1 歌詞の読み方(1) 馬場威力
 ある全盲の方から賛美歌を英語で歌いたいから、点字で書いてくれないか、と頼まれた。なんとかなるだろう、と安易に引き受けた。
 まず、英語を日本語のカタカナ読みにしてみた。ところが、当然のことだが、とても難しい。英語と日本語の発音は根本的に違うからだ。
 日本語をかな点字にすると、あいうえお の他に、きっと のような促音、へー のような長音、わかんない のような撥音、きょう のような拗音、おばーさん のような濁音、ぱん のような半濁音、またそれらが合成されたものなどがある。
 ところが、外国語の場合、当然のことだけれど、沢山の日本語にはない特殊音がある。表面的には5文字しかない母音にしても発音となると、いくつあるのだろうか。これは難しいぞ、と考えなおした。

2 にがうりと豚肉の卵炒め  畠山工
 素材分量2人分、
にがうり1本、薄切り豚バラ肉100グラム、木綿豆腐半丁、卵1個、
にんにくのみじん切り小さじ1、しょうゆ小さじ1、酒小さじ2、ごま油大さじ半分、
塩適量、こしょう適量、
(1)豆腐は重石をして水気を切り、2センチ位の角に切り、電子レンジで約3分間加熱してざるにあげておく。
(2)にがうりは縦半分に割り、種とわたを取り除き、斜め薄切りにして塩少々をまぶして5分位おき、水で洗い流し、水気を切っておく。
(3)豚バラ肉は幅2センチに切る。卵は割りほぐしておく。
(4)中華鍋にごま油を中火で熱し、豚肉を入れてゆっくり炒める。にんにくのみじん切り、塩、こしょうを加えて炒め、火を強めてにがうりを入れて炒める。
(5)にがうりに脂がまわったら豆腐を加えてくずしながら炒め合わせる。酒、しょうゆ、塩、こしょうをふり入れて味を調える。
(6)最後に溶き卵を流し入れ、ざっと混ぜて器に盛る。
エネルギー267キロカロリー、塩分1グラム

3 一句拝見(いでたち6月いろは句会より)   
若葉風回覧持って一輪車    加藤孝二
武蔵野の大丸山は若葉風    成田真啓
房総のかすむ山々海は夏    宗像普
裏山へ路を覆いて栗の花    斉藤準之助
句に読めぬ夜景函館山涼し   千葉宰
楚々として都忘れは庭隅に   中里武子

「思いつくままの走り書き」(47)エレベーターの中で  中村斉
 ほとんどの駅にエレベーターが設置された。ターンやバックをしなくても、バギーや車椅子で利用しやすいように、乗り込んだ方向に進めば降りられる通り抜け式だ。ところで、デパートではエレベーターに乗った人は、ぐるっと回って出入り口に向き直るのが一般的。先日降りる階を決めぬまま、とりあえず乗ってしまい、各階ごとに一度降りてまた乗る不始末をしてしまった。申し訳ないので「車椅子トイレを探しているのです」と正直に説明したところ、乗り合わせた方々が「B1・5・6・7・8階」と教えてくださる。ぐるっと回ると見える案内板をご覧になってのコーラスの様な答に皆さんの親切を肌で感じた。先ずは、事前に確認しなかったのをお詫びしなければならないのだが、皆さんには、車椅子で利用できるトイレの少なさを知っていただけたかなと、自分の非を棚に上げて、思う勝手な私でありました。
 この日B1に行列の出きる今川焼のお店「御座候」(ござそうろう)を発見したのはもう一つの収穫にてそうろう。

夏ばて                         健康歳時記より
 夏ばてとは、夏の暑さに体が適応できなくなり、疲労倦怠感、食欲不振、無気力感などの症状が現れた状態で、夏の暑い折りに無理をしたため、夏の終わり頃になって疲れが出て体調が崩れた状態を言います。
 夏ばての症状として、思考力の低下、朝起きるのがつらい、食欲がない、全身の疲れがとれない、日中早くから疲れがでる、下痢や便秘症状が続くなど、夏ばては、その症状によって、「ウトウト型」「食欲不振型」「冷え性型」「肌のトラブル型」の4タイプに分けられます。夏ばてにも、さまざまな症状がありますので、自分の型に合ったタイプを知ることが大事です。疲れを夏に残さないように心がけましょう。
 
福祉教育体験(白杖とパソコン) 庄戸中学校 2年 内田水輝
 いでたちの皆様、今日はいろいろなことを学ぶことが出来、有難うございました。
 まず、私にとって一番印象に残ったことは「視覚障害者は、目が悪いのではなく目が不自由だ」ということです。不自由ということは、とても大変だということも知りました。私は今まで、何人の視覚障害者の方に出会って来たでしょう。きっと、私が気がついていないだけなのだと思います。もっと注意していれば、いろいろな手助けが出来たはずです。
 今、栄区には、約200人の視覚障害者の方がいるそうです。
 私は、自分の出来ることをやっていこうと思います。自分の出来ないことを無理にやるのではなく、出来ることから始める、というのが大切だと思います。最初から無理なことをやったら、すぐ嫌になってしまいます。でも、出来ることからやっていけば、始めは無理だと思っていたことにも、取り組む勇気が出て来ます。そんな勇気をふりしぼれば、きっと立派な手助けが出来るのです。
 私は、今日みなさんから教わったことを無駄にせず、社会に、そしてこれから歩んでいく未来に、役立てていこうと思います。
 今日は貴重なお話を聞かせて下さったり、普段できないような体験をさせていただき、本当にありがとうございました。私にとって、大切でそして貴重な一日となりました。

編集後記 井上進
 靖国神社の遊就館を見てきました。展示されているのは日清、日露戦争を経て大東亜戦争に至る日本の「武」の歴史で、収蔵品は10万点に及ぶといいます。「我が国は自存自衛のため、皮膚の色に関係のない自由と平等の世界を作るため、避け得なかった多くの戦いがありました」という歴史観は、中国などが「歴史のわい曲」と非難した扶桑社の「新しい日本の歴史」と同じです。ここは国のために犠牲となった方々の遺徳を偲び、その鎮魂の場ですからこういった論調になるのでしょう。
 昨近、改憲論が云々されるようになってきました。その中心は第9条です。「戦争放棄」と「戦力の不保持」を規定しながら、軍隊を持っている現状から改憲論が出てくるのだと思います。しかし、賛否いずれにしても「永久平和主義」だけは貫いて欲しい。遊就館を見てそう強く感じました。

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いでたち通信は点字に翻訳し、視覚障害者に配布されています。