車椅子の生活 馬場威力
 今回のアメリカの旅、それが都会であっても、また田舎であっても、多くの車椅子が動いていることを知った。
 視覚障害者を、その町中で見かけることは先ずなかったのに、下肢障害者の場合には、町の中だけではなく、山岳地帯にある国立公園などの観光地でも沢山見られた。簡易舗装はしてあるものの、登ったり、下ったりの尾根道を歩くような場合でも、例外ではなかった。
 それは、アメリカの国立公園の場合には、ほとんどの所に「車椅子専用のトイレ」が設けられ、利用できたからだろうか。
 では、あの車社会のアメリカで居住地から、どうやって目的の国立公園まで行けるのだろうか。それは、一つには、家族揃っての旅を可能にするキャンピングカーの普及。一つには、そのキャンピングカーを受け入れる専用の駐車場をいたるところに設置。
 ただ、電動車椅子、手動車椅子のどちらの場合でも、日本とは異なり、車椅子を利用していたのは、やっと歩いているようなヘビー級の男女も居たことだった。
  
豚肉ときくらげの炒め物 畠山工
 素材分量2人分
豚ロース薄切り120グラム、きくらげ10グラム、玉ねぎ半分、
さやえんどう6枚、しょうがの絞り汁小さじ半分、スープの素適量、
砂糖小さじ半分、片栗粉小さじ1、塩適量、サラダ油大さじ2、
(1)きくらげはぬるま湯で戻し、石づきを切り落とす。
(2)豚肉は食べやすい長さに切り、しょうがの絞り汁と塩少々で下味を付けておく。
(3)たまねぎは食べやすい大きさに切る。さやえんどうは筋を取って塩ゆでにし、冷水に取る。
(4)ボウルにスープの素、砂糖、塩小さじ半分を入れ、カップ半分のお湯で溶いておく。冷めたら、片栗粉を合わせておく。
(5)フライパンを熱してサラダ油を入れ、豚肉、きくらげ、たまねぎの順に炒め合わせ、ボウルの中身を加え、とろみが出てきたら火を止める。
(6)器に盛り、さやえんどうを乗せる。
 
一句拝見(いでたち6月いろは句会より)  
菜園の畦を伝いて蟻の列       こうじ
山桑の黒き実散らす谷戸の風    まさひろ
新蕎麦や庭の青紫蘇薬味かな    ひろし
稲妻の山路を走る下呂の宿      じゅんのすけ
貴婦人のごと丹沢の白つつじ     おさむ
せせらぎの途切れしところ栗の花   たけこ

思いつくままの 走り書き」 (23) −蕎麦− 中村斉
 かっと照りつける夏、山椒を効かした鰻もいいが、ふところ具合が許さない。せいぜい「天ざる」くらいで夏バテ解消をはかることになる。負け惜しみでなく、私は蕎麦は大好物。最近は「もり」でさえ、けっこういい値になったが、若い頃は夕方の一杯の焼酎代をひねり出すために、昼は「もりそば」と決めていた時期さえあった。日常的に食べていた蕎麦だが、視力が落ちてからは人目を意識して、恥ずかしさから「もり・ざる」を食べるのに躊躇する。片手にそばちょこを持ち、箸でひと口分の蕎麦をはさみ、その端をつゆにほどほどに浸し口へ運ぶ。所謂「手とて・目と手の協応動作」が難しい。わさびをおろすこと、つゆを過不足なく注ぐこと。これも至難。蕎麦っ喰いの美学としては、なんとか技を磨き、もう一度、鼻息で海苔を吹き飛ばすことも無く、きれいに、ざる蕎麦をたぐりたいものである。

西丹沢桧洞丸(ひのきぼらまる)(1)  千葉宰
 5月22日私達、栄山路の会33名は大型バスで西丹沢に向かう。今月の山行きは、標高1600メートルの桧洞丸である。天気は晴れの予想だったが雲が厚く日の指す気配はない。7時30分、西丹沢研修センターを出発、一路ゴーラー沢を目指して登りはじめる。歩き始めて1時間大小の石がゴロゴロしているゴーラー沢に着く。10分の休憩、栄区を5時30分に出発したので皆さん小腹が空いて来ている。バナナを食べる人、クッキーを食べる人、水分補給にお茶を飲む人と一時の賑わいである。
 ここから急な登りが始まる。木の根につかまり、岩にしがみつきクサリ場を登る。登るほどに呼吸が苦しくなり話し声も少なくなってきた。
 丹沢山塊でも西丹沢は特にブナの木が多い。登るほどに大人が一人では抱えきれないほどの大木もある。天気の回復は望めなくなってきた。霧がだんだんと濃くなり風が吹くと木の葉に付着した霧が大粒の雨のようにボタボタと落ちてくる。
 霧にかすむ新緑、黄緑色のブナや水楢が見渡す限り眼に飛び込んでくる。ブナの大木を見上げると半分から上のほうが霧にかすみ見えない。(筆者はいでたち会員、2回に分け掲載します)
 
いでたち通信は点字に翻訳し、視覚障害者に配布されています。