アメリカの点字 馬場威力
 日本のかな点字は、英語の点字に基づいていることは、よく皆様の知っている通りで、アルファベットや数字は全く同じである。ただ、当然のことだが、外字符をつける必要がないだけである。
 したがって、英語の点字を覚えるのはすごく簡単である。が、それは、あくまでも基本英語の場合だけで、一般的には、省略形をマスターしないと理解できない。使えない。
 今回のアメリカ旅行で、たとえば、エレベーターの場合、行き先表示は数符と数字は日本とまったく同じだった。が、上りはUPで簡単だったが、下りはDOWNで長すぎる。DNと表示されていた。
 が、問題は表示の問題ではなく、本当に視覚障害者の人々に役立っているのか、と言うことである。車社会が徹底しているアメリカのこととて、建前的にはともかくとして、実際問題としては、あまり効果的には使われていないようである。
  
モロヘイヤと長いものたらこ和え 畠山工
 素材分量2人分、
モロヘイヤ2分の1袋、長いも100グラム、たらこ1腹、
酢適量、しょうゆ大さじ1、塩少々、
(1)モロヘイヤは茎の固い部分を切り落とし、葉をちぎり、塩少々を加えた熱湯でゆでる。冷水にとり、しっかり絞って粗いみじん切りにする。
(2)長いもは皮をむいて5センチぐらいの角切りにし、酢水に漬け、ざるにあげておく
(3)たらこは皮から出し、酢と醤油で伸ばすように混ぜ合わせる。
(4)モロヘイヤと長いもを混ぜて、器に盛り、たらこソースをかける。
エネルギー93キロカロリー、塩分2.6グラム
 
一句拝見(いでたち5月いろは句会より)  
花水木ほどよく吹かれ浦小路     こうじ
桐咲くや白鷺下りし平家池       まさひろ
春暮るる運転免許切れしまま     ひろし
凧の糸うなりをあげて古都の空    じゅんのすけ
植え終えし早苗に午後の風やわし  おさむ
滝となる川とは見えずゆるやかに   たけこ

「思いつくままの 走り書き」 (22) −握手− 中村斉
  握手は、おじぎより直接的で、視覚障害者にも解りやすい挨拶である。握手に当たる英語のシェイク ハンドを直訳すれば「振手」だから、ただ握るだけではなく、シェイクするのだ。その方が「よろしく」「良かったね」「ありがとう」などの意思や感情を伝え合える。
 私は、初対面の方のお顔を拝見できないので手のひらの印象を心に刻むつもりで握手をお願いする。著名な方の握手会があると、年甲斐もなく参加する。加藤登紀子さんは、CDのライナーに丁寧にサインしてから、きちんと向き直り、しっかり握手された。きりりとした意思の強さを感じ、思わず一礼してしまった。
 小泉純一郎氏の初立候補の選挙中、街頭で求められるままに「高校の後輩頑張れよ」のエールのつもりで握手した。「小さな手」とその時は感じたが、後に首相となり、あの手の中に国民の総てを握ったのかと思うと感慨が湧く。変人と呼ばれていた頃の小泉氏に、教え子で自閉症の伊藤英高君の詩画集「きらわれカラス」(大日本図書刊)を贈呈したところ、丁寧な読後感にご父母への思いやりの言葉を添えた葉書をいただいた。白手袋をしての握手では感じ取れなかった、血の通った暖かさがあった。

編集後記 井上進
 最近、いでたち通信にご投稿くださる方が増え有難いことです。ただページ数が増えすぎると特に点字版の場合、読者に負担となるようです。できれば点字版で6ページ以内にしたいのです。恐縮ですが長さを400字以内にしていただくようご協力お願いいたします。
 
いでたち通信は点字に翻訳し、視覚障害者に配布されています。