忙しいMさん 馬場威力
 触ってわかる地図作りも、3月になると、忙しくなる。当然のことだけれど、間違いは許されない。で、最後の最後まで、メンバーが手分けして現場での確認作業を行うことになる。それは、車椅子用の駐車場やトイレを具体的に確認するのが重要だ。
 もう一つは、最重要なもので、触ってわかる太い線と細い線の組み合わせ方と点字の配置と点字表記の内容のチェックだが、これにはどうしても点字をすらすら読み書き出来る人が必要だ。
 そのお1人が、全盲で福祉事業で活躍中のMさんで点字はもちろんパソコンも十分にこなせる能力の持ち主だ。
 2月21日の午後の地図検討会議には、ドイツから出張帰りのMさん、成田空港から直行してくださった。勿論、検討会は活発に行われ、2歩も3歩も前進した。
  金一つ 寒さにフリーズ 日本勢  空っ風 
  
豆腐ハンバーグ 畠山工
 素材分量2人分、
木綿豆腐4分の1丁、豚ひき肉150グラム、
あさつき3本、エリンギ1本、
溶き卵大さじ1、塩小さじ4分の1、
酒大さじ半分、しょうゆ大さじ1、
みりん大さじ1、片栗粉小さじ1、
サラダ油大さじ1杯半、
(1)豆腐は布巾で包み、重石を載せて、10分ほど水切りをする。
(2)ボウルに豚ひき肉を入れてよく練り、豆腐、卵、塩、酒を入れ、よく混ぜ合わせ、4等分にして小判型に形を整える。
(3)あさつきは小口切りにし、エリンギは縦にさく。
(4)フライパンにサラダ油大さじ1を熱し、エリンギを焼いて取り出す。
(5)残りのサラダ油を加え、小判型にしたハンバーグを焼き、色がついたころ返し、蓋をして中まで火が通るように焼く
(6)片栗粉を大さじ1の水で溶く。
(7)小鍋にカップ半分の水、しょうゆ、みりんを合わせて温め、水溶き片栗粉を加え、とろみをつけてソースを作る。
(8)器に、焼いたハンバーグとエリンギを盛り、ソースをかけ、小口切りにしたあさつきを散らす。
 エネルギー370キロカロリー、塩分2グラム
 
一句拝見(いでたち2月いろは句会より)  
果樹園の棚整いて春を待つ      こうじ
暖かや猫が先行く谷戸の径      まさひろ
名残雪季節の歩遅々として       ひろし
雪舞えば童の声や日暮れまで     おさむ
手入れする庭に見つけし蕗のとう   じゅんのすけ
吹き晴れて富士くっきりと春立つ日  たけこ
 
「思いつくままの 走り書き」 (15)ーふれあいー 中村斉
  教師であった私は、卒業式の時期になると「緑萌えいで 花は近く 学びの窓に春は返る・・・」と歌いだす式歌をいつか口ずさんでいる自分に気付く。在職した日々を思い起こし、学校での様々な体験がどのように人となりを形成していくかを考える。
 県の西部の町に住んでいたMさんは、小学生のとき、社会科の学習の一貫として、学校を代表し横浜を訪れ、目にしたり体験したりしたことを教室で報告することになった。マリンタワーや山下公園で楽しいひとときもすごしたが、何といっても心に残ったのは、横浜訓盲学院の訪問であった。Mさんは、盲児達が勉強や体育に懸命に取り組んでいる姿に感動した。彼等の澄んだ歌声に、心を洗われたと素直に学友に伝えた。
 今、Mさんは、先日から開始された「こすもす」の音声訳ボランティア養成講座を受講している。遠い日「いつかは、この人達のために」と決めた心を半世紀も持続させ、形にしようと努力する彼女に、私は感謝する。
編集後記 井上進
 最近読んだ味わい深い一文を紹介し、編集後記に代えます。自分にとって、豊かに生きるとはどういうことか考えさせられました。
 「明るく、軽く、楽しく、わかり易く、といった風潮は今の世の好みかも知れない。だが空き時間を埋めるのが目的のように恋愛したり、旅行したり、趣味らしきことをしても豊かな時間とはならない。影のない明るさも、悲しみを知らない楽しさも、他人との比較によってしか計れない幸せもつまらない。人がそれぞれ持っている条件(運命といってもよいが)を静かに受け取ってみたいものだ。老いはさまざまな老いの条件を受容してこそ、落ち付いた時間を生きることができる。」(甘糠幸子「六十九歳の新人作家」ラジオ深夜便06.02月号より)
 


いでたち通信は点字に翻訳し、視覚障害者に配布されています。