1 右か左か(2) 馬場威力
 以前、東京周辺の関東では、エスカレーターでは左側に人が乗り、右側は空けておき、急ぐ人が通るものだ、と書いた。その時に調べた限りでは、関西では逆に右側に人が乗り、左側は空けておき、急ぐ人が通るものだった。
 この度、京都を歩いてみて気がついた。左側を空けるのか、右側をあけるのかは、必ずしも決まってはいないようだ。京都駅にしても、デパートなどにしても両方が混在しているのだ。それは、或る集団が右側に乗ると、左側が空き、左側に乗ると、右側が空く。
 もっとも、私たちが行ったところは、観光客が多いところだったから、土地の人々の習慣よりも、訪問者が持ち込んだ習慣が、このような差を生んだのかもしれない。が、エスカレーターだけではなく、一般的に階段や歩道なども左側なら左側、右側なら右側を通行できるようにしておいたほうが、障碍者、特に視覚障碍者には安心して歩けるものと思うけれど、どうだろうか。

2 冬瓜のしょうが煮  畠山工
 素材分量2人分、
冬瓜80グラム、しょうが半片、鶏ささ身1本、プチトマト4個、
酒小さじ2、しょうゆ大さじ1、塩少々、だし汁カップ1杯半、
(1)冬瓜はわたを取り除き、皮を薄く剥いて、薄切りにする。
(2)ささ身は、筋を取り除き、削ぎ切りにする。
(3)しょうがは細切りりにする。トマトはヘタを取り除く。
(4)鍋にだし汁を煮立て、冬瓜、ささ身、しょうが、酒を入れてふたをして熱する。
(5)沸騰したら弱火にして15分位煮て、トマト、塩、しょうゆを加え、ひと煮立ちさせる。
 エネルギー45キロカロリー、塩分0.8グラム

3 一句拝見(いでたち6月いろは句会より)  
銅像を囲みて咲けり額の花         加藤孝二
虚子の句碑立つ万緑の山の湯に     成田真啓
父の日や銘酒を提げて吾子の来し    宗像普
桐の花緑の山の旅路かな         斉藤準之助
薔薇一輪老いの暮らしを潤いぬ      堀越愛子
この谷戸に残る畑や茄子の花       中里武子

思いつくままの走り書き(65)  連続テレビ小説「瞳」 中村斉
 電線は りすの恋路よ 梅雨晴れ間
ちょっとだけお気に入りの拙作。束の間の梅雨の晴れ間に散歩に出たところ、台湾リスが電線を伝って道路を横断する場面に出会った。同行者の説明に状況が見え、一つのストーリーをイメージして一句にまとめた。 多弁は無用だが、適当量の説明の言葉は、視覚障害者には千金の値。
 NHK の朝の連続テレビ小説「瞳」の作者鈴木聡氏が、大学時代の放送研究会の仲間夫婦のご長男とあって、物語の面白さやお馴染みの出演者にも引かれて見つづけている。ステレオ放送用の副音声の電波に乗せてナレーションとは別の+αの解説が放送されるのが嬉しい。場面の転換や画面上の人物の名前、視線などの説明があるので視覚障害者にも状況が良く飲み込める。「橋の上を走る瞳達」と説明がなければ街の雑音だけを聞くことになる。次回「瞳」や4チャンネルの「アンパンマン」をご覧になるときには、副音声を聞きながら目をつむって視覚障害者の疑似体験をしていただくとヘルプのツボを掴んでいただけるかも知れない。副音声付の番組は未だ少ないが、映画の音声ガイドつきの上映会は各地で盛んに行なわれている。川崎市には音声ガイドと聴覚障害者のために字幕挿入できるバリアフリー専門のミニシアターも出来た。テレビも映画も新時代を迎える兆を感じる。

 編集後記                井上進
 栄区ボランティア「いでたち」では、高齢者や障害者を対象に従来から行ってきた植木の剪定や草取りなどの庭の手入れのほかに、ちょつと手伝って欲しいことや困っていることを幅広くお引き受けすることにしました。
 襖・障子・網戸の張替え、家具の移動、不用品の整理、火災報知器の取り付け、それに家の小修繕たとえば屋根の雨樋・ガレージの補修、水道パッキンの取替え、電球交換などです。相談窓口は栄区社会福祉協議会ボランティアセンター(894-8521)です。気軽にお電話ください。

いでたち通信は点字に翻訳し、視覚障害者に配布されています。