1 | 出会い | 馬場威力 |
夏休みの地元の小学校を訪ね、知的障害児の母子と一緒に校長先生とおしゃべりをしてきたところだ。その目的は、その子どもを、その学校のいろいろの行事に参加させたい、とのお願いを校長にするためだった。それは、子どもの成長の一助に、との母親の強い思いからだ。 その小学校2年の障害児に会ったのは、この猛暑の訪れる前の5月の末のことで、ある特別支援学校で行なわれた運動会が終わって帰る途中のバス停だった。母親と一緒の車椅子、バスに乗るのは大変……JR駅前から乗り、同じ団地内のバス停で降りた、その間の母親との会話は短いものだった。が、毎日の大変な生活ぶりの概要はつかめた、と思った。が、同じ町内にお住まいのことは分ったものの、肝腎のお名前を確認できなかった。 その後、ふとした機会にバス停へと急ぐその親子に再会出来た……バス停まで一緒に行き、バスに乗せる作業を手伝い、今回は住所とお名前とを確認できた。それは8月の上旬のべらぼうに暑い日だった。5月から8月、この間、ずいぶん多くの人々が、この親子の車いす姿を見たはずだ。が、それは目に映っただけで、声をかける人は居なかったようだ。 校長先生と担当の先生は快諾された。 |
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2 | なすとじゃこの炒め煮 | 畠山工 |
素材分量2人分、 なす2個、ちりめんじゃこ3分の1カップ、赤唐辛子1本、青じそ3枚、 ごま油大さじ2、酒大さじ1、しょうゆ大さじ1、みりん大さじ1、 (1)なすは、縦半分にして斜め薄切りにする。 (2)赤唐辛子は小口切りにし、青じそは粗みじん切りする。 (3)フライパンにごま油を熱し、なすをこんがり炒める。 (4)ちりめんじゃこ、赤唐辛子、調味料を加え、汁けがなくなるまで炒め煮にする。 (5)器に盛りつけ、粗みじん切りにした青じそを散らす。 エネルギー204キロカロリー、塩分2グラム |
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3 | 一句拝見(いでたち6月いろは句会より) | |
水音に豊かな響き田植とき 加藤孝二 雨蛙宵の畦道そこここに 成田真啓 梅雨に入る犬の散歩はかかされず 宗像普 枇杷の実の色づき待つや今日の庵 斉藤準之助 神宮の風に揺れいし花菖蒲 堀越愛子 枇杷の実の一つ転がる参道を 中里武子 |
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4 | 「思いつくままの走り書き」(67) ルネッサンス期のウイーンへご招待 | 中村斉 |
栄区視障協の月例会に、様々な方をお招きして講演や演奏をしていただく。6月には、横浜開港150周年に関連して「ペリー来航と横浜開港」の講演。7月には筑前琵琶橘会の琵琶奏者 田原順子さんによる「平家物語」から「敦盛」などの演奏に耳を肥やし、あの平家物語を今日に伝えるのに盲者が貢献したこともお互いに確認した。 先月は戸塚の高波さんファミリーの、のびのびと歌う民謡に手拍手を合わせた。会の内容や講師や演者のお名前を聞いて限られた方々ではあるが、毎回何人かの一般の方が参加してくださるのはうれしい。「やすらぎの会」様からは「内容がすばらしかったので、私達の会でも聴きたい。演者のご紹介をしてほしい」旨のご依頼もあった。 視覚障害者だけの狭い社会から、一般の方々との関係ができていくように思えて、会の目標の一つ「社会参加・社会貢献」への道が少しずつ拓けていくようだ。 9月17日(水)にはリコーダーアンサンブル"風"をお招きして、午前10時から栄公会堂1階リハーサル室でルネッサンスのウイーンの雰囲気のコンサートを楽しむ。ハートフルな1曲の歌唱指導もお願いしてある。ボランティア演奏をしていただくアンサンブル"風"のすばらしい演奏を楽しみに、定員まではご来場大歓迎である。 |
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5 | 編集後記 | 井上進 |
馬場さんは社会的弱者に対する世間の関心のなさを嘆いておられます。同感です。私たちの後を継ぐボランティアのなり手が最近ごく少ないですものね。でもそう捨てたものでないと思うこともあります。 先日、バスに乗っていたら、ある停留所で車椅子の方がバスに乗ろうとしていました。介助者は一人でした。乗せるために手伝おうと私が飛び降りると、なにも声をかけないのに続いて2,3人の人が降りてくれ、車椅子をバスに乗せることができました。そして駅のホームでのことです。電車に乗ろうとしている足の不自由な人を見かけ、手助けしてお乗せしたのですが、電車の中にいた若者がすぐ介助して優先席に案内する姿が見えました。若い人の中に、社会的弱者に対する温かい目を持った人が増えつつあると私は感じています。 |
いでたち通信は点字に翻訳し、視覚障害者に配布されています。 | |