1 譲り合い 馬場威力
 白杖利用者の人々が便利に使っているものにブロックと歩道と横断歩道の間の段差がある。ブロックのお陰で、全盲の方々も一人で歩ける。また、段差があるために車道の有無を確認できる。
 が、その二つともに、電動車いすや車いす利用の方々には邪魔なものだ、といわれている。また、この二つは、車いす以外にも、乳母車、足元が覚束なくなる高齢者などにも不便だ。ない方がよい、と言われるだろう。
 私も、ちょっとした段差でつまずくようになって来た 生活環境をバリアフリーにしよう、と言うのは簡単だけれど、この狭いわが国の社会では、それほど簡単には割り切れない。譲り合いの気持ちを持って、それぞれの難しさをカバーするしかないだろう。

2 春キャベツと牛肉のサラダ 畠山工
 素材分量4人分、
春キャベツ半分、薄切り牛肉200グラム、玉ねぎ半分、
わかめ(塩蔵)40グラム、酒大さじ1、かつお節10グラム、
ぽん酢適量、レモンのスライス4枚、
(1)牛肉は一口大に切り、酒をふりかけておく。
(2)キャベツはざく切りにし、玉ねぎは薄くスライスする。
(3)わかめは水でよく塩を洗い落とし、熱湯にくぐらせて冷水にとり、ざく切りにする。
(4)熱湯でキャベツと牛肉をそれぞれゆでて水気を切っておく。
(5)器にキャベツとわかめを盛り、牛肉と玉ねぎを上に載せ、かつお節をかけて全体にぽんずをまわしかけ、レモンのスライスを載せる。
 エネルギー150キロカロリー、塩分1.3グラム。

3 一句拝見(いでたち3月いろは句会より)  
ゆっくりと流るる雲や水温む       こうじ
春風に猫も子犬も縁先に        まさひろ
木の芽晴れ脳検診は無事なりし    ひろし
囀りの枝移りして裏山に         じゅんのすけ
鶯の稚なく鳴きし開けそびれ      おさむ
沈丁の路地を曲がれば幼稚園     たけこ

「思いつくままの走り書き」 (40) 南殿(なでん)のさくら 中村斉
 桜前線は津軽海峡を渡る頃だろうか。3月の定例会の後、栄視障協の会員打ち揃い、いたち川沿いの広場で、お弁当を食べながら花を愛でた。柔かな日の光りを浴び、咲き初めた花の下で心和み仲間の笑顔も綻んでいた。
 盲者にして「群書類従」(ぐんしょるいじゅう)編纂の大業を成し遂げた塙保己一が京の或公家の邸の観桜会に招かれたときの逸話がある。 (花井泰子著「塙保己一の生涯」)客達は口々に南殿の桜の見事さをほめていた。これを耳にして保己一はとっさにこう詠んだそうだ。「目は見えず せめてなでんの 桜かな」この一句に同席者は彼の優れた才能と機知に感じ入ったという。「なでん」が、句の謎を解く鍵とだけお伝えしておこう。しばらくは脳トレしていただきましょうか。

[いちご]                           健康歳時記より
 石器時代からいちごは食べられていました。いちごが栽培されるようになったのは、200年ほど前のオランダと言われています。日本で栽培されるようになったのは明治時代あたりからです。
 いちごには豊富なビタミンCが含まれており、1粒に含まれるビタミンCは約10mgと言われ、5粒食べれば1日に必要なビタミンCが補給できます。
また、いちごにはキシリトールが含まれており、最近のお菓子やガムなどの甘味料として使用されています。キシリトールは砂糖に比べてカロリーが4分の3と少なく、甘さは同等と言われており、虫歯菌の繁殖を弱める働きがあります。
 いちごは美容効果が期待でき、ダイエットを考えている人に向いている食材と言えます。食べるときは砂糖やミルクなしで食べた方がより効果的です。
 
編集後記 井上進
 インターネットは便利です。たまにはと思い東大のホームページを覗いて見ました。入学式での小宮山総長の式辞はわれわれにとっても、示唆に富んだものでした。まず「常識を疑う確かな力を養え」とガレリオの例を挙げ、「閃き」と「思いつき」は違うと説いています。学問的な疑いの直感が「閃き」で、その人の頭の中で多様な知が関連づけられ、構造化されている状態ではじめて働くものであるとして、3つのことを強調しています。教師から多くを学べ、同世代の仲間をつくれ、遠い将来を見据えろと。そしてメールや携帯電話が普及したためか議論することが少なくなったことと、目先きの就職だけを目指した勉学行動を戒めています。
 このホームページには、全盲ろう者で東大先端科学研究センター准教授の福島智さんの式辞も掲載されていて、その内容も素晴らしいものでした。ぜひホームページを開いてみてください。

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