1 |
一病息災とは言うけれど |
馬場威力 |
|
この世の中、年齢に関係なく、病気を患うと、それを契機にして健康にいっそう注意するために、別の病気にならずに済む。これが一病息災である。
ところがである。高齢者になると、あちこちガタガタになるものだ。
私の場合、14年前に狭心症を患ってからは、血管の病気にはずいぶんと注意してきたつもりだったけれど、2年前に脳へ行く血管がつまり始めた。脳卒中の予備軍になった。
それだけではなく、歳を取るにしたがって、足腰の痛み、聴力の低下、視力や皮膚の衰えなどとあちこちとガタガタになる。
特に、視覚障碍者の方に足腰の痛み、聴力の低下、皮膚の衰えなどが起こると、大変だ。整形外科へ、耳鼻咽喉科へ、皮膚科へと駆けつけるわけだが、お医者さんは、X線写真で説明はして下さっても、それは晴眼者用の説明に終始することになる。
昨年、ある全盲の方が整形外科に一ヶ月間入院された時、看護師さんからお礼を言われた。視覚障碍者のお世話をしたのは初めてで、良い勉強になりました、と。
|
2 |
厚揚げのそぼろ煮 |
畠山工 |
|
素材分量2人分、
厚揚げ1枚、牛ひき肉100グラム、干ししいたけ2枚、ねぎのみじん切り大さじ2、
しょうがのみじん切り小さじ1、にんにくのみじん切り小さじ2、酢小さじ1、
サラダ油小さじ2、しょうゆ大さじ1、オイスターソース小さじ2、酒大さじ1、
水溶き片栗粉大さじ2、砂糖小さじ半分、鶏ガラスープ適量、青ねぎ少々、
(1)厚揚げはさっとゆでて油抜きをしてから、一口大のそぎ切りにする。
(2)干ししいたけはもどして粗いみじん切りにし、青ねぎは斜め薄切りにする。
(3)鍋にサラダ油、にんにく、しいたけを入れて中火で香りが出るまでゆっくり炒める。しょうがとねぎを加えて炒め合わせ、ひき肉も加えてぽろぽろになるまで炒める。
(4)カップ1杯の湯、しょうゆ、オイスターソース、酒、砂糖、鶏ガラスープを加えて1分ほど煮る。
(5)厚揚げを加えて5分ほど煮て、酢を加える。片栗粉を加えて全体にとろみをつける。
(6)器に盛り、斜め薄切りにした青ねぎを散らす。
エネルギー316キロカロリー、塩分2グラム
|
3 |
一句拝見(いでたち4月いろは句会より) |
|
|
竹垣の根本顔出す蕗のとう 加藤孝二
病棟のナースコールや夜半の春 宗像 普
春光のゆらぎし川面鷺一羽 成田真啓
草むしり背筋を伸ばし空仰ぐ 斉藤準之助
妻旅行 テレビ相手に 花見酒 千葉 宰
朧夜の 谷間流るる 水の音 中里武子
|
4 |
「思いつくままの走り書き」(75) ━タクト━ |
中村斉 |
|
合唱は楽しい。大勢で声を合わせ、斉唱・輪唱そしてハーモニーを楽しむ。晴眼者は指揮者のタクトの動きを見つめて歌う。視覚障害者はタクトが見えないことが一つのバリア。私のリリスホールでのコーラスデビユーの曲目の中に、ドンと鳴った花火だ ・・・と歌い出す、おなじみの唱歌「花火」があった。この曲を歌い出す前に、花火が打ち上がる音を「ヒュー」と声で表現する楽しい演出だった。しかし、伴奏のないこの部分をタクトの見えない私が歌うのは重い課題だった。私は練習中から、耳を澄まして周囲の人の息遣いを感じとり、タイミングを測った。
突然話題が変わる。夏の水遊びグッズにビニールの蛙にパイプを付けて端のゴム玉のポンプを握ると空気が送られ、蛙の脚がのびて泳ぐ仕掛けになっているのがある。Yさんは音楽の授業で、その蛙をタクト代わりにして歌の指導を受けた思い出を話してくれた。これは効果的な方法だったようで、上手に合唱できるようになり、ハワイへ演奏旅行のご褒美までいただいたそうだ。蛙の合唱指導方は、多分当時話題になったと思われる。
さて、時代は21世紀の世の中である。09.3.25の朝日新聞に「八王子のF社・視覚障害者用指揮棒を開発中」の記事があった。F社は、指揮者が振るタクトの動きを電波に変えて送信する装置と、受診して振動に変換する装置を1セットと考えている。視覚障害者は、腕に巻いたベルト状の装置の振動で、指揮者の意図を感じ取ることになる。テストを重ねて来春には製品化を目標にしているという。ところでYさんは、1度だけテストに立合い装置にも触れてみたそうだ。「次回は、体験談が出来るようにバッチリ体験してきますね」と約束してくれた。楽しみである。
|
5 |
編集後記 |
井上進 |
|
ボランティア「いでたち」では、本年度新たに地震災害に備える「家具転倒防止」の作業を手掛けることにしました。プロでないメンバーですから完璧は無理ですが、「逃げる時間を稼ぐ」ための防止策はできます。手始めに栄区近隣の目の不自由な方のお宅を対象に実施していきたいと考えています。ご希望の方はお申し出で下さい。事前にお見積りし、安価でお引受けします。
|
|
いでたちトップページへ |
目次ページへ |