1 触地図 馬場威力
 先日東京で行なわれた触地図、手で触って理解できる、主に視覚障碍者を対象にした地図、その作り方と使い方の講習会に参加した。
 参加者の大半は視覚障碍者だったのが印象的で、それだけに、皆さんはとても意欲的だった。是非作ってもらい、使って見たいものだ。そうすれば、日常の生活がとても便利になるはずだ、と。
 この数年、その作り方の進歩には、すさまじいものがある。
 一般的な地図、といえば国土地理院がある。が、そこではその知識と経験とから日本全国を細切れにした地図、それを触地図化することに成功した。また、それがいとも簡単に手持ちのパソコンでも出来るのだ。
 近くの駅から自宅までの、バス停から自宅までの、自宅から近くのスーパーまでの触地図があれば、皆さん、凄く便利になるでしょうね。一人でも歩けるようになります。
ただ、現状では一つの条件があります。それはいろいろの説明が点字、したがって、点字を理解していただかないと使い物になりません。

2 豚肉の豆板醤炒め  畠山工
 素材分量4人分、
豚肩ロース薄切り肉200グラム、にら2束、玉ねぎ半分、赤パプリカ半分、
豆板醤適量、鶏がらスープの元適量、砂糖小さじ1、塩少々、
酒大さじ1、片栗粉小さじ2、しょうゆ小さじ1杯半、サラダ油大さじ1、
(1)豚肉は一口大に切り、酒・片栗粉の順番でもみこむ。
(2)玉ねぎは5センチ位の厚さの薄切りにし、パプリカはタテに薄切りにする。
(3)にらは根もとの堅い部分を切り落とし、4センチ位の長さに切る。
(4)フライパンにサラダ油を熱し、豚肉を炒め、肉に火が通ったら、豆板醤と玉ねぎを加えて炒める。
(5)玉ねぎがシンナリしたら、カップ4分の1の水と調味料を入れ、にらとパプリカを加えてサッと炒め、塩で味をととのえる。
 塩分1.5グラム、エネルギー182カロリー

3 一句拝見(いでたち6月いろは句会より)  
捻り花小公園に今年また         加藤孝二
梅雨晴れ間南アルプス雲とれず     成田真啓
咲かんとすアマリリスとは艶めきぬ    宗像普
山の日を落ちるを待っ草を刈る      斉藤準之助
吊橋の揺れにあがなう青嵐        堀越愛子
紫陽花の小流れ沿いの山裾を      中里武子

「思いつくままの走り書き」(66) ・・タラ ・・レバ考 中村斉
  歴史上の事実と勝負事の結果を論じるのに「・・タラ ・・レバは無用」が定説。野球解説者のほとんどがそう言う。だが、言外にタラ レバがちらついて見える楽天野村監督の試合後のぼやきは示唆に富む。「マー君は、どうして変化球を投げなんだかな・・・」「変化球を投げとレバ、打たれなかっただろうに・・・」しかし、 タラ レバをQ&Aととらえて、想定問答を積み重ねることは災害に備える有効な方法ではないだろうか。大災害時に遭遇するだろう様々な「タラ」、つまり状況・条件を想定して、それなりの結論を出しておくことは、いざという時に、冷静な行動を引き出してくれるものと思う。 
 先日仙台を訪れた時、ガイドヘルパーをしているMさんと話し合う機会があった。仙台はこの度の地震では大きな被害は免れたものの何度か震度5程度は体験しているので、視覚障害者達の「・・・タラ」は極めて具体的で緊迫感がある。そこから話し合いを進めて得た結論をひとつだけ教えていただいた。「避難所に入ったら視覚障害者には壁寄りのスペースを与えてください。防災ネットワークのメンバーに徹底するようにお願いしてあります。」とMさんは言う。視覚障害者の心理として・・・などと理屈は述べまい。でも切実な願いだと、実感できる。長丁場になるだろう避難所暮らしで、自分はどこに居るのかを知ることは、心理的安定の大きなポイントだから。

 編集後記                井上進
 娘夫婦が私たち夫婦に「ケイタイ」をプレゼントしてくれました。手引書に従っていじってみて、電話が便利に使える以外の必要性はまずないと思いました。メールも家でのパソコン利用で十分ですし、インターネット検索も画面が小さいので上下左右にスクロールしないと全容が見えないので面白くないし、スケジュール管理も長年使い慣れている手帳の方が利便性に優れています。写真機もついていますが、専用機のほうがずっといい写真が撮れます。また計算機や万歩計としても使えますが、これも専用機の方が使いやすいのです。
 「ケイタイ」は忙しく飛びまわっている人が、いつでもどこでも使えるように、いろいろある専用機を持ち運びしやすいように、コンパクトにまとめたものですから、私のようにリタイヤした者にはその必要性はまずないのです。やはり娘たちに「ケイタイ」はいらないと言うべきだったと後悔しています。

いでたち通信は点字に翻訳し、視覚障害者に配布されています。