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家具の転倒防止

 丸山 弘人
 先日、栄区社会福祉協議会で、平成22年度第1回当事者団体分科会が開催され、栄区視覚障害者福祉協会代表の畠山さんの誘導で、私も一緒に参加しました。議題の一つに、災害について各団体代表との意見交換があり、地震発生時の死因の9割を占める、家具の転倒対策についても、話が出ました。家具類は一つの部屋にまとめて置いているとか、台所の食器棚は固定しているが、扉を固定するのに何か良い方法はないかとか、戸棚の上には物を置かないようにしているとか、子供がCDを棚にいっぱい入れているとかいったことでした。
いでたちは昨年より、高齢者、障害者宅での家具の転倒防止活動に力を入れてきており、いろいろな家具転倒防止器具を購入して、試行錯誤を繰り返しながら、ノウハウの蓄積に努め、実際に視覚障害者宅での家具転倒防止作業も手がけております。
 食料を三日分蓄えておくとか、薬を十日分余分に持っているとかの準備は、されているようですが、家具の転倒防止については、その内にということで、なかなか進んではいないようです。
全ての面で、備えに万全を尽くすということは、無理かと思いますが、何もしないよりかは、できることはなるべくやっておいたほうが、被害が少なく済むのではないかと思います。

2 じゃがいもと豚肉の炒め物 畠山工
素材分量4人分、 じゃがいも3個、豚もも肉(ブロック)150グラム、ピーマン2個、ねぎ4センチ、 しょうが1片、片栗粉小さじ1、サラダ油大さじ2、しょうゆ大さじ1、 酒大さじ1、砂糖小さじ半分、塩少々、こしょう少々、 (1)じゃがいもは皮を剥き、割り箸ぐらいの太さの棒状に切り、水にさらしておく。 (2)豚肉はじゃがいもと同じくらいの太さに切り、小さじ1杯のしょうゆと酒で下味をつけ、片栗粉をまぶす。 (3)ピーマンは種を取り除き細切りにする。ねぎとしょうがはみじん切りにする。 (4)フライパンにサラダ油を熱し、ねぎとしょうがを炒め、香りが出てきたら豚肉を加える。 (5)肉に火が中ほど通ったら、水気をよく切ったじゃがいもとピーマンを炒め合わせ、残りの調味料を加えて味を調える。 エネルギー176キロカロリー、 塩分1グラム

3 一句拝見(いでたち5月いろは句会より)  
やはり来し今年も見かけ黒揚羽      まさひろ
夏蜜柑香り親しき路地なりし       じゅんのすけ
青蔓を植えて和室の日よけとす      おさむ
子のとかげ庭石見上げて思案顔      こうじ
海うなど咲かせておにわのものとして   たけこ

思いつくままの走り書き(88) 髭をそる  中村斉
 髪の毛はだいぶ薄くなったが、髭は元気良く伸びて、たちまち見苦しい無精髭となる。私はB社のやや高額な充電式の電動シェーバーを愛用してきたが、エチケットに気を配るには1日に2回剃らなくてはならないので電池交換で使え、旅先へも気軽に鞄に忍ばせられ水で洗浄も可能な国産品を愛用している。切れ味はいまひとつで、使用後皮膚までむしりとられたようでひりひりするのが残念だが、水洗いが簡単に出来清潔を保てるのが何よりだ。
 だが、何といっても髭を剃るのには、かみそりが一番だ。晴眼の方は鏡に向かえば剃りあがった状況は一瞬でわかるが、私達は触覚に頼る。指先や手のひらで触れてみると正しい情報が得られる。もっとも、ベテランの理髪店のマスターも指先で剃れ具合を確認している点私達と同じだ。触察は医学の基本の一つでもある。だが、たとえ「安全」と名が冠してあろうと、カミソリを盲人が手にしていたら一般の方は「危険」「けが」を連想されるだろう。お考えになるのは当然かも知れない。さすがに、私も理髪店のご主人のように西洋カミソリを使うことはできない。でも、長い間、安全カミソリは使い慣れている。もちろん傷をすることが皆無とはいえない。でも体で覚えたことは意外とできるものです。慎重に取り扱いますと入浴する時にながながと説明して、デイケアの入浴担当職員に納得してもらい、気持ちよく髭を剃り上げ、男まえの気分で次の大正琴のレッスンに参加した。もちろん、慎重に考え許可を与えてくれた担当のMさんに感謝しながら。

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編集後記

井上進

 「江戸しぐさ」という言葉をご存知ですか。私はつい最近知りました。たとえば雨の日に人とすれ違う時、しずくがかからないように傘を少し傾けたり、電車の中で、もう一人座れるように腰を上げて席を空けたりとちょつとした思いやりのしぐさのことをいうそうです。
 せち辛い世の中ですから、さりげない親切でも心がなごみます。高齢者に道を聞かれたら丁寧にお教えして、「どうぞ気をつけて」と一言添えることができたら素晴らしいですね。

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いでたち通信は点字に翻訳し、視覚障害者に配布されています。