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ご近所の力
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井上 進 |
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最近、災害時の救出のため、また高齢者の孤独死を防ぐために、障害者やひとり暮らしの高齢者の存在をあらかじめ調べておこうという動きがあります。しかしプライバシーの壁があり、その調査を阻んでいます。自己申告という方法もありますが、それすら知られたくないとの本人側の意向が強く、思うに任せないと聞きます。
あらゆる手を使って、近隣におられるこれら社会的弱者の存在を知っておく必要はありますが、基本的には「向こう三軒両隣」が力を発揮すると思っています。隣近所のことであれば、その家の家族状況などは調べなくても自然と分かります。ご近所とのかかわりあいが希薄にはなっている近年ですが、いざという時に助け合いができず、見て見ぬふりをするほど、日本人は落ちぶれていないと私は信じています。
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おからのいり煮 |
畠山工 |
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素材分量2人分、
おから150グラム、薄切り豚バラ肉50グラム、生しいたけ2枚、きくらげ少々、
にんじん少々、ねぎ4分の1、サラダ油大さじ半分、酒大さじ半分、砂糖大さじ半分、
かつおだし適量、みりん大さじ1、しょうゆ大さじ1、
(1)きくらげは、ぬるま湯で戻して石づきを取り除く。しいたけは石づきを取って半分に切り、さらに薄切りにする。
(2)にんじんは長さ3センチぐらいの細切りにし、ねぎは小口切りにする。
(3)豚肉は3センチぐらいの幅に切る。
(4)鍋にサラダ油を熱し、豚肉をカリカリになるまで炒め、きくらげとしいたけとにんじんを加えて炒め合わせる。
(5)おからを加えてよく炒め、調味料を加えて混ぜながら10分ほど炒り煮にする。
(6)汁気がなくなってきたらねぎを加えてざっと混ぜる。
エネルギー263キロカロリー、 塩分2.2グラム
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一句拝見(いでたち2月いろは句会より) |
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春めきし里山の風背に受けし まさひろ
侘助は一輪差して客を待つ じゅんのすけ
ディサービス義理チョコなれど有り難し おさむ
芽吹かむと風に親しむ大欅 たけこ
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「思いつくままの走り書き」(84) ―発想の転換― |
中村斉 |
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前号では立春前の雪を「こいつあ 春から縁起がいいわい」と書いた。つい先日3月8日の雪は「名残の雪」と考えればロマンチック。あの「きみは 綺麗になった きょねんよりずっと綺麗になった」なんぞと口ずさみたくなろうというものだった。その名残の雪と低気圧に向かって吹く風とが合わさって鎌倉鶴ケ岡八幡宮前の樹齢800年とも1000年とも推定され、幹周り6メートルを越す大イチョウを根こそぎ倒してしまった。ヘリコプターから撮影した写真では、まさにぶっ倒されたというのが率直な感想らしい。さて、この事実に対して、神社側は「ご神木を輪切りにすることはできない。なんとか、枝から発根させ、祈祷するなどして元の位置で再生の道を探りたい」との考えを発表。学者は「根の状況から再生は困難」と診断。県知事は政治家らしく「ヒロク カイギヲオコシ バンキ コウロンにケッスヘシ」と対策会議を組織することを提言している。これはなかなか結論が出ないだろうという状況の中で、全くフリーな立場の女性が「ご神木をもとに、長寿のお守りを作ったら」と一言述べたと新聞は街の声として報じていた。
いずれが正解かを判断はできないがこの主婦の考えは一つの対応策として神社は考えてみる価値があると私は思う。あの大イチョウの姿は再現されたとしてもそれを見られるのは数百年後の人々だろう。「大イチョウの長寿のお守り」はあの雄姿を多くの人々の心の中に映し出すに違いない。発想はフリーでありたい。
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編集後記
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井上進
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先日豊田小学校4年生105人を対象に、「視覚障害者がどんな生活をしているか」「出会ったときの接し方」を学ぶ授業が行われ、視覚障害者の宮城さんにお話していただきました。子どもたちは話を熱心に聴き質問も活発で、きわめて有意義な授業となりました。宮城さんのお話は、音・触覚、点字、盲学習、家事、育児、ITなどにおよぶ多彩な内容で、特に「聾の友人の家に行った折の帰路、聾の方の運転する車に乗り、宮城さんが道順を指の合図で教えながら家に帰った」と話されたのには驚き、また感動しました。授業の最後に子どもたち全員で手話付きの「スマイルアゲイン」を歌ってくれたのが、印象に残りました。
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