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福祉講演会

 井上 進
 先日小山台中学校で、全校生徒280人を対象に人権講演会が開かれ、目の見えない宮城さんの「視覚障害者の生活について」のお話をしていただきました。生徒たちは静粛にしかも熱心に聴いてくれ、また的確な質問が多く、有意義な学習になりました。後日学校から生徒の10数人の感想文が送られてきました。いずれもよく聴きとってくれたと感心するものばかりでしたが、その内の1年生女子生徒S,Sさんの感想文を以下にご紹介します。

 「目が見ない」そんなことは、普段あまり意識したことがなかった。いつも生活している中で、目が見えるのが普通だと思っていたからだ。目が見えないと、どんなに不便なんだろう。道中で、危ないことは何だろう。見えなくて、不安じゃないのかな。今日来て下さる宮城さんの話を早くききたいなぁと思った。
 宮城さんは、予想以上に元気な方だった。目が見えないショックで私だったら元気をなくしていると思う。でも、宮城さんは笑顔で話をしてくれた。話の中で仰天することがたくさんあった。その中でも、特に「子どもを2人も育てたこと」、「点字を2〜3カ月で覚えたこと」「ほう丁を使えること」「性格が明るいこと」にびっくりした。
 今日の講演を聞いて、どんなに辛いことがあっても、笑顔でいられるのは、いいなぁと思った。これからも笑顔で明るく、前向きに過ごしていきたい。

2 豚肉のにらもやし炒め  畠山工
 素材分量2人分、
豚薄切りバラ肉150グラム、もやし1袋、にら1束、ねぎ10センチ、
中華味の素適量、酒大さじ1、塩小さじ半分、こしょう少々、サラダ油大さじ半分、
(1)豚肉は2センチ位の幅に切る。
(2)もやしは、洗ってザルに上げて水気を切っておく。 
(3)ねぎはタテ半分に切り、5センチ位の幅に斜め切りにする。にらは3から4センチの長さに切る。
(4)フライパンにサラダ油を中火で熱し、豚肉をゆっくり炒める。
(5)もやしを入れて強火でサッと炒め、中華味の素と酒をふり、炒める。
(6)ねぎとにらを加えて炒め合わせ、塩とこしょうで味を調える。
エネルギー364キロカロリー、塩分1.7グラム、

3 一句拝見(いでたち7月いろは句会より)  
夏蝶の庭の茂みに見え隠れ       まさひろ
朝蝉に起こされており老いの身に    じゅんのすけ
明けの予報待てず裏山蝉時雨      おさむ
雲の影山肌染めし山開き        こうじ
晩酌はせねど付き合う冷ややっこ    たけこ

「思いつくままの走り書き」 (90) −視障者に開かれる横浜美術館−  中村斉
 だいぶ以前になるが、視覚障害者の美術鑑賞の新しい波が起きていることをこの欄に書いた。熱しやすい私は、その頃横浜美術館に電話し、「視覚障害者も含めた美術鑑賞のワークショップの開催予定があるか」を訊ねたが、残念ながら、その主旨のワークショップの開催の予定はなかった。私の電話がきっかけになったとはおもえないが、神奈川新聞8月11日の記事によると横浜美術館では「様々な人に開かれた美術館」を目指す取り組みが始まっていて、本年度は「視覚障害者の美術鑑賞の手引き」策定を目標にしているという。このため7月31日には視覚障害者と晴眼者による鑑賞会が開催されたという。
 また、10月に更に同様のワークショップを開催するそうだ。私は美術館を訪れる時にはイヤホーンガイドを利用してきた。作家のプロフィルや技法などについて解説してくれて、その作家に関する知識を伝え鑑賞の手がかりを与えてくれる。だが、それは一方的な情報の伝達であるのが哀しい。視覚障害者にとっても、イヤホーンガイドの存在はうれしいのだが情報過多になりそうで、今ひとつの感があった。
 昨年、広島県立美術館で学芸員によるギャラリートークにめぐり会えた。そのおりに、はじめて鑑賞したイワンクラムスコイの「忘れえぬ女(ひと)」の貴婦人が馬車で市内を巡っている絵を鑑賞し、その後も妻と話し合ったり、同時に鑑賞した人々の感想などを反芻して、その作品の構図も華やかな雰囲気もかなり鮮やかにイメージでき、それを何度も繰り返し鑑賞している。晴眼だった頃、鑑賞した作品の何点かはいまでもイメージできるのは記憶によるものだが、自分の視力だけでは、何の像もとらえられなくなってから対面した作品を鑑賞の方法によっては自分の中に所蔵できるのは嬉しいことだ。再び神奈川新聞の記事から、7月のワークショップに参加した晴眼者の印象的なコメントを引用する。「視覚障害の方と共に絵画を鑑賞して、はじめて絵画を味わうことが出来ました」
 次の視覚障害者のための絵画鑑賞会は10月10日(日)どなたか同行してくださる方はないだろうか。

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編集後記

井上進

 「災害は忘れた頃にやってくる」は寺田寅彦の残した名言ですが、災害は自分のところにはやってこないという思い込みはありませんか。私が正にそれでした。暑さと共に雷雨があちこちに頻発していましたが、自分の所には来ないと思っていました。ところが7月26日、突如として襲ってきた雷雨。隣家のテレビアンテナに落雷し、わが家も電話機が壊れ、パソコンの通信が不能となり、プリンターのスイッチが入らなくなりました。電話機は買い替え、パソコンとプリンターは修理と、大損害でした。幸いパソコンとプリンターは購入時に保証延長5年加入だったことから、本来6万円余かかる修理費が無料となりましたが。雷が鳴り出したらパソコンなどのコンセントを抜くことをお勧めします。

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いでたち通信は点字に翻訳し、視覚障害者に配布されています。