1 心配な老後 馬場威力
 古希を越えてからの感覚能力の衰えは、驚くほどの速さで進行し、私を悩ましている。例えば、聴力だ。毎年の聴力検査では、その低下量を具体的に示してくれる。
 先日、『そっと耳を澄ませば:三宮麻由子』を、前に発行された『鳥が教えてくれた空』に引き続いて読ませていただき、著者の並外れた感性と、それをフルに活用してきた「ひと一倍の好奇心とその努力」に、改めて感心した。
 と、同時に、その感性を経年的に失って来たこの私、三宮さんのような感性、評判の聴力に加えての、全身の肌で感じるもの、指先で感じられるもの、風で感じられるもの、それらは感覚、第七の感性とでも言えばよいのだろうか。
 いずれにしても、すぐ近くまで迫ってきた私の老後には間に合いそうもない。

2 アスパラと卵のサラダ 畠山工
 素材分量2人分、
グリーンアスパラガス4本、卵1個、玉ねぎ少々、サラダ油小さじ2、砂糖少々、塩適量、
しょうゆ小さじ1、酢小さじ3分の1、みりん小さじ3分の1、
(1)アスパラは、下の固い部分の皮を剥き、さっと塩ゆでにし、一口大の斜め切りにする。
(2)玉ねぎはすりおろしておく。
(3)卵はざっと割りほぐし、砂糖と塩少々を加えて軽く混ぜる。
(4)フライパンにサラダ油小さじ1を熱し、卵を流し入れて炒り卵を作り、取り出して冷ましておく。
(5)ボウルに、残りの調味料を入れて混ぜ合わせ、アスパラと炒り卵とすりおろした玉ねぎ少々を加え、さっとあえる。
 エネルギー80カロリー、塩分0.8グラム

3 一句拝見(いでたち4月いろは句会より)  
初桜石に腰して老夫婦          こうじ
春光の川面波立ち鯉の群れ      まさひろ
囀りへ難聴の耳そばたてり       ひろし
山路下りふとみかけたるすみれ草   じゅんのすけ
春惜しむ七行日記ままならず      おさむ
すきや橋跡の碑にふれ糸柳       たけこ

「思いつくままの走り書き」(41)視覚障害者誘導用ブロック 中村斉
 駅のプラットホームの黄色い線には、視覚障害者が白杖や足底で感じ取れる突起の付いた、一般に点字ブロックと呼ぶ視覚障害者誘導用ブロックが敷設されている。視覚障害者は点字ブロックを「ホームの端は近いが、これを辿れば移動は安全」と信じて自分の身を守る手がかりとする。点字ブロックの上には鞄や荷物を置かれては混乱するだけでなく、つまずき転倒することさえある。ご多分に漏れず私もイタアーイ思いをした体験者として、列車到着放送には「黄色い線のうしろに」ではなく「足元の点字ブロックのうしろにおさがりください」と強調してほしいと常々思っている。
 磯子公会堂でモーツアルトガラコンサートを楽しむ。感動したのは勿論のこと。入場整理係が「点字ブロックの上には乗らずに並んでお待ちください」と呼びかけるのに我が意を得た思いで、演奏前から心弾むコンサートであった。

[きゅうり]                          健康歳時記より
 きゅうりの種類は、白イボ種と黒イボ種に分けられますが、最近では品種改良されたものが一般的です。他に、未熟なものを食す「もろきゅう」、表面がしわしわの「四葉きゅうり」、表面に白く粉をふいたような「ブルームきゅうり」などがあります。
 きゅうりの選び方は、全体的に緑色が濃く、艶があり、切り口が新しく、イボイボが痛い程とがっているものが新鮮です。太さが均一なものが良いのですが、多少曲がっていても味や栄養には差はありません。
 きゅうりは水分が約96%で、ビタミンC以外の栄養的特徴はありませんが、体の熱気を取り除き、利尿作用の効果があります。
きゅうりは乾燥と低温に弱く、あまり長期保存が利かないので、早めに食べるようにしましょう。
 
編集後記 井上進
 先日、生命科学の話を聞く機会がありました。その中に、人はだれでも自分の持つ遺伝子に傷、いいかえれば大なり小なりの障害を抱えているというのがありました。とするとその障害の多少によって、片や障害者、片や健常者と分けているだけに過ぎないということになります。よく言われる「障害は個性」という意味がよく理解できました。
 そして馬場さんの記事を読んで、三宮麻由子さんは抱えた障害は大きかったけれど、それにも増して得た「感性」も素晴らしいものだったと感じました。まさに「障害は個性」ですね。

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いでたち通信は点字に翻訳し、視覚障害者に配布されています。