1 エスコートライン 馬場威力
 最近のカタカナ言葉には、相変わらず悩まされる。ここでご紹介するのは、このバリアーフリーを迎える時代だけに、全ての人が屋内外を安全に通れるようなガイド、誘導設備のことのようだ。
 たとえば、白杖を利用する視覚障害者と車椅子を使わなければならない四肢障害者との間で、利害がなかなか一致しない誘導ブロックを両者でうまく使い分けられるような新技術、新設備の研究、開発などがそれに該当するのだろうか。
 具体的には、横浜国立大学工学部のドクター太田のグループが開発中の歩道と横断歩道の材質改善研究がある。その詳細を、未来に共有財産を残そうと、とても前向きな南区の全盲の関さんの大学研究室訪問、実地検証のレポートを次号でご紹介する。

2 肉豆腐 畠山工
 素材分量4人分、
豚こま切れ肉300グラム、木綿豆腐1丁、長ねぎ1本、
きぬさや4枚、しらたき1袋、にんじん2分の1本、
サラダ油大さじ1、砂糖大さじ4、しょうゆ大さじ7、
ほんだし小さじ1、みりん大さじ4、酒大さじ2、
(1)豚肉は、砂糖大さじ1としょうゆ大さじ1をよくもみこんでおく。
(2)しらたきは湯通ししてから食べやすい長さに切る。きぬさやは塩ゆでにし、たて半分の斜め切にする。
(3)ねぎは2センチ位の斜め切りにし、にんじんは皮をむき、小さめの乱切りにする。
(4)豆腐は横半分にし、厚さ2センチ位に切る。
(5)鍋に油を熱し、豚肉をかるく炒め、カップ3杯の水と残りの調味料、きぬさや以外の材料を入れ、落し蓋をして中火で煮込む。
(6)15分ほど煮て、煮汁が少なくなってきたら火を止め、器に盛り、きぬさやを散らす。
 塩分5グラム、エネルギー385キロカロリー

3 一句拝見(いでたち 12月いろは句会より)  
川面より輝き返す冬の日矢       こうじ
手を通すオーバーコートも色褪せて  まさひろ
子守柿 とんび輪を描く 谷戸の空   ひろし
冬深し社の歴史杉木立          じゅんのすけ
忘年会語る本音を茶化されし      おさむ
山頂の峠路埋めて散紅葉        たけこ

「思いつくままの走り書き」 (35) −車椅子の作家− 中村斉
  久しく連絡がとれなかった車椅子の中村勝雄さんから年賀のメールをいただいた。お互い横須賀にいた頃は、街で出会うと彼が「右・左」と声を掛けてくれて、白杖をついた私が車椅子を押しながら、目的地まで雑談を愉しんだものだった。四肢麻痺のうえ不随意運動があるので腕は肘掛けに固定し、指先で電動車椅子を操作する。そんな厳しい障害にもめげず、彼のプラス思考と人一倍強い好奇心は、小学館ノンフィクション大賞の優秀作に選ばれた「パラダイスウオーカー」に記されているように、単独ハワイ旅行さえやり遂げる。彼と交信が途切れて久しかった。結婚して子宝にも恵まれ、人生昇り坂にかかっていたのだが・・・。いまは、あえて、その理由を述べるのを控えよう。いずれ絵本か映像となって読者の目にもふれることだろうから。
 *中村勝雄さんをさらにお知りになりたい方は下記にアクセスを。
http://www.koushinococoro.com/magazine/ma-25.htm

「冷え性」第1回   健康歳時記より
 個人差はありますが身体が冷たいと感じたら、もう「冷え性」です。西洋医学の病名には「冷え性」という病気はないそうです。今、冷え性は、若い者から年配者まで、多くの人が悩んでいます。以前は、女性特有の症状の一つでしたが、最近では男性にも訴える人が多くなっています。冷え性の主な原因は、身体の体温調節がうまくいかずに起こることとされていますが、その原因として、以下のような点が挙げられます。
 1.冷暖房完備の生活により、夏も冬も室内の温度が一定となった反面、室内外の温度差が激しく、皮膚にある温度を感じる神経の機能が鈍っているため、皮膚から脳に「寒い・冷たい」と言う情報の伝達がうまくいかない。また、室内外の急激な温度差のある場所を出入りする生活を続けているため、気温の変化を調節する神経が鈍くなってしまっている。
 2.日常の強いストレスや過労などで、自律神経がうまく機能しなくなるため、中枢からの体温調節のための指令が身体の各器官にうまく伝わらない。また、自律神経は女性ホルモンの分泌をコントロールする神経と密接な関係にあるため、特に女性は出産、閉経後などに自律神経のバランスが崩れ、冷え性になりやすくなる。
 3.無理なダイエット、運動不足、睡眠不足、栄養の偏りなどによる貧血・低血圧、それによる静脈のうっ血などで新鮮な温かい動脈血が末端の毛細血管まで届かず、冷え性になる。これらは手足の他、下腹部でもよく起こり、腰や背中の冷え性の主な原因になっています。<次回に続く>
 
6 爽やかだったスイスの空気  中区 堀井明
 山登りやトレッキングに興味を持っていた私だった。いつかは、ヨーロッパやアメリカの山々や国立公園などを訪ねて見たいと思っていた。それだけに、視力を失ったからと言って、その夢は簡単には捨てられるものではない。
 昨年7月に、再び縁があって、スイスの3千メートルクラスの高地にあるゴルナーグラート周辺のハイキング旅行に出かけた。そこから南側に高くそびえる4477メートルのマッターホルンを望みながら、ツェルマットまで約3時間かかっての楽しいひと時だった。
 また、有名な3454メートルのユングフラウヨッホまで登山電車で一気に上り、その終点の展望台から快晴の外へ出て、胸いっぱいに吸い込んだきれいな、爽やかな空気の味や、そこに咲き乱れていた高山植物の可憐さも忘れられないものだ。

7 編集後記 井上進
 1月17日、ことし最初の栄視覚障害者福祉協会の会合が開かれ、私も参加しました。会員10人を含む17人の出席で、賀詞交歓のあと予算上の提案、行事連絡そして「私達を囲むバリアを除くために」の討議が行われました。時間の関係もあって、結論までには至らなかったのですが、活発な意見がでて今後につながる内容となったようでした。
 二次会は近くのスナックに席を移しての、食事とカラオケの会でした。皆さんそれぞれ明るく元気。楽しいひとときを過ごすことができました。そして席上にはことしも「点訳と誘導」の大先輩飯島さんが、数々の食べ物を持って参加されました。相も変わらず慈愛に満ちた飯島さんでした。

 いでたちトップページへ  目次ページへ
いでたち通信は点字に翻訳し、視覚障害者に配布されています。