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下 駄 箱 

丸山弘人
 先日、視覚障害者のHさんから、浴槽を低いのに取り替えるため、洗濯機を移動しなければならず、そのため下駄箱を一回り小さいのに変えなくてはならない、との電話がありました。早速家具屋さんに行き、下駄箱を探したのですが、どこの家具屋さんも下駄箱の陳列は少なく、適当なのが見つかりませんでした。店員さんに聞いてみると、最近は皆さん作り付けで、下駄箱の需要は少なくなりましたとのことでした。そこで、ホームセンターへ行き、丁度良い大きさの組み立て式の下駄箱を購入し、いでたちの仲間と二人で訪問し、組立工程表と首っ引きで、2時間半かけて仕上げてきました。大きさも色合いも玄関にマッチしていて、大変喜ばれました。
2  かぶのえびそぼろ煮 畠山工
 素材分量2人分、
かぶ(葉の付いている物)4個、剥きえび150グラム、しめじ半パック、
かつおだし汁カップ2、みりん大さじ2、うすくちしょうゆ大さじ1、
酒大さじ1、塩少々、片栗粉大さじ1、
(1)かぶは、茎を2センチほど残して葉を切り落とし、皮をむいて縦半分に切る。
(2)切り落とした葉は、少しとってさっとゆで、冷水にさらして水気を絞り、幅5ミリ位に切る。
(3)しめじは、根元を切り落とし、ばらばらにする。
(4)えびは、ざく切りにし、ボウルに入れて酒と塩をふって混ぜて下味をつける。
(5)鍋にかぶと調味料を入れて火にかけ、かぶがほぼ柔らかくなったらしめじを加える。えびも加えて火が通ったら、片栗粉を倍量の水で溶いて加え、とろみをつける。
(6)仕上げにゆでたかぶの葉を加えて混ぜ、器に盛る。
 エネルギー177キロカロリー、塩分2.5グラム
3 一句拝見(いでたち9月いろは句会より) 
犬琵琶の熟るるを食う番鳥       まさひろ
残暑坂日陰に憩う夫婦づれ       じゅんのすけ
四世代住む故郷へ墓参り        おさむ
庭走る蟷螂の子早きこと        こうじ
ザリガニに声弾みおり炎天下      きよし
木道の先へ先へとある花野        たけこ

「思いつくままの走り書き(79) 広島への慰霊・報告の旅 中村斉
 以前書いたように沖縄・長崎・広島への慰霊の旅は元軍国少年であった私の、強い願いでした。私も車椅子を押してくれる妻もまずまずの健康状態。財布の中には常時秋風が吹いてはいるものの、外出時には可能な限りバスを利用して「タクシーに乗ったつもり貯金」に励んで捻り出した一金うん万円を支出。ツーリストビュローの扉を叩いたところ、案ずるより産むは何とやらの諺通り、のぞみ号とホテルの組み合わせで格安プランを紹介してくれた。そこでゴー!10月1日にスタート。2泊3日の短い旅だが慰霊碑に「私も秋葉広島市長様同様にオバマジョリティの一人」と意思表示する。慰霊碑に向かい心の中で読み上げる一文を草した。  
 『1945年8月6日、私は中学1年生でした。当時大本営は事実を伝えることを規制したためでしょうか、新聞に掲載された原爆投下の記事は一面に掲載されてはいましたが、極めて簡単なものでした。でも新型爆弾という文字が不気味に見えました。私達が惨状を知ったのは、終戦後刊行された出版物「黒い雨」「はだしのげん」「岩波写真文庫ヒロシマ」・ラジオ・テレビを通し、また通信社の記者として当日市内入りした叔父の言葉からでした。この度長年の希望が叶い広島を訪れ記念碑に参拝することができます。あのような地獄図が、再び地球上で起きることのないように「核兵器の廃絶」と武力紛争のない「世界平和の実現」のために可能な限りの努力をすることを誓います。どうぞ安らかにおやすみください。なおあの日に広島の逓信局の中庭で被爆した青桐の二世が、私の住む横浜市栄区の文化センターの一隅に元気で育ち、ノーモア原爆を訴え「生命の尊さ」を市民に静かに語りかけていることをご報告します』

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編集後記

井上進

 8月30日の総選挙で、長らく経験してこなかった政権交代が実現しました。新政権は福祉関連施策の大幅な充実を約束していて、その実現が期待されています。しかし何事にも光と影はあるはずなのに、良いことづくめで、マイナス面が何も語られていないのが気になるところです。
いずれにしても、私たちの生活がよりよい方向に変わることで、政権が交代するということはこういうことだったのかと実感できるといいのですが。
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いでたち通信は点字に翻訳し、視覚障害者に配布されています。