1	電位治療器	井上　進
	最近寝付きが悪い。知人から街角にできた「パワーヘルス体験会場」の治療が効くようですよ」と言われ通ってみました。体の中で作られている生体電子マイナスイオン75%、プラスイオン25%を人工的に作り出し、それを使うことで血流を良くして症状を改善するとのことです。治療はその機器につながれた椅子に30分座るだけです。宣伝マンは「3日で良くなります」と言います。治療体験集によると、ガンが消えた、人工透析が不要になった、高血圧が正常になったなどその効用のオンパレードです。治療中に宣伝マンに聞かれ、「不眠が少し良くなってきました」と答えた女性が外に出てきた時、聞いてみたら首をかしげます。インターネットでも調べてみました。効果があるという人、全然ないという人、たとえ気休めでも使用を続けるという人さまざまです。私の場合、半月ほど通ったのですが、効果はありませんでした。私なりに感じたことは次の通りです。宗教団体の教宣活動の文言に、「信ずる者は救われる」というのがありました。宗教を信ずることで心の平安が得られるのなら、それは素晴らしいことです。この機器を使う人にも同じような心理が働いているのでしょう。効用があるという確証はないけれど、藁にもすがる思いでこの機器に頼る。そこに希望がある限りそれはそれでいいのかも知れないと。
2	鶏の治部煮	畠山工
	素材分量2人分、鶏もも肉1枚、小松菜4分の1束、にんじん3分の1本、生しいたけ2枚、塩少々、片栗粉少々、みりん大さじ2、うすくちしょうゆ大さじ1杯半、かつおだしの元適量、おろしわさび適宜、 (1)鶏肉は、一口大にそぎ切りにして塩をかるくふる。 (2)しいたけは、軸を切り落として半分に切る。 (3)にんじんは、皮を剥いて縦に幅5ミリ位に切り、さっと下ゆでする。 (4)小松菜は、さっとゆでて水気を絞り、長さ4センチ位に切る。 (5)鍋にカップ1杯の水と調味料を煮立て、小松菜以外の野菜を入れて温める程度に火を通す。 (6)鶏肉に片栗粉を薄くはたきながら鍋に加え、鶏肉に火が通ったら小松菜を加えてひと煮する。 (6)器に盛っておろしわさびを天盛りする。エネルギー270キロカロリー、塩分2.7グラム
3	一句拝見(いでたち11月いろは句会より)
	駅頭に佇みて満月ながめおり　　　　　　　まさひろ空澄みてお茶の日溜り段畑　　　　　　　　じゅんのすけ波静かさまよう秋の鴎かな　　　　　　　　こうじ藁塚に憩う鴉の夫婦かも　　　　　　　　　あいこ破れ芭蕉風を掴まえにくくなり　　　　たけこ
４	「思いつくままの走り書き」（81）－言葉至上主義ではありませんが－	中村斉
	ラジオをよく聴いている。気になる言葉の一つに「ラジオですから……」というのがある。「ぜひお話をしてください」「うなずいているだけでは伝わりません」と発言を促すのは良いのだが、「お見せできないのが残念です」と続けられると聴いている方ではがっかりしてしまう。「お見せできないのが残念」とは「最高にすばらしい」という意味の裏返しの表現のつもりなのだろうが……。少々臍の曲がった私には「ラジオの限界」とエクスキューズしているようにきこえてしまう。視障害の私たちにも、どうぞ形や大きさや肌触りや色彩のことなどを、できれば細かくお話してくだされば、私達なりのイメージを描くことができるのです。NHKラジオの「ラジオビタミン」へは、写メールや封書でいろいろな写真が投稿されるようだ。気象予報士の方は科学的に、村上アナウンサーはやや情緒的な要素も含めて、ていねいに説明してくれるのが楽しみだ。相撲も野球もテレビは見えないからラジオのスポーツアナウンサーの描写力で、十二分に楽しませてもらっている。どうぞ「見えない方にはごかんべんねがって」とおっしゃらず、できるだけ細かく言葉で説明をおねがいします。記憶と五感と第６感も総動員して、私たちも、うなずいたり、拍手したり、笑ったりして、共感したこと理解したことを表現するでしょう。昔は映像もないラジオドラマに、あんなに魅了されたことがあるではありませんか。ラジオの世界はまだまだ可能性を持っていると、私は思っている。
5	編集後記	井上進
	11月27日に開かれた栄区社会福祉大会で、感謝状をいただきました。「いでたち通信」づくりを評価して頂いた「ボランティアいでたち」のご推挙にもとづく受賞です。しかし「いでたち通信」は、投稿を続けていただいた皆さんや、紙面づくりにご協力してくださった方々のお陰によるものです。そして「ボランティアいでたち」の中には、もっと苦労された方が大勢おられますし、他の団体にも、より功労のある方が数多いのです。それらの方々の受賞の機会を遠ざけてしまったのではと、申し訳ない気持ちで一杯です。
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	いでたち通信は点字に翻訳し、視覚障害者に配布されています。