1 ガイドの盲点 馬場威力
 私にはよくお付き合いをしてきた視覚障碍者のAさんがおられる。また、晴眼者のBさんもいらっしゃる。先日、Aさんに「明日お会いするBさんにこの本をお渡しして下さい」とお願いし「忘れないようにパソコンの隣においておきますよ」と一冊の文庫本を手渡した。
 ところが、その翌日、Bさんから「Aさんが持って来られるのを忘れてしまった」とのご連絡。そうだ。私たち晴眼者の考え方では、いちばん見易い、見える所へおいて置けば、たとえ忘れても、出かける前に思い出すだろう。この点が、私の晴眼者としての思い違いだったのだ。当日の朝にでも「Aさん、お願いした本はパソコンの所におきましたから」と電話するくらいの親切心が必要なことに気がついた。

2 いかといんげんのバター炒め 畠山工
 素材分量2人分、
するめいか1ぱい、さやいんげん100グラム、赤ピーマン1個、バター大さじ1、
しょうゆ大さじ1、みりん大さじ1、こしょう少々、塩少々、
(1)いかは足を抜いて軟骨を取り除き、皮をむく。よく洗って水気を拭き取り1センチ幅の輪切りにする。足とえんぺらは食べやすい大きさに切る。
(2)さやいんげんは筋を取り、4センチから5センチの長さに切り、ピーマンは細切りにする。
(3)さやいんげんとピーマンは塩少々を加えた熱湯で、さっとゆでておく。
(4)フライパンにバターを熱し、いかを中火でさっと炒め、ほぼ火が通ったら、野菜と調味料を加え、炒め合わせる。
 エネルギー195キロカロリー、塩分2.3グラム

3 一句拝見(いでたち5月いろは句会より)   
枯れ薄根本に新芽萌えており      こうじ
夏に入る堰音たかし畦の道       まさひろ
春眠の手足伸ばして深眠り        ひろし
新茶摘む空晴れ晴れと深々と      じゅんのすけ
五月雨なすところなく眺めおり      おさむ
頭亡き二つの地蔵母子草         たけこ

「思いつくままの走り書き」 (42) 気配り 中村斉
 3年後の2010年を見据えた福祉のまちづくりの行動指針は「さあ、行動しよう!福祉のまちづくり」と力強い。3月に発行された行動の具体的な展開を記した冊子には、一般市民や法人がどのように取り組めば良いかを述べているが、障害当事者はどのように参加をするかは示されてはいない。
 私は様々なバリアを取り除くためには、高齢者や障害者自身の発言も重要だと考える。 日常感じている不自由さを受けとめてもらうには、礼儀と感謝を忘れず、発言の場や機会をわきまえることも必要だ。しかし、訴えることを恥ずかしがったり、我慢したりしては、自分の望む様々な条件を整えることは出来ない。昔は「果報は寝て待て」的な考え方が優先した。でも、今は違う。「幸せは歩いてこない だから歩いて行くのです。ご一緒に行きましょう。

水虫の要因と対策                          健康歳時記より
 汗ばむ季節になると、そろそろ水虫が気になります。日本人の4人に1人は水虫に悩んでいると言われていますが、最近では特に女性の感染者も多くなってきています。
 水虫は家庭内や素足で歩く場所などで感染する割合が非常に高いのも特徴です。かゆみがあり、皮がやたら剥けているなどの症状が出たら要注意です。
 水虫(たむし)の正体は、「白癬菌」という、かびの一種で、皮膚の一番外側の角質層に寄生しています。冬場のように、低温で乾燥している季節では、水虫はなりをひそめていますが、春先から夏場にかけて高温でジメジメしてくると、増殖して患部を悪化させます。
この白癬が足に発症した場合を水虫と呼んでいます。
 白癬菌は汚れを好み、温度15度以上、湿度70%以上になると暴れ出すと言われています。普段から、患部の冷涼と乾燥・清潔を心がけましょう。
 
私の点字で知っていること 中下のりこ
 シャルル・バルビエの点字は、12点で欠点も多かった。それを改良したのが、ルイ・ブライユ1825年に6点点字を完成しましたが、すぐには認められず死後2年経ってフランス政府に公認されました。
 一方、日本では東京盲唖学校の教員であった石川倉次が考案した6点点字の配列が1890年、11月1日に採用されました。以後11月1日は「点字記念日」となっています。
1966年には「日本点字委員会」が発足し、よりよい点字の研究が続けられています。又1926年に選挙投票点字が認められました。

福祉教育を受けて −かな点字と白杖− 桜井小5年 上野畑梨紗
 1月18日に来てくださってありがとうございました。
 わたしは、バリアフリーの調査でいろいろなことを学びました。港南台に行った時、わたしが、知らないところで点字などがつかわれていました。車いすの人が便利に使えるように坂にしたりして、いろいろと工夫してありました。
 誘導体験や白杖体験の時は、ちょっときんちょうしました。初めはわたしが、誘導する番でした。友達を誘導するのはむずかしく、とくに階段の終わりに声をかけるのがむずかしく、そのタイミングが必要です。こんどは、わたしが白杖を持って歩く番です。目かくしをすると、1人ぼっちな感じでした。宮城さんの気持ちが、わかります。
 井上さんと宮城さんと点字体験をした時は、さいしょはむずかしそうにみえました。けどやって見たらとてもかんたんでおもしろかったです。
 前は不自由な人やおとしよりの人を助ける気持ちは少しありました。けどなぜか声がかけにくいので声がでませんでした。これからは少しでも声をかけられるようにしたいです。

編集後記 井上進
 前号で点字の起源に触れましたが、中下さんから関連のご投稿を頂きました。先人の並々ならぬ努力で生まれたのが、現在の点字なのですね。近年、パソコンやデージー録音、SPコードなどの音声機器が発達し、その利用が増えてきました。視覚障害者の選択肢が増え好ましいことですが、一方で点字文化の衰退につながるようで寂しい気もします。
 以前福祉学習をさせていただいたときの上野畑さんの感想文を受取りました。このような感想をもらえると私たちの活動の励みになります。そして「目かくしをすると、一人ぼっちな感じでした」とあって、上野畑さんの感性の豊かさも感じとれました。

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いでたち通信は点字に翻訳し、視覚障害者に配布されています。