1 ブラインドサッカー 馬場威力
 ブラインドピンポンの試合を、ライトセンターで見学したことがあった。ボールの転がる音で、そのボールの位置や進行方向が分かり、とても上手にボールを相手に返していた。
 NHKのテレビで紹介していた大阪のブラインドサッカーチームの練習や試合の実体を見て驚いた。まず、ブラインドサッカーの選手は全盲の人が4人、晴眼者が監督、ゴールキーパーとコーラーの3人の合計7人だ。コーラーは相手側のゴールのすぐ後ろに居て、ボールの現在の位置、距離と方角とを選手に大きな声で伝える重要なポジションだ。鈴が入っていて、グランド上を転がるボールはその位置はわかる。驚いたのは、相手の選手がボールを取り、音が聞こえない時の、ボールの位置とその次にどちらの方へボールが転がるのかを、判断することだ。
 来年の北京パラリンピック、日本チームもアジア予選で勝ち残れれば、出場できる。

2 鶏肉のレンジ蒸し 畠山工
 素材分量2人分、
鶏もも肉1枚、ねぎ半分、しょうが1片、紹興酒大さじ1、
砂糖小さじ半分、塩少々、しょうゆ大さじ1、青ねぎ1本
(1)鶏肉は筋を切り、フォークを数カ所突き刺して穴をあけ、味のしみこみをよくする。
(2)鶏肉に砂糖と塩を全体にすりこみ、耐熱皿にのせる。
(3)ねぎは粗みじん切りにし、しょうがはみじん切りにして鶏肉にのせる。
(4)しょうゆと紹興酒をまわしかけ、ラップをして電子レンジで6から8分位加熱する。
(5)ラップをとって粗熱をとり、鶏肉を食べやすい大きさに切り、器に盛りつける。
(6)青ねぎを小口切りにして散らし、蒸し汁をかける。
 エネルギー225キロカロリー、塩分2グラム

3 一句拝見(いでたち8月いろは句会より)  
石畳もがく落蝉見つめる子     加藤孝二
雲の峰真白きことしろきこと     成田真啓
夏木立賽銭ことり地蔵尊      宗像普
庭掃除背に蝉声のけたたまし   斉藤準之助
週末の裏山静か夏休み       千葉宰
棚経や僧のうしろに遺児を抱き   中里武子

 思いつくままの走り書き」(50)  しゃっきりせい 中村斉
 心身ともにいささかスランプ。十代の頃のように、行く秋にメランコリックになっているのでもなく、自分に課した課題があまりに大きすぎるせいかなと思ってはいるのだが・・・。少し前に日本のことわざ事典を読んだ。「めくら蛇におじず 」の解説に心を突かれた。−問題・課題の全貌を捉えていない者は安易に考えるものだ−が、表の意味で、実は盲人の蛮勇を笑い、かつ揶揄している。江戸時代の盲人は幕府の保護政策により階級をあたえられ、庇護されてはいたが地位の悪用や、所業から揶揄されても致し方ない状況であったことも忘れてはならない。
 直木賞作家山本一力(やまもと いちりき)氏の諸作にも盲人が登場するが、ヒール的に描かれているのが私には痛い。今は平成の世の中で、江戸の昔とは違う。とはいえ、視覚障害者の願いや行動を世間はどのように見ているのだろうかとふと思う。小さな団体とはいえ、会長を補佐しながら会の牽引力となる立場にある者として 報道に耳を傾けることが多い。会則に従い、決定した年間のスケジュールをこなしていくだけで果たしてよいのだろうかと苦悩する。
 このたび、横浜市視覚障害者福祉協会は法人化を目指すと言う。会報にも「法人とは何か」の研修会の予告があった。けっして小さな課題ではないが、当面この問題に取り組むことが大切だと私は思う。私達の願いや考えを市・国のレベルに持ち上げるためには、浜視協を経由することになるからだ。自分の課題の焦点を決めれば人間「しゃっきり」出来るだろうと今は思っている。

口臭                      健康歳時記より
 口臭の85〜90%の原因は口腔内にあり、鼻咽喉疾患や消化器疾患が原因のケースはほんのわずかです。では口腔内のどこに臭いの発生源があるのかと言えば、そのほとんどが一般的に信じられてきた歯垢や歯石ではなく、舌苔であることがわかっています。なんと口腔内でおこる口臭の約80%が舌苔から発生しています。
 舌苔とは舌表面の糸状乳頭と言う上皮組織が毛のように伸び、そこに口腔内の老朽化した細胞や食べかすが溜まり細菌が繁殖して白っぽく苔が生えたように見えるものです。この舌苔が細菌によって分解され、悪臭の元となるメチルメルカプタン(揮発性物質)などを発生させます。舌苔は粘着質なので、水ですすいだくらいでは取れないため、ほとんどの人の舌に見られます。舌苔の量には個人差があり、量の多さは口臭の強さに比例します。
 
福祉教育(白杖とパソコン) 庄戸中学校2年 工藤 正尭
  わざわざぼくたちのために、学校まで来ていただきありがとうございました。
 ぼくは、今回盲目の体験をしたり、説明を聞いたりして改めて視覚障害を持つ人は大変だろう、と思いました。実際にアイマスクをつけて盲目と同じような状態になると、どこになにがあって、どこで曲がるのかなどのことがまったく分らなくなってしまいました。それに、階段だけでなく、ふだん何気なくまたいでいる小さな段差でも、つまずいてしまうこともありました。障害を持つ人は本当に大変だろうし、もし自分がそうなったら、たえられないだろうと思いました。
 でも、最近はいろいろと新技術が開発されたりして障害をもつ人にとっても、少しずつ便利になっているということも分りました。
 これからは、点字ブロック上に立ち止まったり、物を置いたりしないように気をつけて、何かが置いてあったりしたら、どかせるものならどかして、そうでなければ持ち主の人に注意したいし、また、どこかで、困っている視覚障害者の人が、いたら自分からその人に話しかけられるようにしたいです。
 今日は、新しいことをたくさん経験できました。

編集後記 井上進
 140号から5回にわたって庄戸中学生の感想文を掲載させていただきました。これらはいずれも昨年秋に行われた福祉教育に参加された方々のもので、学校側のご協力と馬場さんの熱意により実現しました。ご投稿に感謝します。
 これからも次代を担う若い人たちの「人に優しい思いやりの心」を育むために、機会を与えてもらい、小中学校で行われる福祉教育のお手伝いの役を務めさせていただこうとねがっています。

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いでたち通信は点字に翻訳し、視覚障害者に配布されています。