださる方が多く「自分はきわめて普通に行動しているつもりなのに、これほどまでに多くの方に見られ特別視されているのかと思う、なにやらなさけなく感じたり対応につかれきってしまい出勤の意欲も失せてしまうほどであった。自分の感じ方はまちがっているのだろうか」と問いかけていた。私自身は車椅子移動で特定の人の支援で移動しているので、このたびの震災でも、Aさんが体験された過剰な支援の申し出はなかったが、一人で行動されているかたは、恐らく同じような体験をされたのではないだろうか。いまの私はこの問いに答えられる力はないが、「いでたち通信」の読者は、どのようにAさんにアドバイスされるだろうか。メーリングリスト上では何人かのかたの適切なアドバイスがあり、Aさんは元気をもどされ気分爽快で通勤されているという続報もあったが、何かの機会に支援への対応について話し合いたい問いだと思っている。

5.

編集後記

井上 進

 3月11日に起こった東北関東大震災。大津波で岩手、宮城、福島地方を中心に死者・行方不明者2万7千余の犠牲がでるなどの被害が発生しました。加えて福島原発の損傷は、3週間以上たった現在も予断を許さない状況が続いています。
 皆さんは地震のときどう過ごされていましたか。宮城さんはそのときの怖さを文頭に掲載した「感謝の言葉」の中で述べられています。しかし家具の転倒防止の処置が済んでいたので安心感があったとも言われています。皆さんのお宅での家具転倒防止対策はどうなっていますか。まだの方はこの機会にぜひ安全策を講じましょう。ボランティア「いでたち」がお手伝いします。


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