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音の静かな車

 井上 進
 ハイブリット車や電気自動車の音が一般車に比べ静かすぎて、歩行者が接近に気付かないという指摘があります。その耳体験をしようと7月15日、栄区視覚障害者福祉協会のメンバー8人が、区役所のご協力を得て、最近区に導入した電気自動車の音を聞く会を行いました。何度か目の前を実際に走行してもらいましたが、確かに音が低く、特に低速ではほとんど音がないという感じで、これでは目の不自由な方はもちろん耳の聞こえにくくなった高齢者にも非常に危険だと思いました。
 国でもその対策の必要性を認識しており、最近のニュースによると、国土交通省の「ハイブリット車等の静音性に関する対策検討委員会」が年末をめどに検討するとのことです。その結果が待たれます。
2  鶏肉の中華風蒸し 畠山工
 素材分量2人分、
鶏むね肉120グラム、大根おろしカップ半分、三つ葉2本、レモンのスライス1枚、
酒大さじ2、塩少々、ゆず風味ぽんず適量、もみのり適量、
(1)三つ葉は、細かく刻んでおく。
(2)鶏肉は筋を切り、酒と塩をふって10分ぐらいおく。
(3)耐熱皿に鶏肉とレモンを一緒に載せて、ラップフィルムをかけて、電子レンジで約5分加熱する。中まで火が通ったらそのまま冷ましておく。
(4)大根おろしは軽く水気をしぼり、ぽんず、細かく刻んだ三つ葉、もみのりを混ぜる。
(5)鶏肉が冷めたら手で裂き、大根おろしで和えて器に盛る。
 エネルギー116キロカロリー、塩分1.8g

3 一句拝見(いでたち8月いろは句会より)  
水澄める川底の砂ちらす稚魚       まさひろ
草を刈り草いきれして老い戻る      じゅんのすけ)
留守番の葛切り啜る予後の午後      ひろし
蝉時雨やみて雨戸を閉めにけり      おさむ
もてなしの如き川風夏座敷        あいこ
谷戸晴るる夾竹桃の坂登る  ゆりえ
落ち着きし雨の足どり秋のける       たけこ

「思いつくままの走り書き」(78) −おしゃべりしたい−  中村斉
 上陸の可能性の在る台風11号の動きに気をもんだ8月30日戸塚区の区民活動センターフレンズで、音声訳ボランティア「戸塚朗読会」主宰の利用者懇談会が開催された。参加者はそんな天候にもかかわらず50名を越えていた。主催者は、会で発行している「ひととき」等のテープ雑誌や日常の活動に関する利用者の意見を聴き取り今後の活動への参考にすることであった。参加者の自己紹介から会は、はじめられた。「視障者には名札を付けてもらっているが、特に女性の名札には折り紙で織り上げたバラのブローチが付けてあります」と司会者が説明したが、「折り紙クラブ」が活動している戸塚区視障協らしい心憎い配慮だと思った。自己紹介はスムーズに進んだが、司会者の懇談会開催の意図の説明が不十分であったのか、参加者の理解がいま一つ足りなかったのか「自由に懇談してください」の言葉をキッカケにして、全くのフリートーキングになって会場は蜂の巣状態。私も折り紙クラブのTさんと話すことができた。神奈川ビューネット上で、視覚障害者理解の授業のすばらしい実践例と基本的な考え方を開陳されたUさんと挨拶を交わしホンネも交えた貴重な話もうかがえた。戸塚区視障協の会長さんと日常の活動について意見の交換もした。H会長は,或る会合での私の発言を記憶されていたのには恐れ入った。で楽しい時間であった。その夜朗読会のIさんにメールしたところ、うれしい返信をいただいた。「私達が会を開催した意図とは違う方向に進んでしまったが、視障者同士の交流が深まり思いがけない収穫であったし、このような会合が大切なこともわかった」と。賞味期限の切れてしまった流行語で申し訳ないが、讃辞を贈ります。「戸塚朗読会のやわらか頭万歳!」

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編集後記

井上進

 8月4日早朝、震度6の静岡沖地震が発生し被害が出ました。聞くところによると、けが人は108人で、原因の分かっている人の中で、家具の転倒や直撃落下物による負傷者は48%あったそうです。東海地震に備えて地震対策が進んでいる静岡でさえ、この数字。家具転倒防止対策の必要性を痛感させられます。
 すでにお知らせしていますが、ボランティア「いでたち」では「家具転倒防止対策」の作業をお引き受けしています。自分では対策が取りにくい目の不自由な方や高齢者の方に呼びかけていますが、お申し出でのあった方は2人だけでした。家の中に他人が入ることに対しての抵抗があるのかと推測していますが、命の大事に代えられないと思います。「備えあれば憂いなし」ご用命をお待ちしています。
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いでたち通信は点字に翻訳し、視覚障害者に配布されています。