1 卒業寸前の児童たち(1) 馬場威力
 月に一回か二回、特別支援学校の子どもたちの校外活動に参加してきた。今回、2月も下旬の寒い日、6年生の児童5人、先生3人、私と高校生の2人のサポーターで藤沢市立湘南台文化会館を訪問した。
 行く時は5人の子どもたち全員が市営バスと地下鉄を利用した。切符を買い、バス、電車に乗り、また湘南台ではエスカレーターに乗り、また広い文化会館内を所狭しと元気に走りまわった。昼食は、近くの3軒のレストランに分かれて楽しく、が、とても静かに会食した。帰途は、スクールバスを利用したのだが、遊びつかれたのか、とても静かだった。
 今まで同じような校外活動に何回か参加したのだけれど、今回ほど整然と切符を買い、乗り物に乗り、エスカレーターを利用し、食事を楽しむ……ずいぶんと成長したものだ、と先生方のご苦労が偲ばれる。
 その子たち、3月には小学部を卒業し、中学部へと進学する。横浜市民の皆さんが温かい、優しい気持ちであの子達の将来を見守っていただけるように、と心から願っている。

2 菜の花といかのからしあえ   畠山工
 素材分量2人分、
菜の花半束、いかの胴半分、麺ツユ大さじ1、
しょうゆ少々、練りからし小さじ1、サラダ油適量、塩適量、
(1)菜の花は根元のかたい部分を切り落とし、塩少々を加えた熱湯でゆでる。
(2)冷水にとり、ザルに上げて水気をしぼり、半分の長さに切って、しょうゆ少々をふりかけて下味をつける。
(3)いかは皮をむいて熱湯でゆで、冷水にとる。布巾などで水気をよく拭き取り、4から5センチ長さの細切りにする。
(4)ボウルに水大さじ1と麺つゆ、塩、練りからし、サラダ油を入れて混ぜ、調味液を作る。
(5)菜の花を軽く絞っていかと調味液に加え、よく混ぜ合わせて器に盛る。
 エネルギー66キロカロリー、塩分1.5グラム

3 一句拝見(いでたち2月いろは句会より)  
拍子木の今宵も響く寒の空     加藤孝二
寒ぶりの照り焼き一品夕餉かな   成田真啓
音もなく振り来る小雨春隣り     宗像普
ふきのとう摘みつつ畦を帰りきし  斉藤準之助
冠木門屋根にかたむき梅紅し    中里武子

「思いつくままの走り書き」(59) 歩行訓練 中村斉
 方向感覚や距離感は視覚と密接に関わり合う。時折ごろりと横たわって眠ってしまうことがある。布団なら、おとなしく眠り、エリアをはずれることはまず無いが、畳の上だと、結構寝相が悪いので目覚めた瞬間、方向感覚を失い、四畳半の部屋でさえ迷子になり「盲」の悲しさを知らされることがある。
 最近、歩行訓練を行なっている。わずか30メートル程度の歩行だが、両手は歩行器を握っているので白杖は使えずまた手探りも出来ない。一歩が15センチの超低速歩行だが方角が定まらない。壁から一定の距離を保って進んだり、ドアを通過するのはなかなかに難しい課題だ。幸い残された光覚という視力で天井の灯火を頼りに、PTの「右へ」「左へ」の声の誘導で進む。日常立位はほとんどとらないし、この訓練はかなりハードながら、脳神経細胞のトレーニングにもなると考え励んでいる。左目に僅かに光覚が残存していることに感謝し、ピテカントロプス エレクトスのDNAは、自分の脚で歩いた疲労を満足と感じている。
 
花粉症                    健康歳時記より
 花粉症とはスギやヒノキなどに代表される花粉が、鼻の粘膜や目の粘膜に吸入・吸着することにより起こるアレルギー様の症状で、スギ花粉が飛散し始める2月〜5月にかけて症状が起こります。
 近年、食生活や住環境の変化によりアレルギー体質の人が増加していることや、大気汚染などさまざまな要因から花粉症で悩まされている人は増えていると言われています。
 花粉症の人も、まだそうでない人も、マスクを着用することで、吸い込む花粉量をおよそ3分の1から6分の1に減らすことができ、メガネは、目に入る花粉を2分の1から3分の1まで減らすことができるので、鼻や目の症状を軽減させる効果が期待できます。
 洋服の服地は花粉がついてしまうので、外出時には毛織物による上着やコートは避け、表面がすべすべした綿か、ポリエステルなどの化学繊維のものを選びましょう。
 鼻孔に塗るクリームは薬効成分が入っていません。そのため、花粉症自体を治す効果はありませんが、花粉が粘膜に付く前に、クリームでブロックするので効果はあると考えられます。
 通常のうがいと鼻うがいは、粘膜の花粉を洗い流すので効果的です。外出から帰ってきたら、うがいするように心がけましょう。

編集後記 井上進
 早春。心の華やぐ季節ですね。夜明けが早くなり、枯れ木のように見えていた木々が赤く色づき始め、梅、モクレン、コブシそして桜の開花、新緑へとつながっていきます。畠山さんからいただいた「菜の花といかのからしあえ」のレシピ、早春にふさわしい一品です。
 この時期、私の食べたいものは、茗荷の新芽の味噌汁、芹のおしたし、それに山うどの酢の物です。何れも採れたてで、茗荷は露地もの、芹と山うどは野生のものに限ります。旬の香りを楽しむものですが、今はこの辺では食べられなくなりました。昔田舎に住んでいて、貧しい生活でしたが、豊かな旬の味だけは楽しめたような気がします。

いでたち通信は点字に翻訳し、視覚障害者に配布されています。