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1.船の旅 その1 馬場威力
 北海道を先日、いでたち通信の読者の方が、横浜から小樽までの2泊3日の、初めてのクルージングを楽しまれた。
 最近作られた船、それもクルージングの専用船だと、思い切ってバリアフリーに設計され、造られているから、車椅子の方でも、白杖の方でも十分に利用できる。その船の名前は、にっぽん丸で、大きさは2万トン強と、かなり大きい。
 小雨のために、せっかくのみなとみらい地区のビル群も、ぼやっとしか見えない。その中を見送り人の歓声を後にしたにっぽん丸は、小雨が止むころ東京湾を出て、太平洋岸を北上し、三陸沖を通過し、津軽海峡を西に向かって進み、北海道の西の端を通って、北上することになる。
 3日目の7時半からの朝食も終わると、10時には、小樽の港に横付けとなる。一同後ろ髪を惹かれる思いで上陸し、それからは各人の好みで、北海道の各地へと散って行く。その自然に恵まれた大地を楽しむことになったそうだ。
 とにかく、やってみたいことは、やれば出来る、そんな感じだったと、その旅人は仰っている。
  
きのこ肉じゃが 畠山工
 素材分量2人分、
薄切り牛肉100グラム、じゃがいも2個、玉ねぎ半分、
にんじん半分、しめじ2分の1パック、しょうゆ大さじ2杯半、
みりん大さじ2杯半、さやえんどう適量、サラダ油適量、塩適量、
(1)牛肉は3から4センチ位の長さに切る。
(2)さやえんどうは筋を取り、塩を加えた熱湯でゆで、斜め半分に切る。
(3)じゃがいもは一口大に切り、にんじんは乱切りにし、玉ねぎはくし形に切る。しめじは小房に分ける。
(4)鍋にサラダ油を熱し、牛肉をほぐしながら炒め、じゃがいも、にんじん、玉ねぎを加えて炒め合わせる。
(5)カップ1杯強の水としょうゆ、みりんを加え、煮立ったらアクを取り除き、落しぶたをして煮る。
(6)じゃがいもが柔らかくなったら、しめじを加えてひと煮し、器に盛りつけ、さやえんどうを散らす。
 エネルギー334キロカロリー、塩分2.5グラム
 
一句拝見(いでたち 8月いろは句会より)  
飛沫上げ孕み切ったるヨットの帆  こうじ
夏山の唐松林をどこまでも      まさひろ
戦場の記憶は遠し終戦日       ひろし
目覚めけり不意に鳴きたる蜩に   じゅんのすけ
草市の地に置くものにかがみけり  たけこ

「思いつくままの 走り書き」 (27) ―車椅子用トイレ― 中村斉
 東京では、行政が市街地にトイレの空白地帯をなくす取り組みを進めている。巣鴨の商店街では、これに呼応して、個人商店でも来客が手洗いを使いやすいように改装しただけではなく、接客の意識の改革も始めたという。さすが高齢者に優しい街だと拍手を贈りたい。
 さて、車椅子生活者にとってはトイレの問題は一層切実。私も外出する前には水分をひかえることと、あらかじめ使用するトイレを頭に入れておく。このごろは、車椅子専用ではなく、「みんなのトイレ」としてオムツ交換や導尿される方や人工肛門等の洗浄のために利用される方もあり、一人の使用時間も長くならざるを得ない。区内には、未設置の公共の建物もあるのが残念である。公共の施設には複数設置が望まれる。
 ある駅の「みんなのトイレ」で10分以上待たされた。やがて青年が、煙草の煙と共に何喰わぬ顔で出てきた。多目的とはいえ喫煙所ではあるまい。この国が「優しい心」に支えられた「本当に美しい国」であってほしい。

編集後記  井上進
 防災の日にちなんだ町内会合同の防災訓練に参加しました。その内容は避難場所となっている小学校で、防災用品倉庫の見学、照明灯と簡易トイレの組立て、炊飯器による炊き出し実習、三角巾を使っての救急訓練を一部の人が行って、大多数の人が見学するという、訓練というより避難場所の実態を知ってもらうのが主な目的の行事でした。
 終わって感じたのは避難場所の食糧品の備蓄や機材の整備状況はお世辞にも十分といえず、「自分の生活は自分で守るしかない」ということでした。そして地震発生に備えて、古家の補強と家具の転倒防止それに食糧や飲み水の備蓄は絶対に欠かせないことを痛感しました。また地震発生時、家は壊れても火は絶対に出すまいとも思いました。家が焼けては生活必需品が取り出せなくなるからです。
 
いでたち通信は点字に翻訳し、視覚障害者に配布されています。