テルミー 馬場威力
 かな点字だけで文章を書くと、かなり長いものになる。したがって、複雑な法律などや、また、ページ数に制限がある場合などはかな点字で書きにくいところだ。
これらの問題点をかなり改善したものに、文字読みとり機があり、その一つのテルミーを福祉局から借りてきて、デモンストレーションをやってみた。
 昔あったようなコンピューター言葉ではなく、人間言葉として、男の声でも、女の声でも、またしゃべる時間を速くも遅くもできる物であった。
 それは、切手よりは小さい2センチ四方の四角の中に、800音(かなの800字分)も記憶できる。
 これからの日進月歩の技術を有効に利用すれば、まだまだ生活を楽しむことが出来るようになるだろう。風花は きらめき飛ぶや 朝日浴び 空っ風
  
きのこと野菜の酢の物  畠山工
 素材分量4人分、
えのきだけ60グラム、生しいたけ4枚、きくらげ8枚、
大根4センチ、にんじん3分の1本、さやえんどう10枚、
しょうゆ大さじ1、みりん大さじ3、酒大さじ2、
ごま油小さじ1、白ごま適量、塩適量、
酢大さじ2、
(1)えのきだけは根元の部分を切り落とし、半分に切ってほぐす。しいたけは軸を切り落とし、細切りにする。
(2)きくらげは水でもどし、固いところを切り落として細切りにする。
(3)きのこを鍋に入れ、しょうゆ、酒全量とみりん大さじ1をまぶして弱火で蒸し煮にして、自然に冷ましておく。
(4)さやえんどうはさっと塩ゆでにし、せん切りにする。
(5)大根とにんじんは皮を剥き、せん切りにして軽く塩もみし、洗って水気をしぼる。
(6)きのこを煮汁ごとボウルに入れ、細切りにした野菜と残りの調味料で混ぜ合わせ、器に盛って白ごまをふる。
 エネルギー120キロカロリー、塩分1グラム、

 花王株式会社 音声情報CD「くらしの中のサイエンス」を無料配布
花王株式会社は、衣食住に関わる暮らしの中の科学をわかりやすくまとめ、生活に役立つ情報を楽しんでいただく、音声情報CD「くらしの中のサイエンス」を作成し、視覚障害者及び70歳以上の希望者に無料で配布する。
内容は、「洗濯物のしわ防止」「気になる汗のにおい」「室内干しのにおい対策」など全13テーマを掲載している。
問い合わせ、 花王株式会社 コーポレートコミュニケーション部門 社会貢献部
電話、 03-3660-7057
E-mail、 kouho@kao.co.jp
 
一句拝見(いでたち2月いろは句会より)  
初春や作品に酔い書道展     こうじ
雪掻きつ交わす言葉も国訛り   まさひろ
鯛焼きの懐ぬくき家路かな     ひろし
雪舞えばより赤く見ゆ実南天   おさむ
日溜りの芝の芽吹きや裏山に   じゅんのすけ
大船駅北口開通春立つ日     たけこ
 
「思いつくままの 走り書き」 (16) ―ラジオ― 中村斉
 かつては、ラジオが、家庭の情報と文化の要(かなめ)であった。我が家では、神棚の端に鎮座していて、朝はニュース・国民歌謡を、夕方は「子どもの時間」、夜は落語・浪花節・歌謡曲・ドラマなどに耳を傾けた。スポーツは、野球・相撲が中心であったが、オリンピックは、一家をあげて、かかさずきいた。アナウンサーが、絶叫するだけの最近のテレビの実況放送とは違い、言葉を選び、感情を込め、細かい描写もちりばめたラジオ放送は、映像にも匹敵する。だから、名アナウンサーの一言ひとことに、一喜一憂したものである。
 幸せなことに、トリノの荒川静香選手の氷上の演技をラジオで見ることが出来た。詩のように言葉を紡ぎ、イナバウアーの優雅さをイメージさせてくれたのだ。「誰も寝てはならない」の調べと、観衆の拍手、歓声にアナウンスが重なり、私は興奮し、感激しながら確かに金メダルの舞を見たと感じた。
 その録音を私達の会の声のお知らせに収め、仲間にも見てもらう。私のラジオは、近頃、神棚を降り、いつもポケットの中でスタンバイしてくれている。
つるし雛を見物して 飯島みや子
 年が明けると雛人形のコマーシャルが始まる、初節句の風習がいつの間にか広まっています。私の幼い頃は特権階級や裕福な家庭の女の子の飾り物と思っていて見ることも少なかった。しかし幾つになってもお雛様を眺めることは楽しく心が安らいできます。
 写真やテレビで見るだけでなく百聞は一見に如かずと、伊豆稲取のつるし雛を見に行きました。久しぶりの伊豆の旅、海岸線をひた走る車窓から眺める一大パノラマ、時々河津桜が早春を伝え、白い湯けむりが立ち昇り、あっという間に稲取に着きました。大勢の見学者の中にまじって商店の店先のつるし雛から見物、どの家も趣向をこらしてあり、常設館のある岬まで感嘆しながら眺め歩き、常設館では色々とお話を伺いました。江戸時代から始まり当時は貧しくて高価な雛人形など買えず、可愛い娘の幸せを願って親心から手作りで初節句を祝ったのが始まりで、現在まで受け継がれているということでした。着物の切れ端で作った細やかな丹精込められた愛情ある人形にはひとつひとつ色々な謂れがありました。伊豆独特のつるし雛には子供の成長を願う親心がひしひしと伝わってきました。
 
編集後記 井上進
 少子化が進み予想より早く、今年から人口減少に転じたとのことです。先日、新聞で「子どもを育ててきて、2人目は?と聞かれますが、もうウンザリです。子育ては面倒です」という女性の投書を読んで、少子化の一番の原因はこれかなと考え、だとすると少子化はとまることはないなとも思いました。
 それにひきかえ、昔の女性はたくましかった。どんなに貧しくても、苦しくても、子育てを決して厭わなかったのですから。
 飯島さんの親心に触れた「つるし雛」を読ませていただき、そんな思いを持ちました。


いでたち通信は点字に翻訳し、視覚障害者に配布されています。