1 反省会 馬場威力
 私たちは今年度、横浜市内の北から南、西から東までの6小学校で福祉教育を実施した。その中の1校では、その希望によって、2つの追加教育に立ち会った。
 その時、私は6校、延べ8校の児童の皆さん方とお付き合いした。楽しかった、勉強できた、が、一つには視覚障害・下肢障害・脳性まひ(上肢・下肢・会話)の各種障害者の実態を、また一つには下ざさえしているボランティアのあり方を十分に理解してもらえたのか、となると疑問が残る。
 視覚障害者にしても、先天的な全盲の方と後天的な全盲の方とは、その人生観が大きく異なっていることの説明そのものが難しかった。十分な説明には時間が足りなかった。それらを痛感したのは私だけではなく、肝腎の児童、それを取り巻く先生方だったろう。
 また、ボランティアにしても、それがガイドヘルパーとしての方々は、その重要性をあまりお感じになられないように思われてならなかった。それは、何はさておいても障害者を守らなければならないと言う基本条件をご存じない、と言えば言い過ぎだろうか。

2 菜の花といかの辛子合え 畠山工
 素材分量4人分、
菜の花1束、いか1ぱい、練りからし小さじ2、
麺つゆ大さじ2杯半、サラダ油小さじ1、しょうゆ少々、塩少々、
(1)菜の花は、根元のかたい部分を切り落とし、塩少々を加えた熱湯でゆで、冷水にとり、水気をしぼる。
(2)菜の花を半分の長さに切って、しょうゆ少々をふりかけて下味をつける。
(3)いかは、皮をむいて熱湯でゆで、冷水にとって、水気を拭き取る。4センチ位の長さの細切りにする。
(4)ボウルに、大さじ2杯の水と残りの調味料を入れてよく混ぜる。菜の花といかを再度水気をきって加えて合える。
 エネルギー66キロカロリー、塩分1.5グラム

3 一句拝見(いでたち2月いろは句会より)  
紅梅も散りて去りし鳥は何        加藤孝二
春を待つベンチに寄り憩う老二人    成田真啓
近道の黄梅の庭を通り抜け        斉藤準之助
霧の朝噴火の灰らしここらまで      千葉 宰
鎌倉へ続くこの道蓬摘む           堀越愛子
ふっと息かければ咲きそう盆の梅    中里武子

「思いつくままの走り書き」(73)━軍国少年の願い━ 中村斉
 人間らしく暮らしたいと、タクシーに車椅子を積んで外出していた。すると、家計に占める交通費の比率はかなり高くなる。「どげんかせんとならむ」と想いを巡らし、路線バス利用することを思い立った。車椅子暮らしになって7年、同乗客に多大の迷惑がかかることばかりを思い一度も利用しなかった。でも「ゴメンナサイ」と心から謝し乗せてもらわなければいつまでたってもそれは実行できない。しかし、手順は如何。先ずは、妻に「路線バスに乗る」ことを宣言した。妻が、運転手さんに、車椅子で路線バスを利用する手順を訊ねたところ「すべてのバスが車椅子に対応出来るのではないので、事前に車庫に電話して調整するよう」に教えていただいた。
 2月某日。突然の春めいた陽気に外出を思い立ち、神奈川中央交通バスの本郷車庫に「○時××分Aバス停から車椅子で乗車したいが、その車輌は、車椅子対応か否か」と訊ねたところ案内嬢が調べてくれた後「そのバスは車椅子対応不可なり。次の△△分発では如何・・・と、いった具合に調整出来た。乗車はスムーズだったが、安全確保のため車椅子を固定するのに意外に時間を要し、発車が、定刻を5、6分過ぎてしまった。「発車が遅れてごめんなさい」と、ここは私の出番とばかりに、カミサンが満面に笑みをたたえて頭をさげてくれた。終点の港南台駅まで快適な初体験のバスの旅でありました。しかも料金はタクシーの障害者割引料金の10分の1。
 この日は桜木町まで足を伸ばし、にぎわい座で寄席の芸を楽しんだ。その上、元軍国少年の念願の広島慰霊の旅の資金、金1500円を豚の貯金箱に投入出来た。それからひと月の間にすでに4回路線バスを利用した。広島への旅は意外と早く実現しそうだ。

 編集後記                井上進
 皆さんはご存じのことですが、福祉教育の一つに「アイマスク体験」というのがあります。二人が対になって、一人が目隠しをして白杖を持ち、もう一人が誘導して歩行するというものです。この体験学習に疑問を投げかけている障害者の方がおられます。そのご意見の大要は以下の通りです。
 「実際の誘導は見えない恐怖を克服した人に行うわけですから、にわかに目隠しをして、恐怖を覚えている人を誘導しても、実際とかけ離れています。事実、視覚障害者を誘導してみて、想像していたより大変でなかったいう人が多いのです。今までのような誘導体験では、ただ大変さ、難しさを感じさせるだけのような気がします。むしろ、視覚障害者を誘導させてみて、誘導がそんなに難しくないことを、多くの人に知ってもらいたいと思います」
 このご意見に対し皆様はどう考えますか。
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いでたち通信は点字に翻訳し、視覚障害者に配布されています。