いでたち通信は点字に翻訳し、視覚障害者に配布されています。


1.

温暖化

  菊地 賢三
 仕事柄、自然を相手にすることが多く、自然の力と人間の力の差には驚くことが多い。とにかく時間の尺度が違うのだ。地球は36億年、人類はせいぜい百万年、と言う感じだ。地球温暖化の元凶が二酸化炭素ということについても、地球がたまたまこの数百年温暖化しているかもしれないし、空気中の二酸化炭素が増えているらしいことは事実らしいとしても、元凶とは思えない。その寄与度はせいぜい数パーセントではないかと思う。誰かが何らかの利益を目的としての理屈、と思っている。そもそも「地球を大切に」と人間が思うことさえおこがましいと思う。
 イギリスの考古学者フェイガンの本を読むと、地球のメカニズムが少し理解される。ほんの一つの例だが、今から8千年前にミニ氷河期が終わり、後退した氷河の後の大地が一部へこんでいました。それから千年後のある日に、そのへこみに温暖化して水位の上がった地中海の水がトルコのイスタンブールから流れ込み、2年後それが黒海となったそうです。海になる千年の間にそのへこみの周辺には文明が大いに発達していた。温暖化の大部分は万年単位の太陽と地球の位置関係や地軸の変化、地球においては千年単位の海流変化が大きな影響を与えている。
 考えると地球も人間もちっぽけ過ぎると思える。しかし、だからこそ今生きている自分たちを大切にして行く事がもっとも重要と思える。

2. 鮭のチーズ焼き  畠山 工
素材分量2人分、
甘塩鮭切り身2切れ、まいたけ50グラム、しめじ50グラム、玉ねぎ半分、
バター10グラム、しょうゆ大さじ1、溶けるチーズ40グラム、パセリ少々、
(1)まいたけ、しめじは根元を切り落とし、小房に分ける。
(2)玉ねぎは薄切りにし、パセリはみじん切りにする。
(3)フライパンにバター半量を中火で溶かし、鮭を入れて半ば火が通るまで焼いて取り出す。
(4)同じフライパンに残りのバターを加え、玉ねぎときのこをしんなりするまで炒め、しょうゆを回し入れる。
(5)鮭を戻し入れ、チーズを加えて蓋をし、チーズが溶けたら火を止め、器に盛ってパセリを散らす。
エネルギー243キロカロリー、 塩分1.8グラム、

3. 一句拝見(いでたち1月いろは句会より)  
実万両二つ残して去りし鳥     まさひろ
門番の腕たくましく寒稽古     じゅんのすけ
青空に声吸い込まる寒稽古     こうじ
裏山に一夜明ければ初景色     おさむ
寒梅に開きてありしかぶき門    たけこ

. 「思いつくままの走り書き」(95)緊張感  中村 斉
 「今年最後のさくら南洋さくら」が咲いていた12月のはじめに沖縄の戦跡をめぐり、ひめゆりの塔をはじめ先の大戦の犠牲者を慰霊する碑に頭を垂れ「御霊よ安かれ」と祈った。ひめゆりの塔の前では「ふるさとを静かに歌い御霊に捧げた。ハーモニカで前奏を吹いてから「うさぎ追いしかの山・・・」と歌い出し、予定では三番まで歌い通すつもりであったが、歌い進めるうちに万感胸にこみ上げ一番を歌い切るのがようやくであった。旅に出る前「慣行ではない沖縄という本を読みあの最後の日の前夜に彼女達が「「ふるさと」を合唱したことや橋本国彦作曲の「お菓子の好きなパリ娘」が彼女達のお好みだったなどの予備知識を得て「ふるさと」を歌い、「パリ娘」も練習はしていたのだが……。日夜を分かたぬ戦闘に疲れきったであろう彼女達の心に一瞬ではあろうが心の和みを感じさせた音楽の力はすごいとあらためて思う。橋本は夭折した作曲家であるが「紀元節(現在の建国記念の日の式典で歌われた曲)」の主旋律を基調にして、交響曲1番を作曲し、SP盤ながらレコードも遺されていて県立図書館で試聴することができる。同時代の作曲家信時潔(のぶとき きよし)の「海行かば」は彼女達の志気を鼓舞した一曲であったに違いない。銃後の僕らにとっても心をゆすられる感慨深い一曲だった。
 最近の空騒ぎのテレビ文化からは、「真剣」とか「緊張感の微塵も感じられない番組が多い。日本の今を考える時国民の志気を高目緊張感を持たせる音楽や芸能の出現を望むのは無理だろうか。私は決してナショナリストではないつもりだ。2泊3日の小旅行であったが、眞におだやかな辺野古(へのこ)の海、それとは対照的な米軍基地や高齢者の農業従事者は砂糖黍畑の作業は持て余しぎみで、ある現状を見て感じたことは、沖縄の置かれている厳しい現実を日本国民はもっと知らなければならないし、沖縄県民に甘え過ぎてはいないのかと思う。 私も泡盛と島唄やさんしんの音に心の緊張をほぐしはしたが、緊張感を持ち続けた沖縄への慰霊の旅であった。ちなみに首里城は身障手帳の提示で無料で見学できた。聞けば首里城は国営という。 (1.26 2011記)

5.

編集後記

井上 進

 外反母趾になっている右足。その足に合う靴を買いに行った店で、店長が私の履いている靴を見て言いました。「靴のひもを緩めて履いていますね。その履き方は足に悪いのです。靴を履くときにはかかとを靴の後ろにしっかりつけて、ひもをきちっと締めて固定することが必要なのです。履いたとき靴のつま先が0.5〜1センチ程度余裕があり、足の指が自由に動くぐらいの大きさのものを選びます。足を靴に固定しなかったり、大きさに余裕のない靴を履いていたりすると指先を傷めます。靴の先が少し上に持ち上がっている靴も、つまずきにくいのでお薦めです」と。
 それ以来靴の履き方に気を付け、電車の中などで人様の足元を見る癖がつきました。皆さん靴をきちっと履いておられ、だらしなかったのは私だけ? 恥ずかしくなりました。


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