パラリンピック 馬場威力
 トリノの冬のオリンピック大会、その10日後に行われたパラリンピックでは、日本の選手は全員優秀な成績を残した。まさに、メダルラッシュだった。
 その中でも、びっくりしたのはバイアスロンだった。7500メートルもある山スキーに続いて射撃がある競技だ。全盲の小林選手は、百発百中に近い90点から95点で、当然世界一の実力を発揮した。息が弾む山スキーのすぐ後に行われるだけに、とても難しいものだ。そのコツを、金メダルの小林さんは言っていた。一分間、息を止めて、その間に的を狙えばよい、のだそうだ。
 またアルペンスキーでは、座ってすべる種目で金メダルの大日方選手は、そのコツを、積極的に滑るのです、そのためには、必ず勝つんだ、との執念を持たなければ。
 とにかく、このパラリンピックでメダルを手にした障害者の皆さんは、この人生を生き抜くんだ、との強い、強い人生観をお持ちのようだ。
  
帆立の照り焼き  畠山工
 素材分量2人分、
ひも付きのボイル帆立貝柱6個、ピーマン1個、
にんじん3センチ、長ネギ3センチ、
もやし4分の1袋、みりん大さじ1、
しょうゆ大さじ1、サラダ油適量、
塩少々、こしょう少々、
(1)帆立貝柱をしょうゆとみりんに約10分浸けておく。
(2)にんじんとピーマンは細切りにし、ねぎは白髪ねぎにする。
(3)フライパンにサラダ油を熱し、にんじんとピーマン、もやしを炒め、塩、こしょうで調味し、器に取り分ける。
(4)フライパンにサラダ油少々を加え、帆立の汁気を切って加え、両面を焼き、火が通ったら、取り出す。
(5)フライパンに、帆立を浸した汁を入れてかるく煮詰め、帆立を戻し入れ、煮汁をからめる。
(6)炒めた野菜の上に帆立をのせ、煮汁をかけて白髪ねぎを散らす。
 エネルギー230キロカロリー、塩分3グラム、
 
一句拝見(いでたち3月いろは句会より)  
通り雨去りて紅梅華やげる    こうじ
春一番軋みが響く峠茶屋     まさひろ
啓蟄やさなぎの眠り妨げし     ひろし
梅林や谷戸の日和にこの人出  おさむ
万作の黄色深まり雨上がり    じゅんのすけ
閻魔堂裏山なべて竹の秋     たけこ
 
「思いつくままの 走り書き」 (17) −落語− 中村斉
 仲間とにぎわい座へ出かけた。トリの桂文楽のだしものは「ためし酒」の一席。文楽という名にふさわしい風格ある芸に、心地良く酔わせてもらった。五升の酒を、いかにも美味そうに飲み干していく。こちらも、よだれが出そうだ。表情や手振り身振りで、しらふから、少しずつ酔がまわっていくのを演じわける。見所はここである。私達にも、酒が喉を過ぎる音や話しの流れと間や息遣いで、動きが見えてくるように思う。それが、話芸として確立した落語のすばらしさであり、演者の芸である。だから、ラジオでも、CDでも落語を聴けば、引き込まれ、笑いを誘われる。
 昨年「出前寄席」のとき、仲間が「寿限無」をすらすらと、しかも高らかに唱えたのには恐れ入った。点字図書館から落語のテープを借りて楽しむ者、ラジオの番組は欠かさないなど熱心な落語党員も何人か会員の中にいる。やがて、「一席伺います・・・」と落語修業にはげむ人が出るかも知れない。
花まつりの思い出 飯島みや子
 4月8日はお釈迦さまの生まれた日、私は幼い頃近所の遊び仲間と誘いあって、水筒ややかん等をめいめいに持って、お寺に甘茶を潅いで貰いに行きました。その日はお寺ではお釈迦さまの御堂を開いて参詣者に甘茶のふるまい、住職は集まった子供たちに供物を分け与えてお釈迦さまの伝説を静かに話されました。お釈迦さまが右手を上げているのは迷いや苦しみの世界を超えて悟りの世界を表しているという。生まれた時二頭の竜が現れ、香り高い雨を降らして、お釈迦さまの身体を清めたという伝説を聞きました。以来4月8日には甘茶を潅ぐ習慣が広まったということです。
 いま幼い子供を殺したり殺人事件が後を断ちません。大切な命の尊さなどみじんもなくなり恐ろしい世の中です。「天上天下唯我独尊」のお釈迦さまの言葉があります。一番尊いのは自分の命です。生きていくには迷いや苦しみは誰でもあります。煩悩の多い世界というのでしょう。誰しもこの世に生存する命ある限りたった一つの命です。無信心の私ですが、今年も満開の桜の花を愛でることの喜びと幸せに深く感謝しています。
 
編集後記 井上進
 最近の子どもは元気がない?去年から今年にかけ、目の不自由な方やボランテイアの方々と中学校の福祉体験授業に参加し、話をしたり、質問を受けたりしてきました。皆素直で可愛い生徒たちでしたが、気になったのは発言時の声が例外なしに小さいことでした。1年ほど前、近くの中学校で授業参観したときにもそう感じました。少しぐらいピントの外れた発言でもいいのです。皆が若者らしく元気に大きな声で発言できるようになったら、それだけで何かが変わってくるはず。私は中学校の校長先生に手紙を書き、折に触れての指導をお願いしました。皆さん、どう思いますか。


いでたち通信は点字に翻訳し、視覚障害者に配布されています。