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ダメなものはダメ

井上進
 「クロスロードゲーム」は率直な意見交換を遊び感覚で行うゲームです。先ず課題を出します。「あなたは住民です。コンビニの前でたむろしている中学生がタバコをふかしていました。あなたは注意する(YES)/見てみぬふりをする(NO)」 正否を云々するのが目的ではありません。それぞれの立場で意見を述べ合うことに意味があります。先日福祉関係の方々が集まり7人のグループで、この課題でYES、NOを問いました。その結果は何と全員がNOで大笑いしました。注意したって聞き入れない。袋叩きにあうのがオチだというのが大方の意見でした。しかし後で考えました。電車の中でケイタイを使って大声でしゃべっている高校生、優先席に若者が座っていて、体の不自由な人が立っている……など目にあまる光景をしばしば見かけます。しかしそれを注意する人はほとんど見かけません。何事にも無関心で、事なかれ主義を貫くのが近年の風潮です。ダメなものはダメと言う勇気を持たなければと自身反省しました。

2 梅風味の蒸し鶏 畠山工
 素材分量2人分、
鶏もも肉1枚、梅干し1個、サラダ菜2枚、しょうが1片、
ねぎ(白い部分)半分、紹興酒大さじ2、しょうゆ大さじ3、砂糖大さじ1、
(1)鶏肉は味がしみやすいように、フォークで数ヶ所に穴をあけ、紹興酒としょうゆを大さじ1杯づつからめておく。
(2)ねぎは縦に細切りにし、水にさらして白髪ねぎにする。しょうがは薄切りにする。
(3)梅干しは種を取り除き、裏ごしにする。
(4)耐熱皿に鶏肉としょうがをのせ、ラップをかけて電子レンジで4分位加熱する。そのまま冷まし、薄切りにする。蒸し汁は、棄てずに取っておく。
(5)裏ごしにした梅干と蒸し汁と残りの調味料を合わせ、電子レンジで加熱してソースを作る。
(6)器にサラダ菜を敷き、鶏肉を盛ってソースをかけ、白髪ねぎをのせる。
 エネルギー293キロカロリー、塩分3グラム、

3 一句拝見(いでたち5月いろは句会より)  
一群れの菖蒲に隠れ憩いをり      まさひろ
水苔の日陰に光る寺の庭         じゅんのすけ
若葉萌え日陰重ねてほの暗く      おさむ
琴の音やかすかに揺れる花菖蒲     こうじ
竹の秋直なるものの美しく       たけこ
「思いつくままの走り書き」(87) ―ホットケーキ― 中村斉
 初夏らしい好天に誘われて散歩に出かけた。目的地は鎌倉。八幡宮のあの大いちょうの様子を一目みて再生を祈願したい。さらに旬のしらすどんぶりでも食べようかというのが目標。
 突然に思い立ったことなので、港南台駅まではタクシーに乗った。運転手さんとの会話がはずんで、鎌倉の喫茶店イワタのホットケーキに及んだ。何でも2時間待ちで食べてこられた奥さんの評価は「2時間待ったかいがあった」という。もともとホットケーキには目のない私。「この情報を有りがたくいただき、しらす丼は次回に回すことを決意した。(それほど大げさのことでもないが)、腹の虫はもう鳴きだしていた。
 最近のホットケーキは冷凍した物をチンして提供していると思われる物が多いのが不満。だが、イワタのそれはホンモノ・☆☆☆だという。でも思い立った八幡様の参拝は止めるわけにはいかない。私達は50年前鶴が岡八幡宮社前に堅い契りを誓ったのだから・・・。
 大いちょうの幹に沢山の芽が芽吹いていたのが嬉しく、とりあえず500年後には風に乗って参拝しますと手を合わせた。
 さて、次なる目的地に向かうとき、「はてな」と私は気付いた。通いなれたあの店の入り口は、かなり高い階段、店の中にももう一段。確かに昔はそうだったのだが、店の前まで来たところ、入り口の階段は平らに改修され、店内の階段は「若い者が車椅子を持ち上げますのでどうぞ」の嬉しい言葉をいただいた。ままよ、ここは甘えさせていただこう。当然のことながら、コーヒーとホットケーキを注文。20分後厚さ2cmのケーキにメープルシロップをかけて香りも楽しみながらゆっくり味わった。ちなみに一人前を二人でいただいて、満足。階段一つで店の雰囲気も変わるだろうに、しにせのお店がバリアフリーを目指してくれたことも本当に嬉しかった。June3 記

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編集後記

井上進

 先日、白内障の手術を受けました。片目ずつの一泊入院で、手術そのものは30分程度で終わる簡単なものでしたが、術後、翌朝まで片目で過ごす時間の長かったこと。片目ですから、新聞や本を読んだり、テレビを見たりできません。仕方なしにラジオを聴いていたのですが、何とも間が持たないのです。そして普段は「読む」「書く」「見る」で、生活のほとんどを過ごしていることに気づかされました。
 考えるまでもなく、日頃お付き合いをしている目の不自由な方は「聞く」生活がほとんどで、その不便さははかりしれないと思います。最近でこそIT技術の進歩により、「聞く」ことで「読む」「書く」ことにつながるようになってきましたが、「見る」はまだまだです。医学やIT技術が進んで、一日も早く「見る」ことに近づける日がくればいいなと、自分が目の不自由な時を過ごしてみて、あらためて感じました。
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