1  車いすと電動車いす(2)  馬場威力
 この地域に住む小学2年生のY君の行動手段は、車いすか車頼りである。もっとも、それは両親が面倒を見るわけで、それだけにお二人は忙しい毎日を送っている。
その忙しさの中で、子どもの将来を考えながらいろいろと勉強しているのがKさんである。
ある時、私の仲間で電動車いすを駆使して市内を活発に動き回っているNさんのことが話題になった。
10月も中旬、お天気に恵まれた日に、お二人での「おしゃべり」の場を設けた。そこで問題になったのは、頭脳明晰なNさんだけれど、なかなか「おしゃべり」ができない。で、KさんとNさんのおしゃべりを順調に進めるために、Nさんが通っている作業所の職員のTさんに「通訳」をお願いした……が、お二人の感性は鋭く、以下のテーマをさすがは女性、事もなげにこなされたのには驚いた。
「小学部、中学部、高等部での学校生活」「学校生活とリハビリ、リハビリの効果」「パソコン、インターネットの練習」「電動車いすの練習」「一人住まい、その生活実態」「多くの不便を抱えながら、懸命に社会活動をしている強い精神力」。

2 さけのホイル焼き 畠山工
 素材分量2人分、
生鮭2切れ、にんじん40グラム、ねぎ20グラム、しめじ30グラム、
すだち半分、塩小さじ半分、酒小さじ2、粗びき黒こしょう少々、
(1)鮭は両面に塩をふって30分位おき、水気を拭き取って、30センチ角位のアルミホイルの上にのせる。
(2)しめじは根元を切り落としてほぐし、にんじんは細切り、ねぎは斜め薄切りにする。
(3)すだちは三日月型に切って2つにする。
(4)アルミホイルに載せた鮭に、にんじん、ねぎ、しめじをのせる。酒とこしょうを振りかけて包み。
(5)オーブントースターで10分から15分蒸し焼きにする。
(6)器に盛り、すだちを添える
塩分1グラム、エネルギー130キロカロリー

3 一句拝見(いでたち11月いろは句会より)  
咲き残るコスモス園の日のやわく     加藤孝二
渋柿のなり放題の空家かな        成田真啓
秋深し閉店セールに人の群れ       宗像 普
月冴ゆる十日の菊を惜しむ路地      斉藤準之助
それぞれにこぶし広げて花八手      中里武子

思いつくままの走り書き (70) ―学校訪問― 中村斉
 12月1日、障害者週間のポスター掲示依頼と、障害者と共に生きる心を育てる指導をおねがいに区内の2校を訪問した。 両校の校長先生が部屋へ招きいれ、しばらく懇談の時間を割いてくださった。A校長先生は「実はごく最近、生徒が、特別支援学校の生徒をいじめている」と地域の方からご連絡をいただき当該の生徒を指導するとともに、朝会で全校に講話をしたのです。と率直に小さなトラブルの存在したことと、それに、どのように対応されたかを話してくださった。時を逃さぬご指導に感銘した。
 B校では、在学中の視覚障害の児童をめぐって周囲の子どもたちは一生懸命に支援しようとする姿勢が伺えるが、何をどう支援すればよいのか戸惑っているようなので、どなたかに「支援するポイントをご指導いただきたい」と積極的な姿勢。 同行していただいた「いでたち」の丸山氏などが実践されている「障害者理解の授業」について説明され、この授業も具体化される日も近いように思えた。
 小生も退職して17年、久しぶりに訪問した学校現場では校長先生を先頭に地域の方々とも連携して、障害を持った児童生徒と「共に育つ」体制が、ずっと進んでいることを知り小春日の陽だまり気分で帰路に付いた。

 編集後記                井上進
 先日、目の不自由な宮城さんと豊田小学校の福祉教育に行ってきました。当日は「視覚障害者と触れ合う」ということで、4年生66人を対象に宮城さんにお話をしていただきました。盲学校での体験、家事や子育ての工夫などを絵本や遊び道具を見せながらのお話でした。子どもたちは目を輝かせて聴き、質問も受けきれないほどでした。そのあと給食も共にしながら親睦を深め、帰る時には大勢の子どもたちが見送ってくれました。もっとも
嬉しかったのは、昨年同じ授業を受けた現5年生の3,4人が、「宮城さん」「いでたちの井上さん」と駆け寄ってきてくれたことでした。

いでたち通信は点字に翻訳し、視覚障害者に配布されています。