1 教育の場 馬場威力
 私が、いつも歩くこの周辺の歩道は、その狭いことや多くの柱類のお陰で、いつも危険な目に合わされている。
 数日前のことだった。家内と一緒に午後の散歩をしていたら、前方からバス、トラックが接近して来た。その後方から来たバイク、当然のことだが、車道を通っては追い越せない。運転していた若者、躊躇することなく、われわれを無視し、歩道に乗り上げて大型車両を追い越していった。恐ろしかった。避けるのが精一杯だった。道路交通法違反で、5万円の罰金だ。
 いつからわが国の若者は、法の精神を守る気持ちを失ってしまったのだろうか。先日、地元の小学校で福祉教育の一端を担当させていただき、「他人に迷惑をかけない」「譲り合う」「礼を言う」と言ったことを説明したのだったが。

2 菜の花と生ハムのサラダ 畠山工
素材分量2人分、
菜の花120グラム、長いも100グラム、生ハム5枚、
白ごま少々、しょうゆ大さじ1、酢大さじ半分、
砂糖小さじ1、サラダ油子さじ半分、塩少々、
(1)しょうゆ大さじ半分と水子さじ1、サラダ油、酢、砂糖を混ぜ合わせ、ドレッシングを作る。
(2)菜の花は硬い部分を切り落とし、塩少々を加えた熱湯でゆでて水にとり、水気をしぼり、しょうゆ大さじ半分をふって下味をつける。
(3)長いもは皮をむき、太目のせん切りにする。
(4)生ハムは、手で粗くちぎる。
(5)ゆでた菜の花と生ハム、長いもをドレッシングであえ、器に盛り白ごまをふる。
(長いもは、すべらないようにキッチンペーパーなどの上で切ると良い)
エネルギー150キロカロリー、塩分1グラム

3 いろは句会(いでたち1月いろは句会より)  
冬雲に浮雲一つの里の山       まさひろ
病む妻の濯ぎもの干す寒さかな    ひろし
すきま風引き戸をゆらし猫の声    じゅんのすけ
高麗山の峰の陽だまり野水仙     おさむ
初鏡姑の顔でありにけり       たけこ

「思いつくままの走り書き」 (36)−いただきますの前に− 中村斉
視覚障害者が外食するとき、どんぶり物などの単品を選ぶことが多い。勿論、懐具合も関係はあるのだが、いく品も食卓に並ぶと、どこに何があるのか解らなくなることも理由の一つだろう。そんなときには、時計の文字盤をイメージして説明してくださると嬉しい。例えば、気軽に入れる定食屋さんでは、たいてい御盆の上に5・6品のっているから、こんな風に・・「12時豆の煮物。2時に味付け海苔。8時にご飯。6時に鯖の味噌煮 4時わかめの味噌汁」。オプションの生玉子やお茶の位置も付け加えていただけば、失敗なく食事が出来る。なお、妙な手付きと思われるかもしれないので一言。私は手の甲側で器を探ることにしている。倒れやすい食器に触れても、指の関節が衝撃を和らげるからである。食前の長話は無用。では「いただきます」

[冷え性]第2回     健康歳時記より
 あなたの冷え性はどのタイプ? 
1.「全身冷えタイプ」 手足のみならず、全身が冷えているタイプ。内臓の働きが鈍るのでかぜをひきやすい、胃腸の調子が悪いなどをよく訴えます。
2.「全身の血行不良タイプ」 血の流れのバランスが乱れているので肌の乾燥や髪、爪、粘膜などに異常をきたします。
3.「冷えのぼせタイプ」 下半身にいくべき熱が上半身にこもってしまうタイプ。顔のほてりや肩こり、便秘、生理不順、婦人病を起こしやすいとされています。
4.「下半身冷えタイプ」 下半身全体が冷えています。腸や腎臓、生殖器の働きが悪くなり、膀胱炎や生理不順を起こしやすくなります。 
5.「気冷えタイプ」 心の冷え性。気が弱くなることで起こります。疲労、倦怠感、不眠症などの自律神経失調症状が現れます。 
6.「水たまりタイプ」 血液循環が悪く、身体に余分な水分や老廃物が溜まってしまうタイプ。むくみや肥満、高血圧、アレルギーなどの原因ともなります。<次回へ続く>
 
6 白杖と車椅子とが共存できる道(1) 南区 関幸夫
 私たちが歩く道、それは、歩道であり、横断歩道であり、普通の道路である。そこは、歩く人だけではなく、車椅子、乳母車、自転車、バイク、自動車などが頻繁に通る所だ。
 よく問題になるのは、ブロックがある歩道や横断歩道だろうか。歩道の場合には、白杖利用者と車いす利用者の利害が相反するのは周知の事実だ。また、横断歩道も、歩道から車道へ移り変わる場合の段差だろう。
 これらの問題を解決するために、横浜国立大学の太田先生が、懸命に取り組んでおられるのが、道路の材質を大幅に変更し、それで歩道を、横断歩道を作ろう、というものだ。
 その理屈は、軟らかい材料を使うことで、白杖で路面を叩いたり、こすったりした時に、手ごたえが全く異なり、なにも、ブロックや、大きな段差を作らなくてもよいのではないか、と言うことだ。

7 母をしのぶ  飯島みや子
 戦中のこと。母は白いエプロンに国防婦人会のたすきをかけて帰ってきた。私の姿を見て「お帰り」と声をかけて暫くして思い出したようにポケットから小さな包みを手渡してくれた。母はいつも会合があり時々ポケットに頂戴した品を入れて帰ってくる。今日は鈴木さん家で寄り合いがあり、みんなに振舞われた半分ポケットに入れてきたという。私は学校帰りで腹ペコ、この小さな紙包みを開きその場で食べた。美味しい蒸しパンだった。そんな私の姿を満足そうに眺める母だった。
 暮れに京都清水寺の貫主が大書揮毫した「命」。昨年は余りにも多い痛ましい子供の事件、我が子を虐待して殺す親、相次ぐ子供の自殺等々。どれもこれも我が子をどうして抱きしめてやれないものか。かけがいのない尊い命を守ってやれない親、とても情けなく思う。
私の幼い頃の親は満足に字もかけない人が多かったが子を思う愛情は深く、子供が悩んでいる時はともに悩んで心配してくれ、出来ることなら代わってやりたいと願い、我が子の身の上を死ぬまで案じる親が多かったのです。千の倉より子は宝と古風かも知れないが母の考えでした。食料難のつらい時代を育て、洋菓子やケーキが並んでいる時代、これらを食べることも眺めることもなく逝ってしまった。

編集後記 井上進
 この号は、関さんのすべての人に優しい道路研究の最新情報と、母の深い愛情をえがいた飯島さんの一文をいただき、より重厚な内容となりました。私もあのきびしい食料難の時代を生きてきたひとりです。自分は食べなくても子どもたちだけにはと、必死だった母の姿を思い出しました。
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いでたち通信は点字に翻訳し、視覚障害者に配布されています。