1 卒業式 馬場威力
 隣の区にある特別支援学校の高等部が12日、中学部と小学部が19日にそれぞれ卒業式を行なったので、参加してみた。高等部では男子9名、女子5名、中学部では男子10名、女子5名、小学部では男子14名、女子4名が卒業し、高等部の14名は社会へ巣立ち、中学部は高等部へ、小学部は中学部へそれぞれ進学する。
 式は、国歌から始まり、卒業証書授与……一人ひとり校長先生から激励の言葉と一緒に手にしたが、普段私たちがお付き合いしている生徒、児童との姿とは異なり、それぞれすごく緊張していたように思われた。校長先生の2分以内のお祝いと激励の言葉。楽しかった学校生活の思い出は、人数も少ないこともあって、一人ひとりのスライドで紹介……写真が変わるたびに歓声が上がる。校歌で式は無事に終わる。
 高等部を卒業した14名、そこにはどのような受け入れ社会があるのだろうか。あの子たちの末永いお幸せを祈る気持ちで一杯だ。

2 豚肉と厚揚げの炒め物 畠山工
 素材分量2人分、
薄切り豚肉100グラム、厚揚げ半枚、チンゲン菜1株、ねぎ5センチ、
しょうが半片、にんにく半片、サラダ油大さじ半分、ごま油小さじ半分、
しょうゆ小さじ2、みりん大さじ半分、甜麺醤大さじ1、
(1)豚肉は一口大に切る。チンゲン菜は3センチの長さに切る。
(2)ねぎ、しょうが、にんにくはみじん切りにする。
(3)厚揚げは油抜きして横半分に切り、さらに1センチの厚さに切る。
(4)しょうゆ、みりん、甜麺醤を混ぜ、合わせ調味料を作る。
(5)フライパンにサラダ油を熱し、みじん切りにしたねぎ、しょうが、にんにくを炒め、香りが出てきたら、豚肉を入れて炒める。
(6)豚肉に中程火が通ったら、厚揚げ、チンゲン菜を加えて炒め、合わせ調味料を加えて炒め合わせる。最後にごま油で香りをつけて仕上げる。
 エネルギー285キロカロリー、塩分1.6グラム、

3 一句拝見(いでたち3月いろは句会より)  
水ぬるむいたち川面に鯉の群       加藤孝二
雛あられデパ地下廻り買ふてみし    成田真啓
れんぎょうも咲きそびれてもどり寒    宗像普
蕗のとう早や笑みており山の裾      斉藤準之助
加湿器の水切れており日向ぼこ     千葉宰
メトロ出て宵の銀座の春の月       中里武子

「思いつくままの走り書き」(61)能を鑑賞する  中村斉
 春分の日に、紅葉坂の横浜能楽堂でバリアフリー能が開催されると聞いて出かけた。折悪しく、当日は前夜からの風雨が残り体感気温も低く、はたしてどれくらいの参加者があるかと思ったが、ほぼ満席の盛況であった。バリアを取り除くために様々な配慮がされていた。先ず、能舞台の説明と上演の大蔵流狂言「ちどり」と金春流(こんぱるりゅう)能「黒塚」の解説があり、これには手話通訳が付いた。「黒塚」の全文を大きな文字でパンフレットに掲載。また、イヤホーンガイドが用意されていた。イヤホーンを通して難解部分の口語訳と所作の意味の説明と動作の説明をタイミング良くまた適当量伝えてくれた。過剰な解説は無用だが、今回は適量だったと思う。私的にはシテ(主役)の老女と鬼女の面(おもて)のイメージの把握が困難であった。能の基礎知識の不足がバリアだったなと思った次第である。久し振りに古いテープを引っ張り出して「橋弁慶」でも謡ってみようと思う。日本の古典芸能がバリアフリーに配慮して一流の演者によって上演されるのは大歓迎だ。何回か鑑賞を重ねて自分の中のバリアを取り除く必要があると感じた。鑑賞料本人3500円〜介助者無料 希望者は身障手帳提示でイヤホーンガイドを借用出来る。

 編集後記                井上進
 前号と前々号で食べ物の話を書きました。そのことで、あるいは昔の食べ物のほうがおいしかったという印象を持たれた方もおられると思いますが、それは全く違います。また終戦前後の話になりますが、米が不足してさつま芋、カボチャ、じゃが芋を主食代わりにしていましたが、まずい味でした。水っぽくて甘くなくて。じゃが芋は「えぐい」のですよ。今の人は「えぐい」という味を知らないでしょう。説明のしようもないのですけど。品種を改良し、量より質を大事にしている近年の食材のほうがはるかにおいしいし、種類も多く、ぜいたくです。そして今、飽食の時代といわれています。
 しかし、日本の食糧自給率は39%です。輸入に頼って、飽食のできる時代がいつまでつづけられるのでしょう。将来が心配です。

いでたち通信は点字に翻訳し、視覚障害者に配布されています。